昨日、二男が道央のある企業の就職試験を受けに行った。

明日から新年度なのに、なにを悠長なことをしているんだろうと思われるかもしれないが、実は彼の学業はあと1年残っており、卒業は来春(平成23年)3月である。つまり1年後の採用試験を今受けているわけである。合否発表が来週というのであるから、仮に合格した場合、その企業は1年前から来春の新卒者の採用内定しているわけである。今、それが普通なのだろうか?

二男は高校卒業後、自分がしたい道を自ら選んで、専門学校のテクノロジー科(電気工学コース)に進んだ。そこでは「電気主任技術者」という資格も取れるらしく、電力設備や機器、コンピュータ関連、燃料電池までを幅広くカバーした勉強をして、ビルや工場・鉄道・発電所などの現場で役立つ電気技術者に必要なスキルを身につけることができるらしい。この不況下にも関わらず、就職率は100%を何年も続けて維持しているとのことだ。

僕はまったくの文系人間なので、彼の専攻は以外だったし、僕にとっては全然分からない勉強をしているので驚きである。しかも理数系が駄目で国立大学をあきらめた親に比べ、理数系が主である彼の現在の成績は、いわゆる「オール5」で超優秀な成績である。誰に似たんだろう?

そう考えると思いあたる節がある。実は僕の父親のことである。子供の頃の記憶にある僕の父は、三菱金属労働組合の専属書記長をしており、いわば組合活動・労働運動の専任者だったので、てっきり文系人間だと思い込んでいたが、もともと父は技術研究者として実験などに携わって三菱金属に雇用されたらしい。なるほど最晩年は四国の三菱系の研究所でウランなど原子力の研究をしていたのもそれでうなづける。

つまり二男は隔世遺伝で、僕の父親・彼にとっては祖父の血をひいたらしいのである。

性格も父親に比べるとずっと良いし、様々な状態に適応力のある人間だと思う。車の免許をとるためにバイトをしていた当時も、過去のアルバイトの中では一番仕事ができるとバイト先の店長が驚いていた。家庭環境も問題ない子だから、どなたか電気技術者を求めている関連企業を来春の就職先として紹介してくれる人はいないものだろうか・・・と考えたりする。僕も「バカ親」である。(けど、ここをみている人に電気技術関係者はいないだろうな。)ちなみに長男は福祉系の大学に進学しており、4月から3年生である。

それはさておき、明日から新年度である。介護職員の雇用状況も経営者側から見れば毎年厳しいものになってきて、なかなか介護職員の募集に人が集まらない状況がある。介護福祉士の新卒者を求めても、養成校の数や生徒数自体が減っているので、年々新卒者を採用することも難しくなりつつある。介護の世界でも、専門学校の2年生をターゲットにした就職試験ではなく、1年時からの「青田買い」が進んでゆくのだろうか?

そんな厳しい時代ではあるが、明日からこの業界で新しいスタートを切ろうとするフレッシュな人々がたくさんいるはずだ。

各事業者においても、新人が入職し、明日からOJTを中心にした新人教育が始まるわけである。しかし教える側の心構え、態度は大丈夫だろうか。希望に燃え、理想を抱えてこの業界に入ってきた人々の手本になる先輩であるだろうか。彼らを幻滅させるような態度や仕事ぶりではないだろうか。

若い新入社員に対し、適切な言葉遣いや態度を教育できる言葉や態度を身につけているだろうか。

他人のふり見て我がふり直せ、という言葉があるが、新人の手本になる先輩方はそれでは遅いのである。志を高く持った新人の芽を摘まないために、大きな大木に育てるために、まず自分自身が見本となる必要がある。

希望を持ち、志を高く持って新しい職場に入ってきた新人職員の元気が日々なくならないように、介護サービスに携わるモチベーションを維持できるように、先輩たちが誰よりも適切に利用者に相対する、という心構えが必要だ。

介護サービスのモチベーションとは、我々の関わりで利用者が笑顔になる、幸せになる結果によって向上するもので、人の不幸を放置するような職場で職員のモチベーションなど上がらない。「なあなあの関係」でデリカシーのない対応が普通という素人の関わりでは周囲の人々がすべて仮面のような表情で感情を奪われ、労働意欲も奪われていく。そんな職場に良い人材が貼りつくわけもないし、サービスの質も低空飛行のままだろう。そんなところで何のやりがいがあるというのだろう。

そういう意味では明日からの新人教育のためには、今日までの自分教育が重要である。

新人から、介護サービス従事者は素人と変わらないと評価されるような職場であっては恥ずかしい。しっかり介護とは何かを伝えられる自分づくりをしていこう。

同時に新人を適切な人材に育てていく過程で、自らを成長させるということも可能になることを忘れてはならない。新人を利用して自らのスキルを向上させようとする職員がたくさんいる職場であるなら、今後に明るい日差しが差し込むことだろう。

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