昨年11月4日に、日本介護支援専門員協会の代表者が、会費未納分の赤字について「国から6.000万円の補助を受けて補填できる見込みである。」と述べていることについて紹介した。そしてこのことに関して僕は「会の独立性」を保てない国のひも付きであると批判的に記事を書いた。

ところで今回、この補助内容が明らかになった。

平成20年度において国から日本介護支援専門員協会に補助金として渡される国費は何と、7.700万円もの大きな金額が計上されている。つまりこの協会は平成20年度は単年度で二千万円の赤字を計上する見込みであったところが、国の補助金収入により逆に六千万円近い黒字になるということだ。なんとも裕福である。

その内訳は下記の通りである。
(※予算科目:高齢者日常生活支援等推進費・老人保健事業推進費等補助金)

1.介護支援専門員職能研修体系及び研修講師養成システム検討事業(三千万円)
2.施設系・居住系施設等におけるケアマネジメント手法及び介護支援専門員のあり方調査研究事業(一千万円)
3.ケアマネジメントにおける多職種連携のための調査研究事業(九百万円)
4.ケアマネジメントの資質の向上に資するためのITの有効活用についての調査調査研究事業〜サービスの質の向上に向けたケアプランと記録データの新たな活用方策の開発と試行〜(一千二百万円)
5.居宅介護支援事業所の適切な運営(あるべき姿)の調査研究事業(八百万円)
6.地域包括支援センター及び居宅介護支援事業所主任介護支援専門員の実態調査及びあり方調査研究事業(八百万円)

以上の合計が七千七百万円である。しかもこの協会の代表者は、少なくとも昨年6月の段階で既に補助金は6.000万円以上という内示を受けていると語っている。これっておかしくないか?

補助金として交付される金であるから、誰からも文句を言われる筋合いもないということなんだろうが、単なる1会員組織に対し、6つもの公的補助事業が集中して委託されている状況を、胡散臭く感じる人間がいても不思議でない。

そもそもこうした補助事業は、すべて公募されて実施主体が公平に選択されているんだろうか?
調査研究事業は本当に必要とされている事業なのだろうか?

日本介護支援専門員協会などという団体は、別にすべての介護支援専門員を代表するような団体ではないぞ。単なる一会員組織にしか過ぎない。

この会がきちんとした見識を持っているならば、国民に向けて、こうした複数の補助事業を実施して7.700万円もの補助を受けることになった選考過程や、補助決定経緯についてガラス張りの情報提供を行うべきである。しかし同会のホームページを見ても、国の補助金について触れた内容は一切見当たらない。

国も、この協会への補助決定過程を明らかにしているような資料を公表していない。何故なのか?ここが不透明なままでは国民が納得しないぞ。一国民として、この経緯をガラス張りにすることを求めたい。

しかもこの補助財源は厚生労働省が財務省の査定を受けないで拠出している費用ではないか?
つまり、これはいわゆる特別会計の中の「埋蔵金」と呼ばれるものと同様の費用ではないか?という意味である。

まさか国費7.700万円もの金を1団体に手渡すのに、その団体の幹部と役人の特別な関係が影響しているなんていうことはないと思うが、様々な財源が厳しいといわれる折に、このことを曖昧、不透明なまま済ませてはいけないだろう。

どちらにしても、こうした補助金を国から受け取って運営しなければならない団体が、毅然として国に必要な意見を言えるはずがない。

利権化した介護サービス情報の公表制度も、この団体は認めているし、あの福祉系サービスだけに限定した馬鹿げた特定事業所集中減算だって、そのまま受け入れている。その理由が、この補助金をみて明らかであるように思える。

そしてこのような多額の費用が、多くの関係者や専門職の支持を受けているわけでもない団体に、その団体が生き残るためだけに国費が補助される状況を不透明にしたまま、財源不足を理由にして消費税を上げるなんていう理屈は通らない。

不透明な過程で補助決定される国費を使ってまでして残す団体ではないだろう。そこまでしてしか生き残れない団体など救う必要はないし、そういうところに補助名目で国費を多額に支出している現状を「無駄遣い」と認識して、これを無くすのが消費税引き上げの絶対条件だろうに。

少なくとも国民の皆さんには、自分の懐から出ている血税が、こういう団体の生き残りのために補助金として年間7.700万円も使われている事実を十分に知っておいてほしい、と思う。

そして地域の一人ひとりが、このことに一市民として抗議していこうではないか。

介護・福祉情報掲示板(表板)

(↓1日1回プチッと押してランクアップにお力添えをお願いします。)
人気blogランキングへ

FC2 Blog Ranking

にほんブログ村 介護ブログ
(↑上のそれぞれのアドレスをクリックすれば、このブログの現在のランキングがわかります。)