記録には様々な目的がある。

例えば、ブログを書く目的は個人によって異なるだろう。ある人にとっては自分自身の生きる「証:あかし」としての自分史であったり、自分という存在を第3者に知ってもらいたいという意味であったり、日記の代わりであったり、単に流行だから自分もやってみようということであったり、商品等の宣伝目的であったり、数えきれない動機と目的がそこには存在する。

よって記事の書き方も千差万別で、それぞれの目的に沿って自由にテーマや話題を選んでよいし、そこに「書かなければならない事柄」というルールは存在せず、書き方も決められておらず、極めて自由度が高いものである。

しかし我々が業務で記録するという場合は、その目的に沿った一定のルールと方法が存在する。

業務上定められた記録をとる、という行為は決して簡単な行為ではなく、ルールがあることがそれを一段と難しくしていると考える向きがあるが、逆にいえば、記録の目的に沿ったルールを理解してしないことによって「書き方がわからない」という状況を生む。よって記録の目的と、その目的に沿った「書くべき内容」を知ることによって、何を書けばよいかが明瞭になって記録を書く動機づけにも繋がるもので、その目的と正しい方法を知ることは非常に重要なことである。

このことについて過去にこのブログでも「記録の書き方」として、いくつか記事を書いた。一部内容が重複するだろうが、そのことを改めて考えてみたい。

介護保険制度以降、介護サービスの現場で「記録」について多くの関係者が、それを算定ルール上の問題、あるいは実地指導に必要なものとして考える傾向にある。これは大きな問題である。

確かに、記録の目的として、サービスの正当性やルールに則った方法で支援が行われているかという証明・証拠という意味があるから「算定ルール上の問題、あるいは実地指導に必要なもの」と考えることが間違いであるとはいえない。しかし記録の目的とはもっと我々サービス提供者自身の主体的問題であるという事を忘れてはならないのである。

考えなければならないことは、記録とは行政指導担当者への情報提供のためだけにあるわけではなく、それ以前にサービス提供側にとって必要不可欠な「道具」として存在しているということである。今日は「証拠」としての記録の目的外に、我々が「道具」として使うという意味としての「記録の目的」を考えてみたい。

支援記録・ソーシャルケースワークに関わる対人援助の記録は、第1の目的として「支援に一貫性を持たせる」という目的、つまり利用者に継続した一定レベル以上のサービスを提供するためという目的がある。これは途中で支援者が変わってもサービスの方法や品質が利用者に影響があるほど低下しないという意味もあり、何度も利用者が同じ要求をしなくともサービス方法が一定レベル以上に保たれるために必要なツールとしての意味であり、その目的を忘れてはならないのである。

第2の目的は「記録がケースの分析及び支援方法の研究に役立てられる」ということが挙げられる。介護支援の現場で我々が提供したサービスの適切性を、支援者がその場で判断することは難しい。しかし記録により行為を振り返る、あるいは他者の記録から支援方法を確認することによって技術的問題、支援方法のあり方などの「気づき」に繋がるのである。当然、記録があるからといって、そうした「気づき」に常に繋がるとは限らないが、記録がなければ何も気づかないという事態は避けねばならないのである。当然、このことに関わっては、スーパーバイザーの存在と、その援助を受けることと同時に語られねばならないが、こうした目的があることを記録者自身が理解することが重要なのである。

第3の目的は、社会福祉援助技術の向上のための資料価値、ということが挙げられるであろう。介護技術を含めた対人援助のあり方は対象者によっても変化するが、同時に時代のニーズや個人の意向にも関連して変化、向上すべきものである。その為に後世の研究者が多数のケース関連記録から問題の整理、統計、分析ができることが重要であり、その時代時代で介護の現場で何が行われていたかを事実に基づいて正確に記録することは社会的施策を将来に渡って向上させるために不可欠な要素である。現実の介護サービスの現場で、今すぐ必要な機能ではなくとも、記録にはそうした意味や目的があることを理解することも、社会福祉援助に携わる専門職の責任と社会的使命であるといえるのではないだろうか。

だからそれらの目的を達するためにも(以前の記事で内容は詳しく書いているので、そちらを参照してほしいが)記録上の周注意事項として
1.正確であること
2.客観的に書かれていること
3.簡潔明瞭であること
4.個別的色彩が出ていること
5.支援者の言動を書くこと
などが求められるのである。

確かに業務上の記録を書くことは厄介で面倒くさい仕事ではあるが、それは実地指導のためにしか意味のない空しい作業ではなく、われわれ自身、そして後世の社会福祉援助者にとっても必要な意味のある作業であるというふうに考えることで、その工夫と書く意欲に結びつくのではないだろうか。

さて明日から沖縄県で2日間にわたる「講演会」を行うため、明日朝早く自宅を出て沖縄に向かう。そのため明日の記事更新はお休みさせていただく。おそらく水曜日と木曜日は旅先の沖縄からの記事発信になるだろう。そういう意味では水・木はいつもと違った記事内容になるかも知れず、明後日以降の記事更新をお待ちいただきたい。
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