日本介護支援専門員協会という職能団体について、このブログでは様々な問題点を指摘してきたが(参照ブログ記事一覧)最近、以前にも増して、この団体のトップの言動に首をかしげざるを得ない状況が増えている。

それは表の掲示板への書き込みや、このブログのコメントで情報提供いただいている各地の研修会での、この団体トップの発言内容である。

異なる地域の、異なる人々から、ほぼ同じ内容の発言内容が同会会長の言葉として情報提供されているのだから、ほうぼうで同じことを語っていることが想像できる。具体的にその発言内容は以下の通りである。

「日本介護支援専門員協会は会員の為の団体。協会に賛同する会員のみしか守らない。協会の働きにより21年報酬改定で様々な加算を獲得したが、それは会員の利益を守るためだ。しかしそのことで協会に入会していない人がその恩恵だけを受けるのはおかしい。今後も協会は会員だけを守る活動を続けて行くので、自分たちの利益が守られたいなら介護支援専門員は、協会に加入すべきである。」

以上である。

この言葉を聞いて、まず思い浮かんだのは平時忠(平清盛の義弟)の「平氏にあらずんば人にあらず」という言葉である。日本介護支援専門員協会会長発言の状況や意味は、時忠の言葉とやや異なるが、会員以外を「価値の低い存在」とみなし、人を見下す傲慢な態度という意味では似たり寄ったりである。「おごる協会は久しからずや」である・・・。

職能団体は会員の利益を守るための目的を持って、そのためにソーシャルアクションを行うということはその性格上当然あってよいと思うが、だからと言って「会員の利益しか守らない」「自分たちの活動の結果、会員以外のよそ者が利益を受けるのは困る」というのは、何か勘違いしていませんか?と言いたくなる。

協会に入らないという意思を持つ介護支援専門員にはそれなりの理由があり、しかし介護支援の現場ではその能力を発揮して利用者を支え、かつその労働対価として報酬がアップするように様々な面からソーシャルアクションを起こしている有能な人々もいるのだ。それらの人材さえ単に協会会員ではないから「恩恵を受けるのはおかしい。」というのは暴論を通りこした問題発言だ。

そもそも介護支援専門員とは、介護保険制度において介護サービスを計画する有資格者であり、制度の中心的役割を担う社会福祉援助者である。

そうした有資格者の職能団体が、会員の利益しか求めず、社会全体で考えるべき介護サービスの質については、全く我関せずという態度で「自分たち会員以外に利益が及ぶことはけしからん」というのであれば、これは場合によって団体や会員の利益であれば、国民の不利益さえ許容する、という考え方に陥らざるを得ない状況さえ生まれかねない。

こういう発言をするトップが、介護支援専門員という社会福祉援助者の職能団体を代表していること自体がおかしなことだ。介護支援船専門員という有資格者名を冠にしている団体として、そのトップとして恥ずべきことである。

そういうトップを擁いて活動する組織に加入する会員も見識が問われる。そもそもこの組織の執行部選びは「代議員制」を敷いているが、それは一部の代議員の意向が、下部会員の意識とかい離している場合、下部会員の意思が組織に伝わることはない、ということを意味しており、組織の仕組み自体が既得権とか、執行部の体制を守るというものになってしまっているように思う。

会員の利益だけが重要で、会員以外に報酬加算が算定されるのが嫌なら「協会加入加算」でも主張したらよい。その時、この組織と、組織のトップの実像が国民全体の前に明らかになるだろう。だが発言内容から解釈すれば、この人物の腹の中は「ともかく会員が集まりさえ発言力が増しさえすれば良い」「そのために会員だけに利益がある報酬体系になったほうが良い」ということであることは見え見えである。

まったくくだらない人物を頭に持ってきたものである。この状況は、この組織が「なくてもよい団体」とか「加入すべきではない団体」ということを超え、社会正義と社会福祉の増進のためには「あってはならない団体」であるというレベルにまで達し始めている。この団体の存在そのものが社会悪であるとさえ言えるのかもしれない。

少しでも志を高く持つ介護支援専門員ならば、こういう組織に決して与さず、加入せず、ということで意思表示する以外ない。

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