2月25・26日に「地域包括ケアの課題と在宅サービスの進むべき道とは 〜高齢者の地域生活を支える在宅サービスのあり方を探る」をテーマに東武ホテルレバント東京(錦糸町)で行われる全国老施協主催の『地域ケアセミナー』の分科会で「短期入所生活介護計画の立て方〜居宅介護計画との関連とケアマネジャーとの連携」と題した90分間の講義を行うことになっている。

現場のショートステイ計画担当者が受講対象になっている研修なので、内容としては、ショートケアプランが必要な法的根拠とルール → 法的義務とは異なるプランの必要性 → 居宅サービス計画とショート計画の関係(役割分担など) → ショートプラン作成の基本的な考え方(ICFやポジティブプランの考え方を含む) → 居宅サービス計画に沿ったプランの作成の視点 → ケアマネジャーとの連携の方法(サービス担当者会議の内容等) → ショートステイサービスに期待されている機能と責務から考えるケアプラン → 具体的な目標設定やサービス計画例、という流れで講義内容をファイル構成してみた。

その過程で気づいた点というか、あらためて考えたことが2点ある。

一つは我が施設自体の問題で、僕が講演する内容の考え方を十分理解してショートプランを立てているかということである。考えてみれば自施設の職員には、こうしたファイルの内容について集中的に話をしておらず、日々の業務指導の中で伝えているに過ぎないので、今度一度じっくり話をせねばならないと感じた。

もう一つは実際の現場での「連携」の問題である。居宅サービスが実際に利用者の生活課題の解決方法となるためには、それぞれの担当者が役割分担して共通の理念や目標を持ってサービスに携わらねばならず、ケアマネジメントはその支援方法の中心となる援助技術で、ケアプランは具体的なサービス提供のためのツールである。そのことが介護支援専門員とサービス提供担当者の双方において理解が必要である。

当研修は短期入所生活介護事業所のサービス担当者(計画担当者)を担対象にしたものであるが、居宅介護支援事業所の立案する「居宅サービス計画」と「短期入所生活介護計画」の関連や違い、双方の役割分担、サービス担当者会議で話し合うべき事柄を説明するにあたって、その前提になるのは、介護支援専門員も、その意味や目的を「正しく理解できている」ということである。

つまり現場のサービス担当者が、きちんと基本法令やルールを理解して、チームとして連携するための知識を持っていたとしても、支援チームの要となる介護支援専門員自身にそのことの理解がない場合、あるいは勘違いしている場合、それは実際の現場で機能しないということになる。

有資格者だから、そのあたりは最低限のレベルで理解できているのであれば良いが、どうもそうではないという声が聞こえる。

資格は取ったが正しいマネジメントが行えないケアマネ。資格を権威と勘違いして指示命令がチームの中での役割と勘違いしているケアマネ。居宅サービス計画と介護サービス事業所の計画の関係や相違点を理解していないケアマネ。そういうケアマネが担当である場合には、サービス事業者が適切な方法をいくら学んでも仕方がないという結果にならざるを得ない。

よって短期入所の適切な連携支援を確立するためには、どこかで介護支援専門員と、短期入所サービス担当者の両者が合同で研修を受ける場面を作る必要があるのではないかと考えたりしている。

それができない場合は、介護支援専門員がきちんと基本的な知識を身につけて、現場で「サービス担当者会議」などを通じてサービス担当者にそのことを伝えていかねばならないと思う。しかしそもそもが、実務研修等で居宅サービス計画と、各サービス事業者の計画の役割などをきちんと教えていないという状況が問題で、ケアマネジメントという援助技術の研修も実質的に行われておらず、現場の介護支援専門員は自らの基礎資格における必要性でそれを学ぶか、何らかの必要性から独学で学習するしかないという現状がある。

介護支援専門員という資格が資格試験の範囲内の知識で取得されてしまうということが「実践力」のない有資格者を生んでいる元凶だろう。

そういう意味では、資格取得後に専門知識を得るための修練を積まないと適切な支援はできないということを肝に銘じながら、ショートステイにおける正しいサービス連携体制を作るために、あるいは適切なショートステイ事業者のプランを作成するためには、介護支援専門員自身が両者の計画の意味と関連性と役割分担を日ごろからきちんと意識して、理解する必要があると感じた。

このことができているんだろうか。多少不安を感じている。

どちらにしても今回はショート担当者が、そのプランの立て方について理解できるように、基本視点だけではなく、具体的プランの記載方法まで詳しく解説する内容にしているので、是非担当者の方々にご参加いただきたい。

なお26日、同分科会にお越しの方で、このブログを読まれている方は是非、気軽に声をかけていただきたい。それでは当日お逢いしましょう。

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