(一昨日、昨日からの続き〜まとめ)
今回の新判定ルールが現在のルールとどのように変わっているのかを、新旧両テキストの記述の違いとしてまとめた表を「北海道」が作成し、資料として認定調査員研修参加者に配っている。それを転記するので見ていただきたい。
※なお1項目だけ新認定ソフトの適用の範囲は国の方針が変更されているので除外させていただいた。(資料では8の全般:新旧のいずれ:とされている部分。)よって元資料は29項目であるが、ここには28項目しか載せていない。
(項 目)→(内 容)→(現行ルール)→(新ルール:太字で示す)→(テキストページ数)
以上の順で書くので確認してみてほしい。
1.(全般)→(調査の評価軸)→(明示されていない)→(3つの評価軸を明確に示す)→(3)
2.(全般)→(評価軸)→(明示されていない)→(能力)→(22)
3.(全般)→(評価軸)→(明示されていない)→(介助方法)→(26)
4.(全般)→(評価軸)→(明示されていない)→(有無)→(29)
5.(全般)→(調査の原則)→(日頃の状況を総合的に勘案して判断)→(「目に見える」「確認しうる」という事実によって調査を行うことを原則とする)→(9)
6.(全般)→(迷う場合)→(<判断に迷うとき>に解説されている)→(選択に迷ったら迷わず特記事項へ)→(10)
7.(全般)→(Q&A)→(テキストを補完する位置づけ)→(現行のQ&Aはすべて廃止)→(指導者研修質疑より)
8.(概況調査)→(記載方法と留意)→(解説なし)→(解説あり)→(19)
9.(第1群)→(麻痺・拘縮)→(日常生活に支障がある場合に評価)→(「有無」を評価(日常生活上の支障は評価しない)支障がある場合は特記事項に記載)→(33、37)
10.(第1群麻痺の有無)→(手足や足趾のみの麻痺)→(「6.その他」を選択する)→(「1.ない」を選択し特記事項に記載)→(32)
11.(第1群拘縮の有無)→(肘関節の拘縮)→(「3.肘関節」を選択)→(「1.ない」を選択し特記事項に記載)→(36)
12.(第1群拘縮の有無)→(手指関節の拘縮)→(「6.その他」を選択する)→(「1.ない」を選択し特記事項に記載)→(36)
13.(第1群寝返り、起き上がり、座位保持、立位保持)→(実際に行ってもらった状況と、日頃の状況が違う場合)→(より頻回な状況に基づいて判断)→(実際に行ってもらった状況で判断)→(42、44、46、49)
14.(第1群座位保持)→(時間の目安)→(10分間程度)→(1分間程度)→(45)
15.(第1群歩行、立ち上がり)→(自分の膝につかまらないとできない場合)→(「2.何かにつかまればできる」を選択する)→(「1.つかまらないでできる」を選択する)→(50、53)
16.(第1群歩行)→(途中で中断しながら5mを歩く)→(明示されていない)→(「3.できない」を選択)→(50)
17.(第1群洗身)→(独居等の為、日常的に洗身を行っていない)→(能力を総合的に勘案して判断)→(不足となっている介助に基づいて判断)→(58)
18.(第1群つめ切り)→(爪がない場合:四肢切断等)→(能力を総合的に勘案して判断)→(「1.自立(介助なし)」を選択する)→(61)
19.(第2群食事摂取)→(食べやすくする為の介助)→(食卓でのきざみ等を含む)→(小さく切る、ほぐす等、食べやすくするための介助は含まない)→(79)
