とあるネット掲示板をチラッと覗いてみた。めったに見ることがない場所であるが気になるスレッドがあった。
それは老人会(老人クラブのようなものか?)で介護保険の説明を依頼されたのだが、どのような内容にしたらよいかという相談で、それに対して「老人会なら難しい制度の説明をしても理解できないから、相談窓口の紹介とか、Q&Aや事例紹介が良いだろう」というような主旨のレスポンスがついていた。
老人会も随分馬鹿にされたものである。こういう「高齢者問題史観」がいまだに存在して、それも介護支援専門員と思われる人の偏見としても存在しているんだと唖然とした。
正直言って、分かっていないなあ、と思った。確かに老人クラブ内部での高齢化問題も深刻化している現状はあるが、それでも会員の属性は様々で「老人会侮るなかれ」と声を大にして言いたい!
老人クラブ等で制度の説明をしても、あまり反応がなかったり、評判が芳しくない結果に終わる最大の原因は「難しい話は理解できない」からではなく「話がおもしろくない」「説明が下手で分かりづらい」からである。つまり聞き手の能力ではなく、話し手の能力の問題であるのだ。この点を間違えてもらっては困る。
難しい内容でも、興味がある方向から話をすれば高齢者の集まりだって十分理解してくれる。地域の老人会に参加している人ならなおさら積極的な人が多くて、お元気で地域において活動されている人なんだから、政治的関心も強く、経済面の動向にも興味を持っているし、自身に関係する問題として語れば十分理解してくれる。むしろ今地域で老人クラブの活動に参加している人々は、数年単位あるいは十年単位で遡れば地域のリーダー的役割で活躍されていた方も多く、高学歴の人も多いのだ。けつの青いそこいらの介護支援専門員より知識も経験も豊富な先輩方だぞ。我々より難しい話だって分かっているのだ。あまり思いあがらない方が良い。
僕も老人クラブの方々に対して短い時間で介護保険制度の説明を行う機会はあるが、例えばその際、介護保険制度の創設にしても、それは介護保険料という強制・掛け捨て保険料を40歳以上のすべての国民から原則徴収するという「国民負担増」という意味があって、消費税の引き上げに対しては、常に国民の強い反対感情があって選挙対策上も難しい面があるが、介護保険の創設という形で、介護保険料という新たな国民負担を作り出したことを国民はほとんど認識しないまま受け入れたと説明している。そして過去の首相の支持率低下や退陣問題が、大型間接税問題とどのように関連していたかをエピソードとして取り上げ、政治と経済状況という観点から介護保険制度創設を説明して、その制度の中身についても、利用者負担がなぜ必要で、受益者負担がどのような形で取り入れられているかという面から話をしている。そうすると非常に反応がよい。
政治との関連では、過去に議論された大平内閣時の「売上税」とか、中曽根内閣時の「一般消費税」、そして現在の消費税導入後の税率引き上げ議論の際に細川内閣で取り上げられた「国民福祉税」とかいう言葉に反応する方も多いし、その中には現在の高齢者の方に馴染みのある歴代首相名が出てくるので反応は実によいのだ。しかもそういう話題になると、僕の知らない様々な知識さえ披露してくれて、こちらの方が勉強になる。
つまり制度というものは、本来難しい説明を伴うものであるが、それを理解できるかどうかは、聞き手の知的レベルの問題ではなく、話し手の説明の仕方の問題であり、老人会など高齢者の集まりであるから理解力が低いなんて言うのは、講師側の勝手な思い込みであり、自己の説明能力の問題でしかない。
介護関係者は得てして、高齢者の大部分は介護や何らかの支援が必要な人と捉えがちであるが、実際には高齢者の数が大幅に増えている現状においても、高齢者のマジョリティは「在宅元気高齢者」であり、その割合は85%といわれている。それらのマジョリティに属する高齢者までが弱者扱いされ「老人クラブの会員には難しい話の理解は無理だ」という偏見がはびこる現状こそエイジズムにほかならない。
老人クラブに所属する高齢者の方々の方が、よっぽど我々より知恵や知識が豊富な例は枚挙にいとまがない。
なにより介護支援専門員等の介護関係者こそ、こうした「高齢者問題史観パラダイム」に反省を加え、高齢化する時代の全体社会像を新たに抽出し、エイジズムを克服して、超高齢社会における柱になる元気で明るい高齢市民の姿を描き出すべきである。
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それは老人会(老人クラブのようなものか?)で介護保険の説明を依頼されたのだが、どのような内容にしたらよいかという相談で、それに対して「老人会なら難しい制度の説明をしても理解できないから、相談窓口の紹介とか、Q&Aや事例紹介が良いだろう」というような主旨のレスポンスがついていた。
老人会も随分馬鹿にされたものである。こういう「高齢者問題史観」がいまだに存在して、それも介護支援専門員と思われる人の偏見としても存在しているんだと唖然とした。
正直言って、分かっていないなあ、と思った。確かに老人クラブ内部での高齢化問題も深刻化している現状はあるが、それでも会員の属性は様々で「老人会侮るなかれ」と声を大にして言いたい!
