介護報酬の中で「特定事業所加算」という加算報酬が居宅介護支援と訪問介護に設けられている。
この加算要件は、両者で微妙に違っているが、その主旨はサービスの質に繋がる事業所の体制を評価して、一定の基準以上の体制が整えられている事業者が提供したサービスに一定割合(または単位)を加算できるものである。
ところで同じ「特定事業所加算」でも、居宅介護支援事業所の場合と、訪問介護事業所の場合では、この意味は大きく違ってくる。それは利用者自己負担が増えるという問題である。
居宅介護支援費の場合、利用者1割負担がなく全額公費(10割分が介護給付費として支給される)であるから、この加算を算定しても利用者に直接的な金銭負担増は生じない。
ところが訪問介護の場合は、他のサービスと同様に原則利用者1割負担であるから、「特定事業所加算」を算定できる「体制が整った事業所」の訪問介護を使う場合、この加算分の1割負担を利用者が負担しなければならにことになってしまう。
しかも訪問介護の場合のこの負担は、サービス利用1回ごとに条件に応じて所定単位数の10%または20%が毎回加算されるというもので利用者負担は決して軽いものではない。
さらにいえば、訪問介護の場合のこの加算要件とは、事業所内の有資格者の割合とか、研修実施体制とか、会議やサービス報告の方法とか、職員の健康診断とかが基準となっているもので、利用者自身には直接目に見えにくい体制に対する加算なのである。
つまり利用者自身は自分が提供されるサービスについて、加算算定していない事業所と、何か違いがあるのか明確に理解できないともいえる。
特に同じ事業所が、ある時期を境にこの加算を算定しようとする場合、事業者にとってはそれなりの体制整備をして、費用もかかって堂々と体制加算をとれる状況を作ってはいても、利用者にとっては同じ事業者から、同じ担当者が派遣され、同じサービスを受けるだけなのに、ある時期を境に1割または2割増しの自己負担となることは「損」と感じる場合もあるだろう。
しかも居宅介護支援事業所の計画担当ケアマネジャーの中には、露骨に訪問介護事業所が「特定事業所加算」を算定することを嫌がり、場合によっては訪問介護の提供事業所を加算算定事業所でない別事業所に変えるということを明言している人もいると聞く。滑稽なのは、そういうことを明言している居宅介護支援事業所自体が「特定事業所加算」を算定している場合があることだ。
自分の事業所の加算は公費10割負担で利用者負担がないから構わないが、利用者の1割負担がある訪問介護事業所が、この加算を算定するのはなにか「悪徳商法」と同じに考えているような対応を行うのはいかがなものであろう。
確かに1割分の自己負担が増えるということは、利用者の自己負担増だし、加算費用が給付費に上乗せされるということは支給限度額管理にも影響して、それによってサービスが減ってしまうケースもないとは言えないが、そもそもこのルールは国が決めたもので、事業者自体に責任がある問題ではないはずである。
しかしそうした情勢下で、経営戦略上の問題から、あるいは利用者負担増を懸念する訪問介護事業者自身の社会的使命感から、加算算定できる体制があるにもかかわらず、あえてこの加算を算定しないという事業所もあるそうである。
それは各々の事業所の経営判断であるから、外部の第3者がとやかく言うべき問題ではないが、少なくともこの加算を算定している訪問介護事業所が少しでも肩身の狭い思いを抱くような状況があるとしたら、それは違うだろうと思う。
介護保険制度は、基本原則が介護報酬総額の1割を利用者負担する仕組みである。そしてサービスの対価である介護報酬は時代の流れとともに額や体系が変わるのであるから、事業経営上必要な報酬アップを利用者が一部負担せねばならないというのは制度そのものが持つ特徴であり、ここを不適切と考えるなら、定率負担の仕組みを変えなければならない。結果的にそれは負担ルールを応能定額負担に変更せねば解決しない問題である。そういう意味で、批判を向ける矢印の向きが違うだろうと思うことがある。
体制とサービスの質は必ずしもイコールにならないだろうが、ルールを適用して、法律に基づいた加算を算定することが問題視されるようなことであってはならないだろうと思う。
これは4月からのサービス提供体制強化加算でも同じような問題となる可能性もあり、訪問介護事業所以外が他人事と考えるような問題ではないと思う。
介護・福祉情報掲示板(表板)
(↓1日1回プチッと押してランクアップにお力添えをお願いします。)
人気blogランキングへ
にほんブログ村 介護ブログ
FC2 Blog Ranking
(↑上のそれぞれのアドレスをクリックすれば、このブログの現在のランキングがわかります。)
この加算要件は、両者で微妙に違っているが、その主旨はサービスの質に繋がる事業所の体制を評価して、一定の基準以上の体制が整えられている事業者が提供したサービスに一定割合(または単位)を加算できるものである。
