今年度の介護支援専門員の合格者総数は全国で29.484人であった。既に実務研修を終えて新しい職務に就こうとしている人も多いだろう。不安は当然あるだろうが、それよりも是非、希望を胸にふくらませて、その希望というエネルギーを利用者の笑顔に結び付けてほしい。
また今月末には介護福祉士の実技試験合格者に通知が送られ、新たな有資格者が全国で13.000人程度誕生すると想定される。資格を得る過程で培った知識や技術は、自分自身の武器という意味だけではなく、社会に対して、相対する利用者に対して、幸福を運ぶための知恵の拠りどころであると考えて、良いサービスを作っていってほしい。
これらの人々に、僕からのエールにかえて送りたい言葉がある。
毎年、たくさんの人々が、このような資格を目指して頑張って勉強している。その結果、合格されたことは大きな喜びだろう。
資格を目指し、その過程で様々な勉強をして努力を続けた経験は貴重なもので、その体験や合格という結果はそれぞれの人々にとって人生の中で得られる「宝物」だと思う。心より拍手を送りたい。しかし同時に資格はゴールではなく、スタートラインに立つ意味であることを忘れないでほしい。
かつて日本女子プロゴルファーとして、国内ではトップの実力をもっていた岡本綾子プロは、全米女子プロゴルフツアーの参加資格を得るために、同じくトッププロの一人であった森口佑子プロらと全米プロテストを受けた。
そのテストで両者は同時に合格したのだが、後に森口プロは回顧談で次のように語っている。
「私は合格して、一つの夢・目標が達せられたと有頂天になっていました。そのとき岡本さんが、側でつぶやいた言葉を聞いて、ああ、私この人には敵わない、と心底思いました・・・。」
その時、岡本プロがつぶやいたという言葉は次の言葉である。
「これからね!」
森口プロにとって全米プロ資格は夢、ゴールであったのに比べて、岡本プロは、そこが始まりに過ぎなかったのである。その後の岡本プロの活躍は、全米メジャートーナメントで優勝するなど、数々のタイトルを取り、日本女子ゴルフ界の歴史を塗り替えるものであったことはここで語るまでもない。
「資格を取ること、取ったこと」をどう考えるか、ゴールなのかスタートなのか、どちらに考えるかで、以後の仕事に対する取り組みも違ってくるのだ。資格を持っても「よいサービス」ができないのでは意味がない。資格を持つということは、対人援助に必要な知識や技術を最低限のレベルで担保していると公に認められた、ということに過ぎず、そのスキルを生かすも殺すも自分自身の心がけひとつである。
「資格は仕事をしてくれない」という言葉を忘れてはいけない。
そして様々な資格をとられた人々に、もう一つ忘れてほしくないことがある。そのことをお願いして今日の記事に変えたい。
あなた方は、せっかく資格をとったのですから、福祉援助や介護を「好き」でいてください。資格をとっていない人より、そのことをもっと「好き」でいてください。それが利用者の願いです。「介護」は心にかけて護る(まもる)、という意味です。利用者を護るのが介護サービスです。介護計画ばかり立てて机に座ったきりの有資格者であってはなりません。利用者の傍らにきちんと寄り添ってください。生活課題を明らかにして計画を立てるだけが私たちの仕事ではないのです。利用者の方々と心の交流を通して分かりあうのが私達の仕事なのです。有資格者はリーダーとしての資質も求められるでしょうが、それは紙の上で計画を立てるだけのリーダーではなく、介護の現場ですべてをやりつくして、苦しみとやりがいを味わったうえで、人の上に立って指導するのです。そうではないと指導される人も利用者も不幸になります。勉強は頭の中だけではできません。実地を通してしか分からないものもあるのです。
利用者の傍らに、誰よりも近く寄り添い、手で触れ、見守ることが資格をとった専門家に何よりも求められていることだということを忘れてはなりません。机の前に座って、手も動かさず、利用者も見つめることなく、考えるだけで福祉援助や介護サービスはできないのです。
資格をとったあなた方だからこそ、どうぞ利用者に一番近い存在でいてください。