20.(第2群排尿、排便)→(「3.一部介助」の選択基準)→(例示の1項目のみ該当する場合をいう)→(一連の行為に部分的に介助が行われている場合をいう)→(81、84)
21.(第2群口腔清掃)→(行う習慣がない場合)→(能力を総合的に勘案して判断)→(「1.自立(介助なし)」を選択)→(88)
22.(第2群整髪)→(頭髪がない場合)→(頭を拭く等の類似行為によって判断する)→(「1.自立(介助なし)」を選択)→(94)
23.(第2群外出頻度)→(一定期間)→(調査日より概ね過去1カ月)→(調査日より概ね過去3カ月)→(98)
24.(第2群外出頻度)→(評価軸)→(活動の状況を総合的に勘案して判断)→(外出頻度を評価)→(101)
25.(第4群精神・行動症状)→(評価軸)→(日常生活への支障については周囲の人に与える影響について総合的に勘案して判断)→(当該行動があったか、なかったかという事実)→(116)
26.(第5群薬の内服)→(内服していない場合)→(能力を総合的に勘案して判断)→(「1.自立(介助なし)」を選択)→(135)
27.(第5群薬の内服、金銭の管理)→(入院等で能力はあるが介助が発生している場合)→(能力を総合的に勘案して判断)→(実際に行われている介助の状況で判断)→(135、138)
28.(第5群薬の内服)→(飲む時間や量の理解)→(薬の飲む時間や量を理解し〜)→(薬の飲む時間や量を本人が理解する能力については問わない)→(134)
以上である。さらに昨日の記事で指摘しているが、道の資料に載せられていない分としては
(第2群排尿、排便)→(後始末の判断)→(後始末にはポータブルトイレや尿器等の掃除も含む)→(トイレやポータブルトイレ、尿器等の排尿、排便直後の掃除)→(81、84)と変更になっており、「直後」という文言があることからタイムラグが生ずる尿便器やトイレの掃除は後始末の援助には含まれないとされる判断となってしまう。
(※このほかにもここに載せられていないことで、新テキストと旧テキストの違いがあれば、指摘してほしいとのことなので、気付いた方は、ここのコメントに書き入れてください。僕から道に送っておきますから。)
このようにみると、現在より介護の手間がかからないという方向に誘導する結果となっていることは明白である。(逆に手間のかかる方向への変更と考えられるのは16.25.27くらいか)
仮に認定ソフトが変更されず、現在のソフトで一次判定を行ったとしても、この調査ルールの変更だけで要介護度が軽度変更されるケースがたくさんあるだろう。
まさにダブル改定である。
よってソフトのロジックと、判定結果のルール変更で、現行介護状態区分より軽度変更されるケースは間違いなく増えるだろう。そうなると仮にこの新ソフトの導入が全国一律の評価基準の客観性を高める結果になるとしても、それは同時に要介護の重度者を判定方法によって減らす影の目的を覆い隠す理屈であるとしかいえないであろう。
これによって状態が変わっていないのに更新認定で軽度変更される対象者が数多く出現するのは明らかだ。そしてそれはソフト自体の基準時間等のロジック変更の影響より、調査判定方法のルール変更が大きく影響するものである。これが全て認定審査で換算され一次判定結果より重度の認定を受けられるとは限らないことも明白である。
そうなると、国は都道府県を通じるなどして一般市民にこうしたロジックの変更による基準時間の変更と調査判定ルールの変更の結果、要介護度が変更される可能性があることを周知すべきではないのか?