ところで同じ「特定事業所加算」でも、居宅介護支援事業所の場合と、訪問介護事業所の場合では、この意味は大きく違ってくる。それは利用者自己負担が増えるという問題である。
居宅介護支援費の場合、利用者1割負担がなく全額公費(10割分が介護給付費として支給される)であるから、この加算を算定しても利用者に直接的な金銭負担増は生じない。
ところが訪問介護の場合は、他のサービスと同様に原則利用者1割負担であるから、「特定事業所加算」を算定できる「体制が整った事業所」の訪問介護を使う場合、この加算分の1割負担を利用者が負担しなければならにことになってしまう。
しかも訪問介護の場合のこの負担は、サービス利用1回ごとに条件に応じて所定単位数の10%または20%が毎回加算されるというもので利用者負担は決して軽いものではない。
さらにいえば、訪問介護の場合のこの加算要件とは、事業所内の有資格者の割合とか、研修実施体制とか、会議やサービス報告の方法とか、職員の健康診断とかが基準となっているもので、利用者自身には直接目に見えにくい体制に対する加算なのである。
つまり利用者自身は自分が提供されるサービスについて、加算算定していない事業所と、何か違いがあるのか明確に理解できないともいえる。
特に同じ事業所が、ある時期を境にこの加算を算定しようとする場合、事業者にとってはそれなりの体制整備をして、費用もかかって堂々と体制加算をとれる状況を作ってはいても、利用者にとっては同じ事業者から、同じ担当者が派遣され、同じサービスを受けるだけなのに、ある時期を境に1割または2割増しの自己負担となることは「損」と感じる場合もあるだろう。
しかも居宅介護支援事業所の計画担当ケアマネジャーの中には、露骨に訪問介護事業所が「特定事業所加算」を算定することを嫌がり、場合によっては訪問介護の提供事業所を加算算定事業所でない別事業所に変えるということを明言している人もいると聞く。滑稽なのは、そういうことを明言している居宅介護支援事業所自体が「特定事業所加算」を算定している場合があることだ。
自分の事業所の加算は公費10割負担で利用者負担がないから構わないが、利用者の1割負担がある訪問介護事業所が、この加算を算定するのはなにか「悪徳商法」と同じに考えているような対応を行うのはいかがなものであろう。
確かに1割分の自己負担が増えるということは、利用者の自己負担増だし、加算費用が給付費に上乗せされるということは支給限度額管理にも影響して、それによってサービスが減ってしまうケースもないとは言えないが、そもそもこのルールは国が決めたもので、事業者自体に責任がある問題ではないはずである。
しかしそうした情勢下で、経営戦略上の問題から、あるいは利用者負担増を懸念する訪問介護事業者自身の社会的使命感から、加算算定できる体制があるにもかかわらず、あえてこの加算を算定しないという事業所もあるそうである。
それは各々の事業所の経営判断であるから、外部の第3者がとやかく言うべき問題ではないが、少なくともこの加算を算定している訪問介護事業所が少しでも肩身の狭い思いを抱くような状況があるとしたら、それは違うだろうと思う。
介護保険制度は、基本原則が介護報酬総額の1割を利用者負担する仕組みである。そしてサービスの対価である介護報酬は時代の流れとともに額や体系が変わるのであるから、事業経営上必要な報酬アップを利用者が一部負担せねばならないというのは制度そのものが持つ特徴であり、ここを不適切と考えるなら、定率負担の仕組みを変えなければならない。結果的にそれは負担ルールを応能定額負担に変更せねば解決しない問題である。そういう意味で、批判を向ける矢印の向きが違うだろうと思うことがある。
体制とサービスの質は必ずしもイコールにならないだろうが、ルールを適用して、法律に基づいた加算を算定することが問題視されるようなことであってはならないだろうと思う。
これは4月からのサービス提供体制強化加算でも同じような問題となる可能性もあり、訪問介護事業所以外が他人事と考えるような問題ではないと思う。
介護・福祉情報掲示板(表板)
(↓1日1回プチッと押してランクアップにお力添えをお願いします。)
人気blogランキングへ
にほんブログ村 介護ブログ
FC2 Blog Ranking
(↑上のそれぞれのアドレスをクリックすれば、このブログの現在のランキングがわかります。)


感動の完結編。

今回の改正でのサービス提供体制強化加算についても、介護福祉士を配置しそれなりに職員へ手当を支給している事業所と配置できない事業所があり、利用者負担が多くなるというだけで後者を選択されてしまうのは、事業所それぞれではありますが、やっぱりこの制度自体変な方向にいっていると感じます。
3年度のダブル改正の時になんらかのアクションを起こさないといけません。