今日は怒りモードで記事を書くので、過激な表現となることをあらかじめ断わっておく。
特養で解禁される医療行為について、今年度中にモデル事業を実施して、来年度から条件付で容認することになったが、6/15に書いた「中途半端な医療行為拡大議論」で示したとおり、その内容はまったく不十分なもので、今回モデル実施される行為は、「吸引」と「経管栄養」に関る行為のみである。
しかもその中身が惨憺たるもので、喀痰吸引については在宅では資格がないものにも認められている「咽頭より奥、または気管切開部分の吸引」は除外され、肉眼で確認できる口腔内のみに限定されている。一歩前進とはいっても、これでは看護職員の夜勤がない特養では、夜間に口腔内以外の喀痰吸引が不可能な為、今後も喉につけた人工呼吸器の部分の喀痰吸引が必要なALS(筋委縮性側索硬化症)患者の方々は入所できない。
もっとひどいのは「経管栄養」に関する行為である。今回認められモデル事業で実施する行為とは、タンクへの濃厚流動食の注入行為は除外され、単に「注入中の観察・注入後の頭部の状態維持・看護職員への結果報告・片付け・記録のみ」とされている。
しかしモデル事業で実施後に認められる行為も「今までも出来るんではなかったの?」と首を傾げたくなるような行為ばかりで、こんなことが今更「介護職員でもできるよ。」と言われたからといって、何か現場に変化があるというのだろうか?利用者の暮らしが良くなるのだろうか?
肝心の濃厚流動食の注入が認められないのでは意味がない。また、身体につけられているチューブはともかく、タンクに接続している部分のチューブ交換さえも出来ないのではまったく意味がないだろう。何のための介護職員への医療行為の一部行為解禁だろう。ふざけるのにもほどがある。
この背景には日本看護協会の権益を守るための反対論、限定的解禁の主張や、厚生労働省の「まず安全なところからやりたい」という意向が働いたことが大きいが、それにも増して僕が個人的に問題視していることは、医療行為の一部解禁を担うべき介護福祉士の団体である「日本介護福祉士会」が会員アンケートの結果として、8割が「吸引は不安」。44%が「吸引を行わないようにすべき」という意見を示し、この問題に消極姿勢をとったことである。
この姿勢が「腰砕けの結論」の一要素になっていることは否定できない。
喀痰吸引等の医療行為の一部を介護職員ができるようにするということは、超高齢社会で医療器具をつけて療養する高齢者が、在宅で生活できるのは家族の医療行為による支援の結果であり、それらの利用者が施設入所できない現状を打破する為には、介護職員がカバーする領域を広げないとならないという意味があり、それは国民のニーズに応えるという意味にほかならない。
そういう意味では、日本介護福祉士会が、この問題で消極姿勢をとることは、国が介護福祉士という有資格者に、社会的に有益な役割を与えようとしているのに「いえいえ、私どもにそんな重要な役割を担う、資質も、能力もないので、勘弁してください。介護福祉士なんてそんな大層な資格ではないんです。」と言っているようなものである。
当初、老施協は、これを担える介護職員について、現行の介護福祉士という資格者ではなく、新たに「療養介護士」という資格を創設して、その有資格者に医療行為の拡大解禁した部分を担わせようと運動していた。それに関して僕は介護福祉士という国家資格を持つ者がいるんだから「介護福祉士とういう国家資格を持つ者を信用せずに、別に新たな資格を作らねば医療ニーズに対応できないというは間違い。拡大されるべき行為は、在宅で家族やボランティアが現に行っている行為が中心であるのだから、教育カリュキラムの見直しや、一定の研修受講で対応できる問題で、その中心に介護福祉士を据えるべきである」と主張してきた。
(参照:老施協戦略への疑問〜療養介護士問題)
そういう意味では僕は、介護福祉士という資格、その取得者に敬意を持って、その資格による業務従事者を信頼していたのである。
しかし今回の問題に対する、日本介護福祉士会の一連の対応を見ると、この考え方は変えざるを得ない。国民のニーズ、社会の要請に積極的に応えようとしない資格者など、専門資格とはいえない。介護福祉士資格などは単にお飾りに過ぎず、国民が望む行為に応えられない程度の、低いレベルの資格だということがはっきりした。
少なくとも日本介護福祉士会という団体は社会的使命感をまったく持たない団体であることが国民の前に明らかになった。
そうであるなら、こんな資格を介護の基礎資格に置いておくのは間違いである。こんな資質の低い有資格者集団に将来に渡っていかなる分野の業務独占を許してはならない。療養介護士でもなんでも新たに創設して、介護福祉士なんていう資格はなくしてしまうか、療養介護士の下請け資格にするしかないだろう。
世の中に役に立たない国家資格など必要ないのである。