認定調査委員にクレームがつけられた時点で、都道府県に挙げればよいという問題ではないように思え、調査員や審査会へのクレームが予測される状態を放置せず、きちんとした国の説明責任を果たすべきである。
専門家だけが知っておれば良いという問題ではないはずだ。なぜならその影響を最も受けるのは、審査判定を受けるその人自身であり、それは地域で生活する一般市民そのものであるからである。
どちらにしても国民全体に影響のある、こんなに大きな「国が決める」ルールの変更が国民の耳にほとんど届かない形で行われるのは問題である。
戦中の「大本営発表」でもあるまいし、IT社会といわれる現状で、それを利用周知することもなく、都合の悪い情報は流さず、都合の良いことだけを喧伝している。
こうしたお上の都合優先の情報管理姿勢に国民全体が大いに声を挙げるべきである。
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今回の新判定ルールが現在のルールとどのように変わっているのかを、新旧両テキストの記述の違いとしてまとめた表を「北海道」が作成し、資料として認定調査員研修参加者に配っている。それを転記するので見ていただきたい。
※なお1項目だけ新認定ソフトの適用の範囲は国の方針が変更されているので除外させていただいた。(資料では8の全般:新旧のいずれ:とされている部分。)よって元資料は29項目であるが、ここには28項目しか載せていない。
(項 目)→(内 容)→(現行ルール)→(新ルール:太字で示す)→(テキストページ数)
以上の順で書くので確認してみてほしい。
1.(全般)→(調査の評価軸)→(明示されていない)→(3つの評価軸を明確に示す)→(3)
2.(全般)→(評価軸)→(明示されていない)→(能力)→(22)
3.(全般)→(評価軸)→(明示されていない)→(介助方法)→(26)
4.(全般)→(評価軸)→(明示されていない)→(有無)→(29)
5.(全般)→(調査の原則)→(日頃の状況を総合的に勘案して判断)→(「目に見える」「確認しうる」という事実によって調査を行うことを原則とする)→(9)
6.(全般)→(迷う場合)→(<判断に迷うとき>に解説されている)→(選択に迷ったら迷わず特記事項へ)→(10)
7.(全般)→(Q&A)→(テキストを補完する位置づけ)→(現行のQ&Aはすべて廃止)→(指導者研修質疑より)
8.(概況調査)→(記載方法と留意)→(解説なし)→(解説あり)→(19)
9.(第1群)→(麻痺・拘縮)→(日常生活に支障がある場合に評価)→(「有無」を評価(日常生活上の支障は評価しない)支障がある場合は特記事項に記載)→(33、37)
10.(第1群麻痺の有無)→(手足や足趾のみの麻痺)→(「6.その他」を選択する)→(「1.ない」を選択し特記事項に記載)→(32)
11.(第1群拘縮の有無)→(肘関節の拘縮)→(「3.肘関節」を選択)→(「1.ない」を選択し特記事項に記載)→(36)
12.(第1群拘縮の有無)→(手指関節の拘縮)→(「6.その他」を選択する)→(「1.ない」を選択し特記事項に記載)→(36)
13.(第1群寝返り、起き上がり、座位保持、立位保持)→(実際に行ってもらった状況と、日頃の状況が違う場合)→(より頻回な状況に基づいて判断)→(実際に行ってもらった状況で判断)→(42、44、46、49)
14.(第1群座位保持)→(時間の目安)→(10分間程度)→(1分間程度)→(45)
15.(第1群歩行、立ち上がり)→(自分の膝につかまらないとできない場合)→(「2.何かにつかまればできる」を選択する)→(「1.つかまらないでできる」を選択する)→(50、53)
16.(第1群歩行)→(途中で中断しながら5mを歩く)→(明示されていない)→(「3.できない」を選択)→(50)
17.(第1群洗身)→(独居等の為、日常的に洗身を行っていない)→(能力を総合的に勘案して判断)→(不足となっている介助に基づいて判断)→(58)
18.(第1群つめ切り)→(爪がない場合:四肢切断等)→(能力を総合的に勘案して判断)→(「1.自立(介助なし)」を選択する)→(61)
19.(第2群食事摂取)→(食べやすくする為の介助)→(食卓でのきざみ等を含む)→(小さく切る、ほぐす等、食べやすくするための介助は含まない)→(79)
20.(第2群排尿、排便)→(「3.一部介助」の選択基準)→(例示の1項目のみ該当する場合をいう)→(一連の行為に部分的に介助が行われている場合をいう)→(81、84)
21.(第2群口腔清掃)→(行う習慣がない場合)→(能力を総合的に勘案して判断)→(「1.自立(介助なし)」を選択)→(88)
22.(第2群整髪)→(頭髪がない場合)→(頭を拭く等の類似行為によって判断する)→(「1.自立(介助なし)」を選択)→(94)
