(昨日からの続き)
僕がショートステイの計画作成方法の講義などで主張している内容の続編である。
ショートステイサービスとは単に短期入所生活介護事業所のルーチンワークと利用者を結びつけることにとどまらず、何が求められる支援なのかという視点が必要であり、計画立案時に着目したいこととして
1. 単に家族が行っている生活支援を事業者が代替して行うのではない。
2. 休養が必要な家族にフィードバックできる事柄がないか、という視点。
3. 例えばショートを利用することにより利用者が他者と交流できることで心身活性化効果による精神的安定や、コミュニケーション能力の維持、日課の中で機能活用して身体機能を維持して居宅において「できること」を維持向上する効果などに着目すべきである。
4. 結果的にそのことが「居宅サービス計画」に位置づけられた長期目標の達成の目的に沿ったサービスとなる。
以上の4点が重要であると僕の講義では指摘している。
そしてショートを利用する人々に提供するサービスの方法論は
1. ショート利用することで利用者が心身活性化でき精神的・身体的に安定して暮らす方法論
2. ショート事業所で身体機能等を活用して自分でできることが増える方法論
3. 介護の方法を工夫することで利用者自身や家族の負担が減る方法論
4. ショートを利用して、看護や介護の専門家が関わることで可能となる助言
5. 利用者自身の暮らしの質が向上するための方法論
以上の5点であると考えている。
つまりショート利用とは、利用者の暮らしを良くするためのサービス利用であるという意味があるもので、そうであればショートを利用することで実現する暮らしとは何なのかということを考えるべきであり、そこからショート計画の目標を考えるならば「利用者自身の豊かなくらしづくり」に向かう内容である必要があるという結論となる。それゆえショート利用計画の目標が「家族が休養できる」で終わるはずがないし、そうであってはならないと指摘している。
そして標準様式がある「居約サービス計画」においては総合的援助の方針に繋がる目標は長・短期目標に分けて設定することが求められるが、標準様式のない居宅サービス事業の計画であるショートステイの計画は目標を必ずしも長・短期に分ける必要はないし、むしろ利用ごとの目標として設定することが合理的である。
その方向からショートプランの目標の具体例を挙げるとすれば、仮に生活課題として「認知症があり昼夜逆転がみられ介護者の睡眠時間が不十分で在宅介護崩壊の危険性がある。 」とされている利用者の居宅サービス計画が
「短期目標:介護者が休養を取り睡眠時間を確保する。」 →「長期目標:介護者が身体的、精神的に安定することで在宅生活が継続でき○○さんが家族と共に生活できる。」とされ、そのためにショートを利用するとされているとする。
この場合、考えられるショートプランの目標例は
(目標1)昼夜逆転する原因を探り支援者にアドバイスできることで○○さんが在宅で安心して暮らせる。
(目標2)ショート利用期間中、日中楽しんで活動できることで、夜間に安眠できる。
と設定することができ、この目標に沿った具体的サービス内容を計画するということが考えられる。このように考えると、それは決して安全に、事故なく、ただ一定期間滞在すればよいというサービスにはならないということが理解できるのではないだろうか。
当然そこには、介護サービスとしての専門的視点、ソーシャルワーカーや医師・看護職員・介護職員の専門技術による支援によって実現する「暮らし」という視点が不可欠で、その結果を家族にフィードバックすることで在宅支援を支援できる、という視点が出てくるだろうし、そういう意味ではショートステイというサービスの役割は考えられている以上に、重要で広い守備範囲をカバーすべきものなのである。
よってサービス終了後に、その結果を評価することは必然なわけであり、評価するのであれば、目標が達せられているか、という視点がさらに重要になり、評価できる具体的目標である、という必要性も見えてくるわけである。
このように居宅サービス計画の長短期目標に合わせて、ショートプランにおいても同様の長短期目標を設定しなければならないかという問題の答えとしては、それは決してそうはならず、特に単発的に終了するショート利用の場合、居宅サービス計画全体としては総合的援助方針が達成すべき長短期目標に沿ったものである必要があるが、ショート自体の目標はそれとは異なり、居宅サービス計画の中の総合的援助方針の中で位置づけられたサービスとしての、その時々の達成目標が立案していればよいもので、それを一律「長短期目標をそれぞれ示す」ということにこだわらなくてもよいものである。よって目標例に示したように「目標1」「目標2」というように、ショートを利用する際に提供するサービスの目指す目標が明示され、それが居宅サービス計画の長短期目標達成に資するものであればよいものであり、形や期間を「居宅サービス計画」に合わせることに重点を置かないで、それぞれの計画が有機的に結びつくものであるかという実際の効果面から考えるべき問題である。