老人クラブ等で制度の説明をしても、あまり反応がなかったり、評判が芳しくない結果に終わる最大の原因は「難しい話は理解できない」からではなく「話がおもしろくない」「説明が下手で分かりづらい」からである。つまり聞き手の能力ではなく、話し手の能力の問題であるのだ。この点を間違えてもらっては困る。
難しい内容でも、興味がある方向から話をすれば高齢者の集まりだって十分理解してくれる。地域の老人会に参加している人ならなおさら積極的な人が多くて、お元気で地域において活動されている人なんだから、政治的関心も強く、経済面の動向にも興味を持っているし、自身に関係する問題として語れば十分理解してくれる。むしろ今地域で老人クラブの活動に参加している人々は、数年単位あるいは十年単位で遡れば地域のリーダー的役割で活躍されていた方も多く、高学歴の人も多いのだ。けつの青いそこいらの介護支援専門員より知識も経験も豊富な先輩方だぞ。我々より難しい話だって分かっているのだ。あまり思いあがらない方が良い。
僕も老人クラブの方々に対して短い時間で介護保険制度の説明を行う機会はあるが、例えばその際、介護保険制度の創設にしても、それは介護保険料という強制・掛け捨て保険料を40歳以上のすべての国民から原則徴収するという「国民負担増」という意味があって、消費税の引き上げに対しては、常に国民の強い反対感情があって選挙対策上も難しい面があるが、介護保険の創設という形で、介護保険料という新たな国民負担を作り出したことを国民はほとんど認識しないまま受け入れたと説明している。そして過去の首相の支持率低下や退陣問題が、大型間接税問題とどのように関連していたかをエピソードとして取り上げ、政治と経済状況という観点から介護保険制度創設を説明して、その制度の中身についても、利用者負担がなぜ必要で、受益者負担がどのような形で取り入れられているかという面から話をしている。そうすると非常に反応がよい。
政治との関連では、過去に議論された大平内閣時の「売上税」とか、中曽根内閣時の「一般消費税」、そして現在の消費税導入後の税率引き上げ議論の際に細川内閣で取り上げられた「国民福祉税」とかいう言葉に反応する方も多いし、その中には現在の高齢者の方に馴染みのある歴代首相名が出てくるので反応は実によいのだ。しかもそういう話題になると、僕の知らない様々な知識さえ披露してくれて、こちらの方が勉強になる。
つまり制度というものは、本来難しい説明を伴うものであるが、それを理解できるかどうかは、聞き手の知的レベルの問題ではなく、話し手の説明の仕方の問題であり、老人会など高齢者の集まりであるから理解力が低いなんて言うのは、講師側の勝手な思い込みであり、自己の説明能力の問題でしかない。
介護関係者は得てして、高齢者の大部分は介護や何らかの支援が必要な人と捉えがちであるが、実際には高齢者の数が大幅に増えている現状においても、高齢者のマジョリティは「在宅元気高齢者」であり、その割合は85%といわれている。それらのマジョリティに属する高齢者までが弱者扱いされ「老人クラブの会員には難しい話の理解は無理だ」という偏見がはびこる現状こそエイジズムにほかならない。
老人クラブに所属する高齢者の方々の方が、よっぽど我々より知恵や知識が豊富な例は枚挙にいとまがない。
なにより介護支援専門員等の介護関係者こそ、こうした「高齢者問題史観パラダイム」に反省を加え、高齢化する時代の全体社会像を新たに抽出し、エイジズムを克服して、超高齢社会における柱になる元気で明るい高齢市民の姿を描き出すべきである。
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感動の完結編。
