介護保険制度の各種サービスに関する報酬改定は2009年4月に実施され、この報酬の見直しを行う「次期報酬改定」は2012年度を予定している。

この時期は、本年4月に改定される診療報酬の次の改定時期と重なるため、いわゆる「診療報酬と介護報酬の同時改定」であるのと同時に、介護保険制度については報酬改定にとどまらない「制度全体の見直し」が予定されている。

このことに関連して1月12日に長妻厚生労働大臣は定例記者会見で

「来年末が診療報酬改定になり早いものですが、また丁度、来年末に介護の診療報酬改定も同時にあるということで、非常に一体とした取り組みが実行性ある形で出来る時期が目前に迫っているということもあり、医療の話と介護の話を併せて一つの会議体で出来ないかということを、長浜副大臣、足立政務官、担当部局とともに議論しているところです。」

と発言している。つまり診療報酬と介護報酬の同時改定を実施する予定である2012年4月に合わせて、2011年末(これが発言中の「来年末に介護の診療報酬改定も同時にある」という意味である。)までに、医療と介護の一体的な改革議論を行い、2011年度の通常国会(2012年1月〜)に改正法案を提出して、2012年4月の新制度の発効を目指すのが本来のタイムスケジュールであることを示している。

しかし同時に、この日の会見で同席した、山井政務官からは

「介護保険改正。これは来年の通常国会で介護保険改正を行うかもしれませんので、今国会ではありませんが、そのことも視野に入れて医療と介護の連携、介護保険はどうあるべきか、介護の賃上げはどうあるべきか等々について議論をさせていただきました。」

と述べ、介護保険制度改正を1年前倒しして、本年中に改正議論を行い、2010年度の通常国会(2011年1月〜)に法案を提出して、2011年4月から新制度(新報酬を含む)の発効があり得ることを示している。

そしてこの発言に対して大臣も「基本的にはそれも(医療の提供体制)含めた形で、介護との連動性も含めた議論が出来ないかということを考えているところです。」
「(議論の場の立ち上げは)今年度中です。立ち上げは春より前に立ち上げるということです。」

と制度改正の前倒しもあり得るという発言をしている。

もともと民主党は介護職員の給与について選挙時の公約(マニュフェスト)では、その当時より4万円アップを目指すとし、山井政務官のメールマガジンなどでは、その範囲も介護職員以外の職員にも拡大すべきだという考え方に理解を示しているし、昨年末の12/30に示された鳩山内閣の「新成長戦略〜輝きのある日本へ〜」の中では『ライフ・イノベーション→医療や介護などの分野に新しい息吹を吹き込むことで、新たなサービス成長産業として育てていこうという戦略。』が示されており、その方向性は介護報酬に人件費アップ分を取りこんでアップする、という基本姿勢があると考えられる。

そうなると介護報酬は改正により大幅アップが見込めるのだろうか?

しかし一般会計より国債発行額が上回っているような財政事情で、来年度の景気回復の見込みも厳しく、税収の改善が見込めない状況で、特別会計への大胆な切り込みがないと財源確保が困難で、今回の診療報酬アップのように小幅の「雀の涙アップ」に留まらざるを得ないのではないかという懸念もある。

大臣と政務官、特に福祉制度に思い入れのある山井政務官にとっては、障害者自立支援法の改正(応益負担〜応能負担への回帰)を実現した後に、自らの関与で介護保険制度改正も行いたいという気持ちがあるのかもしれないが、急がば廻れという諺もある通り、議論の場の立ち上げは早くする必要はあっても、その議論を急ぎするると国民不在の後期高齢者医療制度の創設のような失敗を繰り返すことになることも念頭に置くべきである。山井さん、あせるなよ!

今夏は参議院選挙という国政選挙が控えており、政治と金の問題で通常国会も嵐が吹いていくだろうから、今年度中に制度改正の骨格を定めるのは困難要素が多すぎると思え、景気回復の期待が今年より高まり、国政選挙もない来年にかけて、それは時間をかけて議論すべきだという考え方が主流と思える。ただしその見込みはまったく不透明で、制度改正の前倒しができる可能性も0ではない。給与改善の部分などでは「急ぐ」必要性もないと言えないのだから、関係者はこの改正が2012年と決めつけるわけにもいかない。

しかしその中で、次期制度改正に関して考えてほしいことがある。それはこれまでことごとく国民の為にならない制度改正を繰り返してきた元凶である有識者会議(特に介護給付費分科会)のメンバーの一新が必要だということである。政権が変わってもこのメンバーを変えない理由は何だろうか?非常に疑問である。

もう一度本当の意味から「有識者」を見直しことから始めれば、この議論はそう簡単ではないだろう。どこかの大学教授のように何年も前からの古い理屈だけで審議会を動かそうとする「過去の有識者」で良い制度は作ることができないだろう。有識者という連中の血の入れ替えは必要不可欠である。

このあたりの決断も、新政権に対する「国民の期待」であることを知るべきである。

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