今日、介護保険制度関連のニュースとして、テレビ・新聞等で大きく取り上げられているのは「要介護認定基準の緩和」である。
そのニュースとは「4月から新しい基準で実施されている介護保険の要介護認定について、厚生労働省は28日、74の調査項目中43項目を旧基準に沿って緩和する大幅な見直し案を同省の専門家会議に示し、了承された。新基準導入後、介護保険サービスが受けられない人や軽度と認定される人の割合が増えたための措置。10月1日申請分から適用する方針。」というものである。
しかしこれは問題の根本解決でも、なんでもなく、小手先のごまかしで問題をうやむやにしているだけで、これによって対策をしたという事実だけをもって批判の矛先を変え、現在行っている「希望者には従前の介護度を適用する」という経過措置もなくしてしまって、結果的には介護判定ソフト2009を使った要介護認定を既成事実化してしまい、これをスタンダードにしようとする意図である。つまりこの修正とは、あくまで認定調査ルールにおける判断基準の変更であり、緩和といっても「43項目を旧基準に戻す」というだけの話で、新しい基準ではなく、元と同じにしたに過ぎず、さらにオンボロ新認定ソフト2009のロジックは少しも変えないという意味なのである。
そしてこのことは新介護認定ソフトが軽度誘導ソフトだと問題視され、検討会まで立ちあげられてやり玉に挙がった当時から最終的な「落とし所」として考えていた既定路線に他ならない。
(このことはこのブログや表の掲示板で数か月前から結果を予言していて、その通りになったという事実がある。)
もともと今回の軽度認定が増える問題は、7/14の各メディアで「新基準で非該当が倍増した」と報道された厚生労働省の6万人調査の結果によるとされているが、この原因はソフトロジックの問題と、認定調査ルールの変更の問題という2重の構造があったもので、後者だけを今回の措置で元に戻したものである。よって新判定ソフト自体の軽度誘導ロジックは何ら変更されないのである。
何しろ厚生労働省は最初から介護認定2009のロジックは正しいとしているのである。
そして正しいという意味の裏は「軽度誘導ではない」という表向きの理屈ではないのだ。この理屈は本音ではなく建て前であることを関係者は知るべきである。
その裏には、もともと今回のソフト改正は、介護認定の軽度誘導で給付費を削減するという「真の目的」のためのソフト開発という意味があるのだ。
その証拠は某党の国会議員が見つけて表面化した厚生労働省の内部文書「10%非該当の人を作れば、54億円経費節減できる。」という考え方に基づくものであり、舛添大臣がそのことをどれだけ承知しているか知らないが、同大臣も4/1の衆議院議員労働委員会で「新しい基準でやるというのは、前と比較しようがないんですよ。だから今回の認定基準でいいという方が委員の中に半分おられるわけですよ。何で変えるんだと逆に言っています。」と新判定ソフトが軽度化しても前の基準とは比較対象にはならず、問題なしと発言していることでも証明されている。
しかしその際に、大臣の約束として実際の新ソフトの影響を集計でみて対策を考えると発言した事実があり、その結果は7月か8月に出るとしていたもので、その集計結果による対策が今回の措置である。
だから新判定ソフトはもともと「給付費を54億円経費節減」するためのロジックであり、そのロジックには間違いがないのでソフト自体の変更はないわけである。
よって国民から総スカンのオンボロロジックといわれるソフトであっても、厚生労働省の意図には合致しているわけで、これを開発したり、検討会でこれを擁護する国の御用聞き委員は、国から評価され、ある者は国の別の委員会の席を与えられ、ある者は大学で准教授から教授へと昇進のレールを確保するというわけである。
だから今回の基準緩和によっても、21年3月以前の認定結果と同じ数値に戻ることはなく、対策をしたので「ロジックに間違いのない」新判定ソフトによる判定に国民全体が納得しなさい、という押し付けという意味に過ぎないのである。
基準緩和とは、そういう意味でしかない。
しかし単なる「43項目を旧基準に戻す」という変更であったとしても、認定審査委員と調査員には、戻したルールの周知のための講習が必要だし、その講師役を務める都道府県担当者に対する伝達講習も必要だし、時間と税金がここでも使われることにある。
そういう意味ではオンボロソフトによる混乱は、国民の負担を増やし、役人やソフト開発に携わった国の御用聞き委員どもの私腹だけを肥やす結果になるのである。
日本という官僚主義国家は、まったく面白いシステムの国である。
