当地域の介護支援専門員の組織「のぼりべつケアマネ連絡会」は北海道では2番目に生まれた地域介護支援専門員組織である。介護保険制度誕生時はアセスメントツールの使い方を主に勉強しながら、ケアプラン作成方法を学習する場であった。
(ちなみに年会費は月100円という考えから1.200円である。)

それが継続して10年目の活動に入っているわけであるが、現在でも年間10回の定例会として勉強会と情報交換を行っている。その内容は参加会員をグループ分けし、それぞれのグループが担当月の勉強内容を企画運営するというスタイルである。内容は講演やケース検討会、グループワークなど様々である。

また定例会のうち1月には保健・医療・福祉関係者に向けた公開セミナーを、道内外の著名な講師の方を呼んで開催している。これまでにも認知症やうつ病に関する対応、嚥下機能障害の対応、専門治療プログラムとしての回想法の実施方法など様々なテーマの講演を行っている。

そのほか地域ケアマネ会としては非常にユニークな取り組みとして医師会との定例意見交換会も開催している。

そしてもうひとつ特筆すべき活動として、近隣他地域のケアマネ会との合同研修会を継続して開催していることである。
参照:3市1町ケアマネ合同研修会

会の代表としては、会員に対し年会費以上のメリットある活動や研修の場を提供していると自負している。それを生かすも殺すもひとえに会員自身の考え方、取り組み方にかかっていると思う。

さて、前述した合同研修会が先週9/12土曜、伊達市の「だて歴史の杜・カルチャーセンター」で開催された。今年は日本コーチ協会・北海道チャプター代表・宮崎 順一氏を招いて「ケアマネジャーの為のコーチング」をテーマに、3時間の講演が行われた。とはいっても3時間ずっと話を聞いているのではなく、コーチングを理解するため実技というか、2人一組になっての対話を行いながら解説を聞くという感じであった。そのため3時間という長さを感じず勉強させていただいた。

ただ僕の理解力がついていけないのか「コーチングとは何ぞや?」という根本部分が最初から最後まで理解できずに終わったことを正直に告白しておく。

講師の方も最初に「コーチングは概念が確立されていない、学問として成立していない支援方法である。」ということをアナウンスしておられた。対話によって対象者を勇気づけ潜在的能力を引き出すコミュニケーションスキルであることは何となく理解できたし、そしてコーチングは心理的援助=カウンセリングではなく、あくまで心理的支援=コーチングであると述べられていた。

それは、一方的に専門家が援助するのではなく対象者自身の気付きを促進させ、その能力を最大限に引き出すサポートをするという意味だと繰り返し述べられていたが、実際にカウンセリングとコーチングの区分を語る言葉としては(僕個人の感想として言えば)あまり説得力があるものではないと感じたし、実際に対面して行う方法でもカウンセリングのそれと技術的な差はほとんど感じられなかった。(ちなみに僕は家庭生活総合カウンセラーという資格を持っている。)

まあ僕のつたない理解でいえば、コーチングがカウンセリングと異なる点は治療的アプローチではないということであり、そのことが一番の違いなんだろうと思った。ただどうしても残る疑問は、コーチングの様々な提起されている概念から突き詰めて考えればカウンセリングもコーチングの1領域に入ってしまうんではないのかということである。考え過ぎだろうか?

またコーチングとスーパービジョンの違いもよくわからない。もちろんスーパービジョンはスーパーバイザーが行うものに限定され、指導的意味があって、コーチングによる支援はそういう指導ではなく、さらにスーパーバイザーが行う方法とは限らず、コーチもさらに誰かにコーチングを受けることがあり得るという意味で、援助技術や知識を豊富に持つものが教育的に行うものではないという違いはわかる。

しかしスーパービジョンも、ワーカーの心理的支援の為に行う場合があり、コーチングとまったく同じ状況で展開される場面も想定されるのではないかということを鑑みると、コーチングはスーパービジョンをも包括してしまう概念あるいはスーパービジョンの1領域にコーチングという場面があると言えなくもない。

特に今回の研修でレクチャーされていた支援方法は、我々が社会福祉援助技術(ソーシャルケースワーク)として習ってきたバイスティックの7原則に沿った内容で、特にその中で面接場面における共感的理解による受容を基本にした面接技法を中心とした内容であり、その技術を使う方法論としてスーパービジョンとコーチングの差はないように思えた。ここが両者の区分を行う際の最大の問題で、わかりづらい点である。

もちろんこの理解の困難さとは、講師の側の問題ではなく、講義を聴く僕自身の基礎知識のなさということが最大の問題なのであろう。だからコーチングについては個人的に少し身を入れて研究してみようかと思っているところである。

しかし約130人の受講者で、今回コーチングというものを皆が理解できたのであろうか?僕のような疑問を感じた人がいなかったんだろうか。

皆が理解した中で、僕だけがこのように感じていたとすれば、よっぽど僕の理解力が衰えているのではないかと少し心配である。

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