ショートステイの計画を立てる際に、介護支援専門員がその目的を「介護する家族の休養」とし、それに対応する目標を掲げるのは「けしからん!」と批判する関係者がいる。

利用者の意向を無視した、家族に対する視点しかない計画ではないかという批判である。

もちろんショートステイを利用する本人が、すべて納得してサービス利用しているわけではなく、いやいや利用し早く帰りたがる人も存在することは否定しない。しかしだからといって、それらの人々がショートステイを利用する必要がないかというと、そうとも言えない。

ショートを利用しないと介護する家族がつぶれて在宅介護が持たないケースはたくさんある。その時に、利用者がショートステイを利用して、在宅生活が続けられるとしたら、その利益は家族のみならず利用者自身にも反映されるという結果になる。このことを担当ケアマネやサービス事業者はしっかりと意識して、利用者自身が利用したくなるショートステイサービスを作り上げていかねばならない。

一番勘違いしてはいけないことは、家族に必要だということが、結果的には利用者のためのサービスとなるのだから、そのことを理解できず利用を拒む利用者がいたとしても、それは本人の我がままで、我慢するのが当たり前だという考え方だ。前述したように、その際にも「利用者自身が利用したくなるショートステイサービス」の在り方をサービス担当者全員で考えることが必要なのである。

サービス担当者会議とは、そのためにあるし、いかなる理由があっても、利用者自身が受け入れてくれるサービスの方法を考えないで何が専門家かと言いたい。そこは前述の視点と分けて考えてほしい。

ところで介護保険制度を創設する理由として挙げられていたことの一つに「家族介護のために働き盛りの人たちが、退職、転職、休職等を余儀なくされ、それまでの社会生活から離脱せざるを得ないような人が増えている。このようなケースは、中高年層を対象に生じることが多く、本人や家族はもちろんのこと、企業や社会全体にとって大きな損失になっている」として「自己責任を基本としつつ相互扶助で支える社会保険方式」として介護保険を導入するとしている。

介護を個人の問題としないで、社会問題として、社会全体で支えるという意味である。よって、家族ができる行為は介護保険の対象にならないという考え方は間違っており、家族が行為としてはできるとしても、それによって身体的負担や精神的負担を抱え込むような状況は社会的損失であるとて、介護サービス利用でその負担を軽減すことを認めている。

当然、長く在宅介護を続けるために家族が定期的に介護から解放されて休む時間を持つことは、この制度の目的に沿ったものである。家族が日中いるから、通院支援は家族が対応すべきとか、専業主婦である介護者がいるから、様々な身体介護は家族が行うべきで、訪問介護の身体介護を使えないというルールは存在しないし、そういう考えは間違っているのである。

要介護者が在宅生活を継続するためには、インフォーマルなサービスが不可欠であるという意味を理解すべきである。インフォーマルなサービスが続けられるために、家族が休息したり、息抜きができる状態を作ることはケアマネジメントに求められる視点なのである。そのためにはどんな目的で、どんなサービスが必要なのか?

ショートステイも、そのサービスの目的について、介護支援専門員養成テキストでははっきりと「介護者・家族の身体的精神的な負担を軽減するための休養などが必要になった場合」と明記され、加えて「短期間ではあっても施設生活を体験し、施設を理解し、施設入所をスムーズに進める体験的入所の意味があり、施設入所の必要性があるが、施設を十分に理解していないために拒否的な要介護者に、施設を理解してもらう大切な機会でもある。」と書かれている。

だから居宅サービス担当の介護支援専門員が、介護者の休養目的にショートステイのプランを作ることは至極当然であり、そのこと自体は何の批判対象にもならない。

ただそこから、目標が単純に介護者の為の休養ではなく、利用者にとってもどういう利益があるのか、という点に視点を持ち、さらにいえばショートステイというサービスの目的が、介護者の休養だけではなく、サービスを利用することによって在宅における利用者の生活課題を解決する手助けとなる、という方向で考えられる必要がある。

ショートを利用させておればよいのではなく、ショートを利用することによって、その中で在宅ケアの手出すけになる事柄を、一つでも見つけて、家族にそのことをフィールドバックしようという視点である。

そういう意味ではショートステイとは、事業所内・施設内で完結するサービスではなく、在宅生活と繋がって、施設職員と家族が一緒にケアの方法論を考え続けるサービスではないのだろうか。

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