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特養で解禁される医療行為について、今年度中にモデル事業を実施して、来年度から条件付で容認することになったが、6/15に書いた「中途半端な医療行為拡大議論」で示したとおり、その内容はまったく不十分なもので、今回モデル実施される行為は、「吸引」と「経管栄養」に関る行為のみである。
しかもその中身が惨憺たるもので、喀痰吸引については在宅では資格がないものにも認められている「咽頭より奥、または気管切開部分の吸引」は除外され、肉眼で確認できる口腔内のみに限定されている。一歩前進とはいっても、これでは看護職員の夜勤がない特養では、夜間に口腔内以外の喀痰吸引が不可能な為、今後も喉につけた人工呼吸器の部分の喀痰吸引が必要なALS(筋委縮性側索硬化症)患者の方々は入所できない。
もっとひどいのは「経管栄養」に関する行為である。今回認められモデル事業で実施する行為とは、タンクへの濃厚流動食の注入行為は除外され、単に「注入中の観察・注入後の頭部の状態維持・看護職員への結果報告・片付け・記録のみ」とされている。
しかしモデル事業で実施後に認められる行為も「今までも出来るんではなかったの?」と首を傾げたくなるような行為ばかりで、こんなことが今更「介護職員でもできるよ。」と言われたからといって、何か現場に変化があるというのだろうか?利用者の暮らしが良くなるのだろうか?
肝心の濃厚流動食の注入が認められないのでは意味がない。また、身体につけられているチューブはともかく、タンクに接続している部分のチューブ交換さえも出来ないのではまったく意味がないだろう。何のための介護職員への医療行為の一部行為解禁だろう。ふざけるのにもほどがある。
この背景には日本看護協会の権益を守るための反対論、限定的解禁の主張や、厚生労働省の「まず安全なところからやりたい」という意向が働いたことが大きいが、それにも増して僕が個人的に問題視していることは、医療行為の一部解禁を担うべき介護福祉士の団体である「日本介護福祉士会」が会員アンケートの結果として、8割が「吸引は不安」。44%が「吸引を行わないようにすべき」という意見を示し、この問題に消極姿勢をとったことである。
この姿勢が「腰砕けの結論」の一要素になっていることは否定できない。
喀痰吸引等の医療行為の一部を介護職員ができるようにするということは、超高齢社会で医療器具をつけて療養する高齢者が、在宅で生活できるのは家族の医療行為による支援の結果であり、それらの利用者が施設入所できない現状を打破する為には、介護職員がカバーする領域を広げないとならないという意味があり、それは国民のニーズに応えるという意味にほかならない。
そういう意味では、日本介護福祉士会が、この問題で消極姿勢をとることは、国が介護福祉士という有資格者に、社会的に有益な役割を与えようとしているのに「いえいえ、私どもにそんな重要な役割を担う、資質も、能力もないので、勘弁してください。介護福祉士なんてそんな大層な資格ではないんです。」と言っているようなものである。
当初、老施協は、これを担える介護職員について、現行の介護福祉士という資格者ではなく、新たに「療養介護士」という資格を創設して、その有資格者に医療行為の拡大解禁した部分を担わせようと運動していた。それに関して僕は介護福祉士という国家資格を持つ者がいるんだから「介護福祉士とういう国家資格を持つ者を信用せずに、別に新たな資格を作らねば医療ニーズに対応できないというは間違い。拡大されるべき行為は、在宅で家族やボランティアが現に行っている行為が中心であるのだから、教育カリュキラムの見直しや、一定の研修受講で対応できる問題で、その中心に介護福祉士を据えるべきである」と主張してきた。
(参照:老施協戦略への疑問〜療養介護士問題)
そういう意味では僕は、介護福祉士という資格、その取得者に敬意を持って、その資格による業務従事者を信頼していたのである。
しかし今回の問題に対する、日本介護福祉士会の一連の対応を見ると、この考え方は変えざるを得ない。国民のニーズ、社会の要請に積極的に応えようとしない資格者など、専門資格とはいえない。介護福祉士資格などは単にお飾りに過ぎず、国民が望む行為に応えられない程度の、低いレベルの資格だということがはっきりした。
少なくとも日本介護福祉士会という団体は社会的使命感をまったく持たない団体であることが国民の前に明らかになった。
そうであるなら、こんな資格を介護の基礎資格に置いておくのは間違いである。こんな資質の低い有資格者集団に将来に渡っていかなる分野の業務独占を許してはならない。療養介護士でもなんでも新たに創設して、介護福祉士なんていう資格はなくしてしまうか、療養介護士の下請け資格にするしかないだろう。
世の中に役に立たない国家資格など必要ないのである。
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