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そのニュースとは「4月から新しい基準で実施されている介護保険の要介護認定について、厚生労働省は28日、74の調査項目中43項目を旧基準に沿って緩和する大幅な見直し案を同省の専門家会議に示し、了承された。新基準導入後、介護保険サービスが受けられない人や軽度と認定される人の割合が増えたための措置。10月1日申請分から適用する方針。」というものである。
しかしこれは問題の根本解決でも、なんでもなく、小手先のごまかしで問題をうやむやにしているだけで、これによって対策をしたという事実だけをもって批判の矛先を変え、現在行っている「希望者には従前の介護度を適用する」という経過措置もなくしてしまって、結果的には介護判定ソフト2009を使った要介護認定を既成事実化してしまい、これをスタンダードにしようとする意図である。つまりこの修正とは、あくまで認定調査ルールにおける判断基準の変更であり、緩和といっても「43項目を旧基準に戻す」というだけの話で、新しい基準ではなく、元と同じにしたに過ぎず、さらにオンボロ新認定ソフト2009のロジックは少しも変えないという意味なのである。
そしてこのことは新介護認定ソフトが軽度誘導ソフトだと問題視され、検討会まで立ちあげられてやり玉に挙がった当時から最終的な「落とし所」として考えていた既定路線に他ならない。
(このことはこのブログや表の掲示板で数か月前から結果を予言していて、その通りになったという事実がある。)
もともと今回の軽度認定が増える問題は、7/14の各メディアで「新基準で非該当が倍増した」と報道された厚生労働省の6万人調査の結果によるとされているが、この原因はソフトロジックの問題と、認定調査ルールの変更の問題という2重の構造があったもので、後者だけを今回の措置で元に戻したものである。よって新判定ソフト自体の軽度誘導ロジックは何ら変更されないのである。
何しろ厚生労働省は最初から介護認定2009のロジックは正しいとしているのである。
そして正しいという意味の裏は「軽度誘導ではない」という表向きの理屈ではないのだ。この理屈は本音ではなく建て前であることを関係者は知るべきである。
その裏には、もともと今回のソフト改正は、介護認定の軽度誘導で給付費を削減するという「真の目的」のためのソフト開発という意味があるのだ。
その証拠は某党の国会議員が見つけて表面化した厚生労働省の内部文書「10%非該当の人を作れば、54億円経費節減できる。」という考え方に基づくものであり、舛添大臣がそのことをどれだけ承知しているか知らないが、同大臣も4/1の衆議院議員労働委員会で「新しい基準でやるというのは、前と比較しようがないんですよ。だから今回の認定基準でいいという方が委員の中に半分おられるわけですよ。何で変えるんだと逆に言っています。」と新判定ソフトが軽度化しても前の基準とは比較対象にはならず、問題なしと発言していることでも証明されている。
しかしその際に、大臣の約束として実際の新ソフトの影響を集計でみて対策を考えると発言した事実があり、その結果は7月か8月に出るとしていたもので、その集計結果による対策が今回の措置である。
だから新判定ソフトはもともと「給付費を54億円経費節減」するためのロジックであり、そのロジックには間違いがないのでソフト自体の変更はないわけである。
よって国民から総スカンのオンボロロジックといわれるソフトであっても、厚生労働省の意図には合致しているわけで、これを開発したり、検討会でこれを擁護する国の御用聞き委員は、国から評価され、ある者は国の別の委員会の席を与えられ、ある者は大学で准教授から教授へと昇進のレールを確保するというわけである。
だから今回の基準緩和によっても、21年3月以前の認定結果と同じ数値に戻ることはなく、対策をしたので「ロジックに間違いのない」新判定ソフトによる判定に国民全体が納得しなさい、という押し付けという意味に過ぎないのである。
基準緩和とは、そういう意味でしかない。
しかし単なる「43項目を旧基準に戻す」という変更であったとしても、認定審査委員と調査員には、戻したルールの周知のための講習が必要だし、その講師役を務める都道府県担当者に対する伝達講習も必要だし、時間と税金がここでも使われることにある。
そういう意味ではオンボロソフトによる混乱は、国民の負担を増やし、役人やソフト開発に携わった国の御用聞き委員どもの私腹だけを肥やす結果になるのである。
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