23.(第2群外出頻度)→(一定期間)→(調査日より概ね過去1カ月)→(調査日より概ね過去3カ月)→(98)
24.(第2群外出頻度)→(評価軸)→(活動の状況を総合的に勘案して判断)→(外出頻度を評価)→(101)
25.(第4群精神・行動症状)→(評価軸)→(日常生活への支障については周囲の人に与える影響について総合的に勘案して判断)→(当該行動があったか、なかったかという事実)→(116)
26.(第5群薬の内服)→(内服していない場合)→(能力を総合的に勘案して判断)→(「1.自立(介助なし)」を選択)→(135)
27.(第5群薬の内服、金銭の管理)→(入院等で能力はあるが介助が発生している場合)→(能力を総合的に勘案して判断)→(実際に行われている介助の状況で判断)→(135、138)
28.(第5群薬の内服)→(飲む時間や量の理解)→(薬の飲む時間や量を理解し〜)→(薬の飲む時間や量を本人が理解する能力については問わない)→(134)
以上である。さらに昨日の記事で指摘しているが、道の資料に載せられていない分としては
(第2群排尿、排便)→(後始末の判断)→(後始末にはポータブルトイレや尿器等の掃除も含む)→(トイレやポータブルトイレ、尿器等の排尿、排便直後の掃除)→(81、84)と変更になっており、「直後」という文言があることからタイムラグが生ずる尿便器やトイレの掃除は後始末の援助には含まれないとされる判断となってしまう。
(※このほかにもここに載せられていないことで、新テキストと旧テキストの違いがあれば、指摘してほしいとのことなので、気付いた方は、ここのコメントに書き入れてください。僕から道に送っておきますから。)
このようにみると、現在より介護の手間がかからないという方向に誘導する結果となっていることは明白である。(逆に手間のかかる方向への変更と考えられるのは16.25.27くらいか)
仮に認定ソフトが変更されず、現在のソフトで一次判定を行ったとしても、この調査ルールの変更だけで要介護度が軽度変更されるケースがたくさんあるだろう。
まさにダブル改定である。
よってソフトのロジックと、判定結果のルール変更で、現行介護状態区分より軽度変更されるケースは間違いなく増えるだろう。そうなると仮にこの新ソフトの導入が全国一律の評価基準の客観性を高める結果になるとしても、それは同時に要介護の重度者を判定方法によって減らす影の目的を覆い隠す理屈であるとしかいえないであろう。
これによって状態が変わっていないのに更新認定で軽度変更される対象者が数多く出現するのは明らかだ。そしてそれはソフト自体の基準時間等のロジック変更の影響より、調査判定方法のルール変更が大きく影響するものである。これが全て認定審査で換算され一次判定結果より重度の認定を受けられるとは限らないことも明白である。
そうなると、国は都道府県を通じるなどして一般市民にこうしたロジックの変更による基準時間の変更と調査判定ルールの変更の結果、要介護度が変更される可能性があることを周知すべきではないのか?
認定調査委員にクレームがつけられた時点で、都道府県に挙げればよいという問題ではないように思え、調査員や審査会へのクレームが予測される状態を放置せず、きちんとした国の説明責任を果たすべきである。
専門家だけが知っておれば良いという問題ではないはずだ。なぜならその影響を最も受けるのは、審査判定を受けるその人自身であり、それは地域で生活する一般市民そのものであるからである。
どちらにしても国民全体に影響のある、こんなに大きな「国が決める」ルールの変更が国民の耳にほとんど届かない形で行われるのは問題である。
戦中の「大本営発表」でもあるまいし、IT社会といわれる現状で、それを利用周知することもなく、都合の悪い情報は流さず、都合の良いことだけを喧伝している。
こうしたお上の都合優先の情報管理姿勢に国民全体が大いに声を挙げるべきである。
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今回の様々な改正を見て、厚生労働省の人たちは一度決めた事は必ず押し通す、と言うスタンスなのだと思いました。(ある人は「秤量責め」と言っていました)
そんな中、我ながら情けないと思ったのは、桝添厚生労働大臣が登場した時に私は「おっ!お母さんを実際に介護した、現場に詳しい人が大臣になる!」と淡い期待を抱いた事です。(お母様との記念写真を見て少なからず感激したりして…)
結局、介護経験がある大臣が任命されても「なーーーんの関係も無い。」と言うことが分かりました。
(私も以前はブログやHPを更新していましたが、コテンパンな目に遭って、今は止まっています。改めてmasa様の活躍を見て、もう一度夢を持たなきゃ、と感じ始めています。)
お体に気をつけて、これからも頑張ってください!