介護施設等で働きながら介護福祉士やホームヘルパーの資格を取得する「介護雇用プログラム」の要件が緩和されると共に、政府はその積極的活用を呼び掛けている。

この「介護雇用プログラム」は介護現場の人手不足の打開策になるのだろうか。どのような影響が考えられるのだろう。

僕はこの事業自体の内容を熟知しているとは言えないが、現時点で理解していることをまとめると次のようになる。

(1)各都道府県が緊急雇用創出事業臨時特例交付金の交付を受けて基金をつくる。
(2)各都道府県は基金をもとに介護施設に緊急雇用創出事業を委託する。
(3)事業委託を受けた介護施設は、離職を余儀なくされた非正規労働者、中高年齢者等の失業者について、有期雇用契約労働者として雇い入れる。契約期間は、ヘルパー2級を目指す場合は1年間で、介護福祉士は最長2年間。
(4)介護施設は有期雇用契約労働者を当該施設において介護補助労働を行わせるとともに介護資格取得のための養成講座を受講させる。
(5)雇い入れ期間中の賃金と講座の受講料には委託事業費を充てる。

10/30に出された通知では、
1.都道府県の事業要件として、事業費について新規雇用失業者の人件費割合を7割以上から2/1まで引き下げた。
2.雇用期間を6ケ月未満から1年に延ばし最長2年まで延長を認めた。
3.雇い入れ事業所外での養成講座の受講は不可とされていたものが可となり、資格取得方法が緩和された。

介護福祉士の資格取得コースのモデルによれば、1週間の通常授業を月〜金とした場合(土日は休み)、金曜日を除く月〜木が授業時間は休み時間を含め7時間20分(授業時間は360分)で、授業の前後どちらかを選択して施設で介護補助労働を2時間または3時間行うことになっている。

例えば夕方実務パターンでは月〜木が、朝9時に授業を開始して16:20に終了。その後移動時間を40分とって午後5時に施設に到着して介護補助労働に2時間従事して午後7時で終了。

金曜日のみ授業が90分のみで10:40に開始され12:10で終了。移動時間を経て16:00〜19:00まで3時間の介護補助労働となっている。このパターンが毎週続くわけであり、スケジュールとしてはかなりハードである。

ざっと整理すると、このような内容になるのではないだろうか。
(誤って理解している部分があればコメントなどで指摘していただきたい。)

このようにまとめても、完全にこの事業を理解したとは言い難く、評価や予測なども困難なのであるが、期待として言えば、これによって介護福祉士やホームヘルパー資格を取得して介護労働に携わろうとする異職種の労働者の介護労働参入が進んで、人手不足解消に一定の効果がある、ということだろうか・・・。どちらにしても介護労働者の絶対数を増やすことは不可欠な対策なので、何もしないよりは、こうした事業がある方が良いといえるかもしれない。

何しろ前々から指摘しているように、介護労働現場の人手不足と離職率の高さとは、なにも介護労働をやめて異職種に職業を変える人が多いというだけの問題ではなく、介護サービス事業者の数が増え続けていることで雇用する従業者の絶対必要数が増加している実態に、供給が追い付かないという問題である。つまり介護労働者の売り手市場であるがゆえに職場を辞めても再就職先が簡単に見つかる実態があって、離職した介護労働者が、業界内の他の介護事業者に再雇用される例も多いのである。

このように介護労働者の供給量の不足が、離職してもすぐ別の職場が見つかるという実態を生んでいることで、業界内での離職、再就職を繰り返す人を増やしていることが「離職率の高さ」につながっているのだ。介護労働者の総数自体は増えていることがそれを証明している。

だから介護労働者の総数をもっと増やす政策なり対策は不可欠であり、この事業もその一つとして評価する考え方があってもよいだろう。

ただ一部の関係者には、資格取得方法が簡単になることは、資格自体の重さの低下、受講内容の簡素化は質の低下を招くという懸念が生まれていることも事実である。

その考え方も否定はできないが、介護労働者が足りないことで生じているデメリットを考えた場合、その数を増やす施策は絶対に必要だし、そういう一面からの評価はあってよいのではないだろうか。

もちろん介護サービスとは対人援助であり、人の生活に関わる問題だから「質より量」という考え方が危険であることは承知しているが、人類がかつて経験したことがない超高齢社会が少子化とセットで進行している現状は、介護労働者の総数確保が大問題である。

介護雇用プログラムは、資格取得の為の受講要件を緩和しているとはいえ、前提として介護の資格を取るための勉強をしながら働く環境にも慣れて行くということが可能なプログラムとなっていることを考えると、全否定するのではなく、もっとポジティブな評価があってよいのではないかと思う。

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