基準省令でも必ずしも長短期目標を設定する定めはなく、ただし居宅介護支援における居宅サービス計画は国が指定様式を示しており、ここで目標については長期目標と短期目標に分けて定めることを示しているだけで、その他の各居宅サービス計画は基準省令で「サービスの目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等」が定められておれば良いものと規定されているものである。
特にショートプランの場合は、1回の利用ごとに利用者の満足度を測定しながら、居宅サービスにおける長短期目標の実現に向けてショートステイが機能しているかが問われてくることになるもので、利用ごとに利用者の意向や状況に応じた臨機の目標設定を行うことが合理的で、そうであれば長短期目標という考え方より、利用ごとにショートステイとしてのいくつかの目標を設定する、という考え方の方が利用者にとっても家族にとっても分かりやすいし、居宅サービス計画に沿ったプラン目標としても十分機能するものであるから、目標を長短期に分けて設定することにこだわる必要はないものである。
繰り返しになるが、ショートのケアプランンは居宅サービス計画の目標達成のために必要な目標を定め、それが居宅サービス計画の内容に沿う、という意味であるが、期間を同じくするか否かは問題ではなく、ショート利用ごとの目標として設定されるので、長期目標・短期目標を別に立案する必要はない、というのが昨日最初に書いた質問に対する答えになる。
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僕がショートステイの計画作成方法の講義などで主張している内容の続編である。
ショートステイサービスとは単に短期入所生活介護事業所のルーチンワークと利用者を結びつけることにとどまらず、何が求められる支援なのかという視点が必要であり、計画立案時に着目したいこととして
1. 単に家族が行っている生活支援を事業者が代替して行うのではない。
2. 休養が必要な家族にフィードバックできる事柄がないか、という視点。
3. 例えばショートを利用することにより利用者が他者と交流できることで心身活性化効果による精神的安定や、コミュニケーション能力の維持、日課の中で機能活用して身体機能を維持して居宅において「できること」を維持向上する効果などに着目すべきである。
4. 結果的にそのことが「居宅サービス計画」に位置づけられた長期目標の達成の目的に沿ったサービスとなる。
以上の4点が重要であると僕の講義では指摘している。
そしてショートを利用する人々に提供するサービスの方法論は
1. ショート利用することで利用者が心身活性化でき精神的・身体的に安定して暮らす方法論
2. ショート事業所で身体機能等を活用して自分でできることが増える方法論
3. 介護の方法を工夫することで利用者自身や家族の負担が減る方法論
4. ショートを利用して、看護や介護の専門家が関わることで可能となる助言
5. 利用者自身の暮らしの質が向上するための方法論
以上の5点であると考えている。
つまりショート利用とは、利用者の暮らしを良くするためのサービス利用であるという意味があるもので、そうであればショートを利用することで実現する暮らしとは何なのかということを考えるべきであり、そこからショート計画の目標を考えるならば「利用者自身の豊かなくらしづくり」に向かう内容である必要があるという結論となる。それゆえショート利用計画の目標が「家族が休養できる」で終わるはずがないし、そうであってはならないと指摘している。
そして標準様式がある「居約サービス計画」においては総合的援助の方針に繋がる目標は長・短期目標に分けて設定することが求められるが、標準様式のない居宅サービス事業の計画であるショートステイの計画は目標を必ずしも長・短期に分ける必要はないし、むしろ利用ごとの目標として設定することが合理的である。
その方向からショートプランの目標の具体例を挙げるとすれば、仮に生活課題として「認知症があり昼夜逆転がみられ介護者の睡眠時間が不十分で在宅介護崩壊の危険性がある。 」とされている利用者の居宅サービス計画が
