介護保険制度の各サービスは、基本的に「計画」に基づいて提供されるサービスであり、その計画については一定期間ごとに評価見直しが行われる必要がある。これをモニタリングと称している。
(※居宅介護支援事業所が立案する計画は介護保険の各サービスを現物給付化する手段とされているが、施設サービス計画や各サービス事業所(訪問介護や通所介護など)の計画は基準省令で必ずなければならないものと規定され、これがないままのサービス利用は原則不適切とされる。居宅介護計画(居宅介護支援事業所の計画)と施設サービス計画及び居宅サービス計画(各サービス事業所の計画)の、この違いをしっかり理解しておく必要がある。)
モニタリング(monitoring)という言葉の意味を辞書で引くと「予め設定しておいた計画や目標、指示について、その進捗状況を随時チェックすることをいう。」あるいは「観察し、記録すること。」などと書かれている。
介護サービスにおけるモニタリングは、作成された計画に基づくサービスの評価を中心にして展開され、実際に計画されているサービスが行われているのか、行われていると確認できれば、その状況や方法は計画に合致した適切なものであるのか、行われた結果として課題に対する目標は達成されているのか、いないのかなどを評価し、その結果から具体的サービス提供の方法を見直したり、終了したり、一時中断したり、継続したりということを決定するものである。
「モニタリング」と「評価」がどう違うのかと質問されることがあるが、基本的にそれはある意味同じであるともいう関係者もいるが、マクロな視点からいえば介護サービスのモニタリングというものは、評価するだけではなくその結果を記録して、サービス計画の見直しを検討する一連の過程全てを指すものであり、評価という行為をも包括したもっと広い作業過程と考えて良いと思う。介護保険制度ではこの点を「モニタリングの一連の過程の中に評価がある」と分けて考えているものである。
モニタリングでは、利用者の「満足度」を評価する視点が欠かせない。それは介護サービスというものが、事前に試して使ったり、後から使ったサービスをもとに戻すことが不可能な再現性のない「目に見えない」サービスであるからだ。それは常に使ってみないとわからないという特性を持っているため、サービスを利用した結果の満足度や不満、特に利用者の「いやだ」という感情がなかったかということは評価の視点としては重要にならざるを得ない。
どんなに素晴らしい計画であっても、利用者が使った結果が不満であれば、それはサービスとして不適切な何らかの要因(問題)があるということだからである。
このときモニタリングを行う計画担当者が陥りやすい「間違い」は、課題を解決できない要因をサービス提供方法そのものとしか見ず、場合によってはそれがサービス提供者の問題として限定的に考えてしまうことである。勿論そのことも理由としてあり得るが、もともとのサービス提供計画内容が適切なものであったのかを検証することが先であろうし、もっと言うなら、サービス計画に書かれている内容や意味について、利用者や全ての担当者が読んで理解できる表現方法となっているのか、という問題がある。
計画書の意味、課題に対する目標に具体性があってチームとして関わる人々が共通理解を持てる内容であったのか、それに対応するサービス内容となっていたのか、サービス提供方法が誰が見ても理解できて、いつ誰が行う際にも「ほぼ同じ行為」を行える具体性がある内容であるのかが問題である。
サービス計画としての書式は備わっているが、実際にはそれは現場で読んでわかるものではなく、使えない書式で、実際のサービスは計画書を拠り所にしているのではなく、事業所のルーチンワークや支援者の経験と勘に委ねられている、という状況になっていないかという検証がモニタリングの際には最初に考えられるべき問題である。
そういう意味で計画作成者は、現場でサービス提供する職員に「計画書を読んで何が書いてあるかわかるか」「計画書を読んでどのようなサービスが何のために必要とされているかわかるか」という問いかけを行うべきである。
読んでわかる計画書ではないと「使えない」のである。当然読んでわかるためにはそこで掲げられた目標が誰の目標であるのか(利用者目標か事業者目標か)統一されている必要があり、そのことがひとつの計画書にバラバラに設定されていては困るし、長期目標や短期目標の違いも明確で、それが連動し、かつ目標が具体的でなければならないという意味を持つ。
とにもかくにも、まず自分が作った計画書をじっくり読み直して、その内容がわかりやすいか、何をすべきかが具体的にわかるのかを確認したうえで、サービスチーム全員がその内容を理解できるように伝える必要がある。これがサービス担当者会議のひとつの重要な機能である。
そういう意味ではモニタリングの要点のひとつは、計画担当者が自分の計画がわかりやすく現場で活用できるものであったのか、という自己評価なのである。
何も他人のことばかりを評価するのがモニタリングではないのである。
