民主党の衆議院議員で厚生労働政務官の山井氏に次のようなメールを送った。

「介護サービス現場における現在最大の問題と不満は、事業者に金銭負担・業務負担・時間の無駄を強いる介護サービス情報の公表制度です。実際に国民はこの公表制度をほとんど利用していません。それは意味のない情報と感じているからです。逆に適切な情報公開の方法は無駄な費用と時間をかけなくとも可能です。具体的な方法等を提言していますので是非、参照してこの制度をなくしていただくことにご協力ください。」として代案も提示したうえで協力を求めた。

それに対し同政務官から「メール有難うございました。実はこれを何とかなくせないか、何とか工夫できないかを検討している最中です。アドバイス有難うございました。頑張ります!」という返信があった。国会会期中で忙しい公務の中、大変ありがたいことだと思う。

ただ勘違いしてほしくないことは、この制度は撤廃すべきで、制度を工夫してどうにかなるという問題ではない。この制度をどのように変えても情報価値としての意味がないし、事業者の費用負担は別途必要であり問題の根本解決にはならない。しかし国民への情報公開は、別の方法でお金をかけずに可能になるのである。

以前の記事との重複を恐れず今回もこの話題について書かせてもらう。

はじめに介護サービス情報の公表制度の一番の問題点を指摘しておきたい。この制度で公表される情報は、単に指定された調査項目の「記録があるか、ないか」でしかなく中身は問われない。その内容に沿った実際のサービスが適切に行われているかさえ調査員は確認しない。つまり国が決めた基準に沿った「記録」が整えられておれば、実際に行われていないサービスであっても「できている」ということになる。例えば「感染症及び食中毒の発生の予防及びまん延の防止に関するマニュアル等がある。」という項目であれば、インターネットで公開されているどこかのマニュアルをダウンロードして、冠に施設名称を入れ綴っておけば、それが実際に施設の実情にマッチした内容になっていなくとも、職員に周知徹底の教育がされずに、誰もその存在を知らなくとも「有」になるのである。

なんとも馬鹿らしい情報公開である。だから公表センターの公開情報だけで事業者を選択することほどリスクを伴うものはない。なぜならそれは記録がある事業者という意味でしかなく、サービスの質が高い事業者という意味ではないからである。このようにサービスの品質と実態を表さない情報を「公の機関」として公表センターが開示していること自体が問題であり、それは国民の判断を惑わせるものでしかない。

次に費用負担の問題を考えてみたい。当事業所でいえば、特養(施設サービスと併設ショートは一体的にみる)と通所介護・居宅介護支援事業所で、(調査手数料)29.200円+21.200円×2=71.600円+(公表事務費)9.700円×3=100.700円の負担になっている。

公開情報は、一人の調査員で3つのサービス事業(実際には施設併設ショートを含めると4事業)をわずか3時間強で調査した結果でしかなく、情報としての価値がどの程度のものか素人でも想像がつくだろう。しかもそれにより事業者は毎年多額の負担を強いられる。この費用を制度が続く限り永遠と負担し続けなければならず、調査公表機関にとって「顧客」がなくなることはない。

全サービス・全国規模で考えれば、この制度の為に毎年どれだけ巨額の金が動いているかが分かるだろう。

しかもこれから10年以上は事業所の数は減ることはないと想定されているので、この調査公表費収入も増えることはあっても決して減ることはなく、公表センターからすれば毎年得られる安定収入なのである。つまりこの制度の意味は、事業者から調査費用と公表費用という名目費用を定期的に、かつ確実に得て、それによって利益を受ける一部の人々の懐を肥やすために存続していると言っても過言ではない。

しかしその費用は事業者負担といっても、もとは介護給付費から支払われているのだから、国民の税金と保険料が事業者を通して公表センターに移動しているに過ぎない。つまり何の意味もない調査と、その情報公表という名目のものに、国民が汗水たらして納めた税金や保険料が使われているということだ。

もう一つの問題は「日本介護支援専門員協会」という我々介護支援専門員を決して代表はしていないが、全国的な組織が、この公表制度を支持していることである。これも国民の目を欺く元凶の一つである。しかしなぜこの団体がこのような実態の公表制度を支持しているのか?それにはいろいろな理屈をつけているが、要はこの組織が毎年運営費の不足分を埋めるため、国から「研究補助金」という名目の国費を渡してもらって運営している「ひも付き団体」であるために、国の施策にソーシャルアクションの視点から異議を唱えることが不可能なことと、この団体のトップが、公表制度の中心的推進組織である「シルバーサービス振興会」の理事を兼務しているという実態があることが大きな理由であろう。なんのことはない、こういう実態をみれば制度に反対しないわけである。それは私利私欲のためではないかと疑われてもしょうがない。

僕が大いに疑問なのは、現場の介護支援専門員の方々で、この公表制度の実態を熟知していて、この制度の撤廃を叫んでいる人々の中にも、この日本介護支援専門員協会というデタラメな社会運動しかしていない団体の会員になっている人がいるということである。この団体を太らす限り、この変な制度は無くならないぞ。制度の反対・制度の撤廃の意思表示は、この団体に加入しない、あるいは脱退する、という方向しか選択肢はない。都道府県組織に加入することはともかく、日本介護支援専門員協会に会費という上納金を納める手助けをしてはいけないのだ。

多くの国民は「情報公開」と冠がつくことは悪いことではなく、ないよりはあったほうが良いと認識しているだろう。しかし意味のない情報の垂れ流しでしかないこの制度が続いている意味は、多額の金が動く利権となっていることに他ならず、税金や保険料という公費が無駄に使われているかということを意味している。このことを多くの国民が認識していない。事業者が「こんな制度は続ける価値がない」と声高に叫んでも「多くの国民がそれは必要なことだと支持している」として制度反対・廃止を求める声は、単に「事業者エゴ」として無視され、顧みられることはない。

我々は情報開示自体を否定しているわけではなく、それは必要だから、むしろもっと有益な情報として、実地指導の結果や書面審査である「指導調書」の内容を公開するシステムにすればよいと提言している。これなら既に行われていることで別に調査費用や業務負担が生じないし、情報価値として考えても、きちんと最低基準を守った運営がされている事業者であるか、サービス提供方法は適正かが明瞭になる。それを各都道府県のホームページに公開すれば良いだけで、事務作業としてもたいした手間ではない。それによって国民にとって何の意味もない公表制度の調査や情報公開に金や時間を使う無駄も省け、さらには意味のない調査に割く余計なエネルギーを省き、現場の介護サービスに回せばサービスの質の向上も可能になるかもしれない。

国民に必要な情報源とはなっておらず、今後もそういう期待を持てない制度、一部の利権者の懐を肥やすだけの制度は即刻、撤廃すべきだ。

そのことを国民もよく理解してほしい。情報公開はやり方によって国民の不利益にさえなるという実態を分かってほしい。

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