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また今月末には介護福祉士の実技試験合格者に通知が送られ、新たな有資格者が全国で13.000人程度誕生すると想定される。資格を得る過程で培った知識や技術は、自分自身の武器という意味だけではなく、社会に対して、相対する利用者に対して、幸福を運ぶための知恵の拠りどころであると考えて、良いサービスを作っていってほしい。
これらの人々に、僕からのエールにかえて送りたい言葉がある。
毎年、たくさんの人々が、このような資格を目指して頑張って勉強している。その結果、合格されたことは大きな喜びだろう。
資格を目指し、その過程で様々な勉強をして努力を続けた経験は貴重なもので、その体験や合格という結果はそれぞれの人々にとって人生の中で得られる「宝物」だと思う。心より拍手を送りたい。しかし同時に資格はゴールではなく、スタートラインに立つ意味であることを忘れないでほしい。
かつて日本女子プロゴルファーとして、国内ではトップの実力をもっていた岡本綾子プロは、全米女子プロゴルフツアーの参加資格を得るために、同じくトッププロの一人であった森口佑子プロらと全米プロテストを受けた。
そのテストで両者は同時に合格したのだが、後に森口プロは回顧談で次のように語っている。
「私は合格して、一つの夢・目標が達せられたと有頂天になっていました。そのとき岡本さんが、側でつぶやいた言葉を聞いて、ああ、私この人には敵わない、と心底思いました・・・。」
その時、岡本プロがつぶやいたという言葉は次の言葉である。
「これからね!」
森口プロにとって全米プロ資格は夢、ゴールであったのに比べて、岡本プロは、そこが始まりに過ぎなかったのである。その後の岡本プロの活躍は、全米メジャートーナメントで優勝するなど、数々のタイトルを取り、日本女子ゴルフ界の歴史を塗り替えるものであったことはここで語るまでもない。
「資格を取ること、取ったこと」をどう考えるか、ゴールなのかスタートなのか、どちらに考えるかで、以後の仕事に対する取り組みも違ってくるのだ。資格を持っても「よいサービス」ができないのでは意味がない。資格を持つということは、対人援助に必要な知識や技術を最低限のレベルで担保していると公に認められた、ということに過ぎず、そのスキルを生かすも殺すも自分自身の心がけひとつである。
「資格は仕事をしてくれない」という言葉を忘れてはいけない。
そして様々な資格をとられた人々に、もう一つ忘れてほしくないことがある。そのことをお願いして今日の記事に変えたい。
あなた方は、せっかく資格をとったのですから、福祉援助や介護を「好き」でいてください。資格をとっていない人より、そのことをもっと「好き」でいてください。それが利用者の願いです。「介護」は心にかけて護る(まもる)、という意味です。利用者を護るのが介護サービスです。介護計画ばかり立てて机に座ったきりの有資格者であってはなりません。利用者の傍らにきちんと寄り添ってください。生活課題を明らかにして計画を立てるだけが私たちの仕事ではないのです。利用者の方々と心の交流を通して分かりあうのが私達の仕事なのです。有資格者はリーダーとしての資質も求められるでしょうが、それは紙の上で計画を立てるだけのリーダーではなく、介護の現場ですべてをやりつくして、苦しみとやりがいを味わったうえで、人の上に立って指導するのです。そうではないと指導される人も利用者も不幸になります。勉強は頭の中だけではできません。実地を通してしか分からないものもあるのです。
利用者の傍らに、誰よりも近く寄り添い、手で触れ、見守ることが資格をとった専門家に何よりも求められていることだということを忘れてはなりません。机の前に座って、手も動かさず、利用者も見つめることなく、考えるだけで福祉援助や介護サービスはできないのです。
資格をとったあなた方だからこそ、どうぞ利用者に一番近い存在でいてください。
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現在は相談員でまだ実務には就きませんが、今日の記事を心に留めて新年度より心機一転、気合を入れ直して利用者が安心して楽しい生活が送れるよう頑張っていきたいと思います!