通所介護事業所の職員配置基準では、必ず1名以上の「機能訓練指導員」を置かねばならないことになっている。

そしてその職種については解釈通知において「理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師の資格を有する者」(老企第25号)と限定されている。

ただし同解釈通知では「利用者の日常生活やレクリエーション、行事を通じて行う機能訓練については、当該事業所の生活相談員又は介護職員が兼務して行っても差し支えない。」とも謳っているところであるが、これはそれらの訓練を行う際に相談員や介護職員を機能訓練指導員として発令配置して機能訓練指導員の配置基準が満たされるという意味ではなく、あくまでそうした行為については「機能訓練として相談員と介護職員も携ってもよいですよ」という意味にしか過ぎない。配置基準を満たすものではなく行為を容認しているという意味である。

つまり通所介護事業所では、個別機能訓練加算を算定しようと、算定しまいと理学療法士や看護職員等の有資格者が任命されるべき「機能訓練指導員」の配置義務自体はあるわけで、この場合120分以上、機能訓練指導員を配置し個別の計画に基づく「機能訓練」が実施されている場合は、同加算を算定できるものである。

逆に言えば、同加算を算定しない事業所においては120分以上の機能訓練指導員配置は必要ないということになる。

ここで問題になるのは、それでは加算算定しない事業所においては、一体何分以上、機能訓練指導員を配置しておればよいのか?そもそも配置しない日があり週数回数分程度の配置でも良いのか?ということがよく論議される。

基準省令においてこの配置基準は、単に1名以上であって、常勤専従規定でもなければ、常勤換算1.0以上という規定でもない。よって配置基準上では機能訓練指導員は雇用されておれば週何時間の勤務でも可、つまり機能訓練指導員が配置されない日があってもよいもので、勤務実態も週1回でも、月1回でも可であると読める。(グループホームの介護支援専門員の配置基準と全く同じ配置基準である)

しかし実際には、毎日の機能訓練指導員配置を求めている県が存在している。その指導根拠は

平成18年4月改定関係Q&A Vol.6であり、内容は以下のようなっている。

Q.機能訓練指導を行わない日についても機能訓練指導員を1名以上配置しなくてはならないのか。

A.通所介護事業は、必要な機能訓練を行うこととしており、機能訓練指導員を1名以上配置する必要がある。
ただし、機能訓練指導員は提供時間を通じて専従する必要はなく、機能訓練指導を行う時間帯において、機能訓練指導のサービスの提供に当たる機能訓練指導員を1名以上配置する必要がある。なお、機能訓練指導員は当該指定通所介護事業所の他の職務に従事することができることとしているほか、利用者の日常生活やレクリエーション、行事を通じて行う機能訓練については、生活相談員又は介護職員の兼務を認めているところである。

これを読めば機能訓練を必ず行うんだから毎日配置は必要とも読めなくもないが、後半部分を読めば、利用者の日常生活やレクリエーション、行事を通じて行う機能訓練については、生活相談員又は介護職員の兼務を認めているところでこれを行う日は機能訓練指導員がいなくてよいという意味にもとれる。

何とも曖昧だが、もう一度このQ&Aの文書をよく読むと「通所介護事業は、必要な機能訓練を行うこととしており、機能訓練指導員を1名以上配置する必要がある。」と書いているが、サービス提供日すべての日に配置が必要とは書いていないし、「機能訓練指導を行う時間帯において、機能訓練指導のサービスの提供に当たる機能訓練指導員を1名以上配置する必要がある。」と言っているだけで、あくまで「機能訓練指導を行う時間帯において」配置を求めているだけで、毎日配置が必要だとは書いていないと解釈できるのだ。

基準省令で毎日配置義務のない機能訓練指導員を、このQ&Aのみを根拠にして毎日が配置を求めるのは乱暴だ。だってこのQ&Aで求めているのは「機能訓練は最低限必要なサービスだから、それが行われない日があるのは駄目だ」と言っているもので、そうであれば機能訓練指導員配置は必要でしょ、という意味にしかならないわけがなく、「利用者の日常生活やレクリエーション、行事を通じて行う機能訓練については、生活相談員又は介護職員の兼務を認めているところである」とわざわざ断っているんだから、そういう訓練が必要とされている利用者しかいない日は機能訓練指導員がいなくても問題ないよね、と読めるからだ。

そうであればルーティンの中に、相談員や介護職員が行うレクリエーションを通じた機能訓練を位置づけておれば、機能訓練を提供するという運営基準はクリアしているし、配置基準上毎日配置せよとされていない機能訓練指導員がいない日があってもよいことになる。

そもそも通所介護の機能訓練とは、医学的・治療的リハビリテーションエクササイズとしての個別リハビリテーションではない。

老企25号でも「日常生活上を通じて行う訓練は介護職員にも可能」と明記されているもので、例えば食事自立のための食事の際の指導とか、入浴時の洗身自立のための入浴介助を通じての機能訓練が明確に認められており、これを行っている限り「機能訓練も行われており」と認定でき、運営基準違反も問えない。

よって機能訓練を行わない日があってはならないが、日常生活や行事やレクを通じて行う訓練を必要とする利用者しか利用していない日は、機能訓練指導員が配置されていなくても機能訓練を行うことができるので問題ない、という解釈にしかならないと考えるものである。

どちらにしても基準省令で規定されている「機能訓練」を、機能訓練指導員しか行えない行為と限定して考えるのは間違った考え方であることは明白である。

リハビリテーションがメインサービスである通所リハビリでさえ、セラピストの配置は毎日は求められておらず(毎日配置は努力規定となっている)週0.2以上の配置を満たしておれば認められているところなのに、治療的リハビリテーションを提供を求められていない通所介護だけ、機能訓練指導員の毎日配置を求めるならば、介護報酬はその分アップさせねば通所リハビリとの整合性が取れない。大きな矛盾である。

※なお本記事の内容とは関係しませんが、昨日長妻厚生労働大臣が「介護サービス情報の公表制度」の事業者手数料廃止の方針を打ち出した件について緊急アンケートを実施しています。右サイドバーのアンケート投稿フォームからご意見をお寄せください。この結果は来週の集計後に、山井厚生労働政務官にメールで送ろうと思います。見てくれるかどうかは別の話だけど・・。

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