僕が代表を務めている「のぼりべつケアマネ連絡会」は年間計画に位置付けた定例会を年10回開催している。この定例会の主たる目的は、介護保険制度や地域や各事業者間の情報交換と勉強会である。

その内容については、年度初めにグループ分けを行って、各グループで何をするかを決定している。講演会やグループワークetc、なんでもありである。

ところで昨年12/24のクリスマスイブの日に、1月の定例会担当グループから、介護報酬の改定後の状況について僕の講演という形で情報提供してほしいと相談があった。しかし介護報酬の改定内容そのものは、改定時に情報提供したり、道からも担当者を招いて説明会を行ったりしている問題で、その後の結果は加算算定割合がどうなっているのかということしかなく、あまりテーマとしてふさわしいものとは思えなかった。

しかも1月定例会は1/15に予定されているので、依頼のあった日から準備期間はわずか20日しかない。適当に話だけするのであれば、その期間でも十分だろうが、忙しい現場の介護支援専門員が夕方〜夜の時間を割いて集まるんだから、それなりに内容のある話をしなければならず、そのためには本来なら資料なども作った上で分かりやすい話をしなければならない。そうであれば説明用のファイルを作るにもこの期間はあまりに短く感じた。しかしこの時期に定例会の内容を再考するのも大変だろうから、何らかの協力をする必要もあるだろうということで、講演そのものは受けることとして(僕が講師を務めれば講師謝礼も必要ないから、費用がかからないという利点もある)短期間で資料を作れる内容であるという意味も含めて「ケアマネジメント」に関する内容として、具体的には「よりよいケアプランを作るために」というテーマにしてもらった。

介護支援専門員の地域組織に加入して、実務に携わっている有資格者に対して、今更ケアプランの作り方のレクチャーもないだろう、という意見が当然出されることと思う。しかし僕の事業所で受けている、ショートスティやデイサービスの利用者に対する「居宅サービス計画」の内容を読むと、どうもケアプランの基本がわかっていない介護支援専門員が多いように思う。本来、地域のケアマネに対するケアプランの指導は、地域包括支援センターの主任ケアマネの役割と思うが、地域包括支援センターが作る予防プランを読んでも同じような疑問を感ずるケースが多いので、今回は一度基本に帰って「ケアマネジメントとは何ぞや?」「ケアプランの目的とその具体的作成方法とは?」「目標や課題の設定の意味。」「総合的援助方針の記入方法。」等々、あらためて現場の介護支援専門員の皆さんに考えてもらおうと思った。

例えば通所介護の利用者に対する居宅介護支援事業所の「居宅サービス計画」における長期目標が「通所介護を利用する」となっているプランがある。これは居宅サービス計画としての「長期目標」としてふさわしいのだろうか?ふさわしくないとしたらどのような支障や問題があるんだろうか?ここを基本原則に立ち返ってもう一度考えてもらいたい。

このことに関して新たに作った僕のファイルでは
1.長・短期目標は課題を解決するための目標 。
2.課題とは利用者の生活課題。
3.目標が達せられることで課題解決が可能なのかということを考えるべき 。

と記してみた。そして「通所介護を利用する」ということは目標を達成すべき手段であって、目標にはなり得ない。→なぜなら通所介護を利用しただけでは課題解決にならないからである。→通所介護を利用することでどういう効用が期待できるのか、どういう生活上の変化が期待され良い暮らしに結びつくのかという予測に立った内容が長・短期目標として設定されなければならない。

と書いてみた。1/15は、こうした事柄を中心に、長短期目標の立て方、総合的援助方針に書くべき事柄、その際に目指すケアマネジメントのアウトカム、というものを総合的に検証する内容にする予定である。

この定例会における講演の15日後・1/30と31日には埼玉で別の2つのテーマでの講演(介護者の資質に関するものと、認知症ケアに関する講演)を予定しているし(既にファイルは作って送っているが)、その20日後には室蘭で「看取り介護」に関するシンポジウムでの情報提供、さらにその6日後は東京で「ショートスティのプラン」に関する講師を務めなければならず、こちらはファイルもこれから作らねばならない。

講師としてしゃべる時間は、わずか90分とか、120分という場合が多いが、その準備のためにかける時間というのはその何十倍もの時間であるということが現実なのだ。そのことを少しだけ理解してほしい。

それにしても違ったテーマの研修が、こういう短い時期に立てこむと、頭の切り替えが難しいと感じている今日この頃である・・。

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