「短期目標:介護者が休養を取り睡眠時間を確保する。」 →「長期目標:介護者が身体的、精神的に安定することで在宅生活が継続でき○○さんが家族と共に生活できる。」とされ、そのためにショートを利用するとされているとする。
この場合、考えられるショートプランの目標例は
(目標1)昼夜逆転する原因を探り支援者にアドバイスできることで○○さんが在宅で安心して暮らせる。
(目標2)ショート利用期間中、日中楽しんで活動できることで、夜間に安眠できる。
と設定することができ、この目標に沿った具体的サービス内容を計画するということが考えられる。このように考えると、それは決して安全に、事故なく、ただ一定期間滞在すればよいというサービスにはならないということが理解できるのではないだろうか。
当然そこには、介護サービスとしての専門的視点、ソーシャルワーカーや医師・看護職員・介護職員の専門技術による支援によって実現する「暮らし」という視点が不可欠で、その結果を家族にフィードバックすることで在宅支援を支援できる、という視点が出てくるだろうし、そういう意味ではショートステイというサービスの役割は考えられている以上に、重要で広い守備範囲をカバーすべきものなのである。
よってサービス終了後に、その結果を評価することは必然なわけであり、評価するのであれば、目標が達せられているか、という視点がさらに重要になり、評価できる具体的目標である、という必要性も見えてくるわけである。
このように居宅サービス計画の長短期目標に合わせて、ショートプランにおいても同様の長短期目標を設定しなければならないかという問題の答えとしては、それは決してそうはならず、特に単発的に終了するショート利用の場合、居宅サービス計画全体としては総合的援助方針が達成すべき長短期目標に沿ったものである必要があるが、ショート自体の目標はそれとは異なり、居宅サービス計画の中の総合的援助方針の中で位置づけられたサービスとしての、その時々の達成目標が立案していればよいもので、それを一律「長短期目標をそれぞれ示す」ということにこだわらなくてもよいものである。よって目標例に示したように「目標1」「目標2」というように、ショートを利用する際に提供するサービスの目指す目標が明示され、それが居宅サービス計画の長短期目標達成に資するものであればよいものであり、形や期間を「居宅サービス計画」に合わせることに重点を置かないで、それぞれの計画が有機的に結びつくものであるかという実際の効果面から考えるべき問題である。
基準省令でも必ずしも長短期目標を設定する定めはなく、ただし居宅介護支援における居宅サービス計画は国が指定様式を示しており、ここで目標については長期目標と短期目標に分けて定めることを示しているだけで、その他の各居宅サービス計画は基準省令で「サービスの目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等」が定められておれば良いものと規定されているものである。
特にショートプランの場合は、1回の利用ごとに利用者の満足度を測定しながら、居宅サービスにおける長短期目標の実現に向けてショートステイが機能しているかが問われてくることになるもので、利用ごとに利用者の意向や状況に応じた臨機の目標設定を行うことが合理的で、そうであれば長短期目標という考え方より、利用ごとにショートステイとしてのいくつかの目標を設定する、という考え方の方が利用者にとっても家族にとっても分かりやすいし、居宅サービス計画に沿ったプラン目標としても十分機能するものであるから、目標を長短期に分けて設定することにこだわる必要はないものである。
繰り返しになるが、ショートのケアプランンは居宅サービス計画の目標達成のために必要な目標を定め、それが居宅サービス計画の内容に沿う、という意味であるが、期間を同じくするか否かは問題ではなく、ショート利用ごとの目標として設定されるので、長期目標・短期目標を別に立案する必要はない、というのが昨日最初に書いた質問に対する答えになる。
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偶然にも昨日、新規で居宅サービス計画書作成の依頼があったばかりなので、提供事業所ばかりではなく、居宅としての目標設定に関して、かなり参考となる文面が書かれてありました。考え方・捉え方の基本的な物では、大いにヒントとなる内容がたくさん書かれてありました。ヤッタァー!
これを2.3回読み込み、昨夜介護相談に伺った方についての支援の方向性をどの様にすればいいのかが光が見えてきた思いです。とたたき台としての計画書を作成する上で、本当に力強く思いました。masa先生!ありがとうございます!今後ともよろしくお願いします。