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(※居宅介護支援事業所が立案する計画は介護保険の各サービスを現物給付化する手段とされているが、施設サービス計画や各サービス事業所(訪問介護や通所介護など)の計画は基準省令で必ずなければならないものと規定され、これがないままのサービス利用は原則不適切とされる。居宅介護計画(居宅介護支援事業所の計画)と施設サービス計画及び居宅サービス計画(各サービス事業所の計画)の、この違いをしっかり理解しておく必要がある。)
モニタリング(monitoring)という言葉の意味を辞書で引くと「予め設定しておいた計画や目標、指示について、その進捗状況を随時チェックすることをいう。」あるいは「観察し、記録すること。」などと書かれている。
介護サービスにおけるモニタリングは、作成された計画に基づくサービスの評価を中心にして展開され、実際に計画されているサービスが行われているのか、行われていると確認できれば、その状況や方法は計画に合致した適切なものであるのか、行われた結果として課題に対する目標は達成されているのか、いないのかなどを評価し、その結果から具体的サービス提供の方法を見直したり、終了したり、一時中断したり、継続したりということを決定するものである。
「モニタリング」と「評価」がどう違うのかと質問されることがあるが、基本的にそれはある意味同じであるともいう関係者もいるが、マクロな視点からいえば介護サービスのモニタリングというものは、評価するだけではなくその結果を記録して、サービス計画の見直しを検討する一連の過程全てを指すものであり、評価という行為をも包括したもっと広い作業過程と考えて良いと思う。介護保険制度ではこの点を「モニタリングの一連の過程の中に評価がある」と分けて考えているものである。
モニタリングでは、利用者の「満足度」を評価する視点が欠かせない。それは介護サービスというものが、事前に試して使ったり、後から使ったサービスをもとに戻すことが不可能な再現性のない「目に見えない」サービスであるからだ。それは常に使ってみないとわからないという特性を持っているため、サービスを利用した結果の満足度や不満、特に利用者の「いやだ」という感情がなかったかということは評価の視点としては重要にならざるを得ない。
どんなに素晴らしい計画であっても、利用者が使った結果が不満であれば、それはサービスとして不適切な何らかの要因(問題)があるということだからである。
このときモニタリングを行う計画担当者が陥りやすい「間違い」は、課題を解決できない要因をサービス提供方法そのものとしか見ず、場合によってはそれがサービス提供者の問題として限定的に考えてしまうことである。勿論そのことも理由としてあり得るが、もともとのサービス提供計画内容が適切なものであったのかを検証することが先であろうし、もっと言うなら、サービス計画に書かれている内容や意味について、利用者や全ての担当者が読んで理解できる表現方法となっているのか、という問題がある。
計画書の意味、課題に対する目標に具体性があってチームとして関わる人々が共通理解を持てる内容であったのか、それに対応するサービス内容となっていたのか、サービス提供方法が誰が見ても理解できて、いつ誰が行う際にも「ほぼ同じ行為」を行える具体性がある内容であるのかが問題である。
サービス計画としての書式は備わっているが、実際にはそれは現場で読んでわかるものではなく、使えない書式で、実際のサービスは計画書を拠り所にしているのではなく、事業所のルーチンワークや支援者の経験と勘に委ねられている、という状況になっていないかという検証がモニタリングの際には最初に考えられるべき問題である。
そういう意味で計画作成者は、現場でサービス提供する職員に「計画書を読んで何が書いてあるかわかるか」「計画書を読んでどのようなサービスが何のために必要とされているかわかるか」という問いかけを行うべきである。
読んでわかる計画書ではないと「使えない」のである。当然読んでわかるためにはそこで掲げられた目標が誰の目標であるのか(利用者目標か事業者目標か)統一されている必要があり、そのことがひとつの計画書にバラバラに設定されていては困るし、長期目標や短期目標の違いも明確で、それが連動し、かつ目標が具体的でなければならないという意味を持つ。
とにもかくにも、まず自分が作った計画書をじっくり読み直して、その内容がわかりやすいか、何をすべきかが具体的にわかるのかを確認したうえで、サービスチーム全員がその内容を理解できるように伝える必要がある。これがサービス担当者会議のひとつの重要な機能である。
そういう意味ではモニタリングの要点のひとつは、計画担当者が自分の計画がわかりやすく現場で活用できるものであったのか、という自己評価なのである。
何も他人のことばかりを評価するのがモニタリングではないのである。
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