かつて左党(酒のみという意味)の間で「滝野川」といえば、川の名称でも地名でもなく「全国新酒鑑評会」のことを意味していた。

「全国新酒鑑評会」は独立行政法人酒類総合研究所が年1回開催しているもので、その前身の大蔵省醸造試験場が東京都滝野川にあって、そこで第1回の「全国新酒鑑評会」が行われ、1995年に酒類総合研究所が東広島市に移転するまで、そこで鑑評会が続けられていたからである。人気コミック「夏子の酒」の連載当時は、まだ滝野川で鑑評会が行われており、その中で「美泉(物語に登場する酒の名称)は、今年も滝野川は間違いないだろう。」というセリフが出てくるが、それは「鑑評会での金賞が間違いない。」という意味である。ただ現在移転先の東広島市がその会場になっていることから、こういう言い方も無くなってしまっている。

ところで、この「全国新酒鑑評会」は、出品酒の4分の1が金賞を受賞するコンテストであるが、出品される酒自体が各蔵で選りすぐったものであるから、その年の酒蔵の品質を表す金賞を何年も続けて受賞するのは至難の業でもあり、この鑑評会での受賞を目指して、杜氏は腕を振るうのである。
金龍稲花・大吟醸
今日紹介する稲花・大吟醸「金龍稲花」は、この鑑評会で何度も金賞を取っている千葉県九十九里浜の「稲花酒造」の銘酒で、この蔵の酒は、長い間、地元の漁師達に飲み継がれてきた九十九里の代表的な地酒であるらしい。
(〜らしい、という表現を使ったのは、このお酒を僕は今まで知らなかったからである。理由は後述する。)



「金龍稲花」は、その中でも精米35%の大吟醸、無ろ過斗瓶囲いで、今年度の優等賞受賞酒である。

しかしこの酒を僕自身がかねてから知っていたわけではなく、今回は「貰いもの」として頂き、始めて飲んだのである。

先日(1/30)埼玉県八潮市に講演でお邪魔した際、そこに受講参加されておられた千葉県の特養の方(Oさん)と、OFF会でもご一緒したが、そこでこのブログの「日本酒道」で紹介したお酒の話でも盛り上がった。そんなこともあって千葉にも銘酒あり、ということでわざわざ贈ってくださったものである。

調べたところ、今回贈っていただいたものは6.500円という値段になっているようだ。僕が普段ポケットマネーで買う酒よりちょっと「お高め」である。僕の講演がこんな高価なお酒を贈っていただけるほど価値があったとは思えず大変恐縮である。

さて、味はどうだろう。

栓を開けた瞬間、自然で豊かな吟醸香を鼻腔に感じる。色合い、香りから、これは「冷や」が旨い酒であることは容易に想像がつく。それも少し温度の低い「雪冷え(ゆきひえ)5℃くらい」に近いほうが僕は旨く感じた。

口に含むとさらにフルーティーな香りを感じる。含み香もしっかりしていて艶のあるほのかな甘みが口腔内に広がる。とても完成度の高い大吟醸酒であることがわかる。丸みのある澄んだ味わいなんだけど、ほどよいコクもある。うん、旨い酒だ。飲みあきしないので、スイスイ飲める。こりゃ飲み過ぎに注意が必要だ。

山田錦35%精米。酵母はM310。日本酒度は+5度。アルコール度数は17%である。

今回はOさんのおかげでまたひとつ美味しい銘酒を知ることができ、それを味わって幸せな気分に浸ることができた。ただただ感謝である。

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