介護報酬が改定された4月以降の、加算報酬算定状況等をチェックする施設サービス及び居宅サービスに対する実地指導は大変だろう。

算定規準やルールを巡って細かいチェックが必要になる。これを全部見るとなると、かなりの時間を要すことになるだろう。施設としても証明書類をそろえるだけで大変な作業である。

しかしコムスン事件以降は、不正運営を行っているわけではないのに、ルールの解釈を巡って、都道府県や市町村の担当者による法令を極端に狭く解釈した運営指導を受けるケースが数多く報告されている。

この加算報酬はさらに細かなルールであるから、その解釈にもローカルルールがゾロゾロ出てくる可能性がある。しかしそれが給付抑制となるような制限を厳しくしたものであってはならない。

このことについて2008年2月27日の介護保険と高齢者保健福祉担当の「全国担当課長会議」において、国が都道府県と市町村の実地指導担当者に対し『現行の指導監督の最大の問題点は、自治体や指導担当者による「ばらつき」。本来「指導」とは、規準違反や不正請求などを疑う監査とは異なり、利用者本位の立場からより良いケアの実現に向け、事業者のサービスの質の向上、育成を第1に、介護保険法第23.24条に基づき実施すべきもの。ところが自治体や担当者には、この理解が不十分なまま、法令を過度に厳格に捉えたり、介護報酬の返還のみに偏っている現状が見受けられる。都道府県、市町村は事業者に法令順守を訴える立場を自覚し、自らが法に基づいた適切な指導監督を実施すべきである』と指摘している。

しかしその後も、相変わらず指導担当者の思い込み的で、勝手なローカルルールがなくなっていない。小人物ほど、自身が何らかの権限を握った際に、それを使いたくなるんだろうが、馬鹿ほど頑固で、意味不明の理屈を振りかざす傾向にある。

今回の報酬改定に関連して実際に行われている「行き過ぎた指導」の具体例として、表の掲示板で情報提供されている内容は、サービス提供体制強化加算や看護体制加算、夜勤職員配置加算などの体制加算もケアプランにその内容を反映せよという指導を行っている市が現われている、という問題である。(参照:体制加算はケアプランに反映されなければいけない?

まったく馬鹿が指導担当者になるとどうしようもない。体制加算は、まさに字のごとく、その体制がある事業所を利用した場合、加算される費用であり、こんなものまで(給付管理上の位置づけは必要だが)ケアプランの内容に細かく書かれなければならないものでもないし、またそれは計画に書くことができるような種類のものでもない。

それはその指導担当者たる人物自信(あるいは、その市の担当課全部)の恥を、たくさんの関係者に向って晒しているということで救いようのない、みっともなさなのであるが、それによって事業者にも被害が及ぶのではしゃれにならない。

これは大きな問題で、特養等の施設や居宅サービス事業所が、いくらコンプライアンスの視点を持って法令に沿った適正な運営に心がけようとしても、その時々の指導担当者の考え方と裁量で、ローカルルールの名の元に制度の解釈や運用方法が変えられるのであれば、介護サービス事業は指導をいかに受けないかという方向に意識が向き、利用者のサービスの向上より、指導担当者の考えに沿った書類上の体裁を整えることにのみエネルギーが使われる結果となるであろう。

場合によっては指導を受けないためには余計なことをしないという形で、必要なサービスさえも制限してしまう可能性がある。これは加算サービスに顕著に見られる傾向であろう。

もしかしてローカルルールの真の目的は、こうした給付抑制に繋がる制限の為であるのかと考えてしまう。そうであればそのことは、さらに罪深く、人としての道にさえ外れている。

また、指導担当者が法令を狭く解釈して不適切運営とされ指導される状況は、介護サービス現場全体のモチベーションを下げ、結果として不正請求はなくとも、人が暮らす場の生活支援のあり方は2の次となって、運営基準に書いてある範囲のサービスを書面で証明できることのみを重視する傾向が強まるであろう。

それでは利用者の生活の質は低下することはあっても、向上する結果にはならない。行政の指導担当者はこうした問題意識を持つ必要があるのではないだろうか。

ともかく都道府県や市町村に少なからず存在する「頭の悪い小権力者」によって、この国の介護は歪められているのである。

こういう輩にひたすら頭を垂れるだけで、反論しない介護サービス現場の職員やケアマネ会もどうかしている。むしろそういう輩び対しては、正論でもって徹底的につるしあげったって良いだろう。

我々には言論という武器があり、発言機会はインターネットの普及で無限に広がっているんだから・・・。

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