世の不景気と急激な雇用情勢の悪化は深刻な問題だ。こういうときほど政治的介入が強く求められるし、その手当にもスピードが必要だと思う。

ところが会期延長された臨時国会に政府は雇用対策などを含めた2次補正予算案を出さず、来年の通常国会に先送りするという。何と言うことだろう。国会の会期を延長して審議事項の政府案を提出しないのでは単なる国費の無駄遣いではないか。

僕は特別な支援政党も持たないし高尚な政治観や理念を持っているわけでもないので、政局に絡むような発言をこの場所ではしたくないが、今の情勢に限っていえば、現政権はあまりにも国民生活を無視した政局の視点しかない内閣だと思う。口では政局より政策と言っているのに2次補正予算案を出さないのは納得できない。

補正予算は2次で足りなければ3次補正案を出したって良いのだから急ぐべきものは切り離して先に予算案を提出すべきだ。雇用対策に関わる予算、特に景気回復と雇用の改善にはタイムラグが生ずるのだから失業保険の緊急的対策は今すぐ必要なはずだ。こうした緊急な問題は党利党略を超えて対応すべきである。

このままでは年明け後に雇用不安は爆発的な広がりを見せ大変なことになる。解雇は非正規職員だけではなく正規職員まで広がっていくだろうし、職を失った人々が再雇用される職そのものがないのだから大問題である。

国家国民があってこその政党ではないか。

ところで派遣労働者などの契約打ち切りによる失業者の増加問題に関連しては、報道番組のコメンテーター等から、職を失った人々の再雇用先として「人手不足」が深刻化している介護現場で雇用すればよいという発言が目立っている。

そうした発言を聞いて「あまり短絡的に介護問題に転嫁するな」とか、「経験も資格も、技術も知識もない人が、他に職がないとい理由だけで介護の職に就いてサービスの質が守れるのか」という意見も聞かれる。

しかし僕はこのことに限って考えれば、介護事業経営者はもっと柔軟に、かつポジティブに考えてよいのではないかと思う。

現実的に介護現場の人手不足は深刻な問題で、その大きな理由として、他の職業に比べて重労働なのに賃金が低いという問題が挙げられ、現行の介護報酬で手当できる職員待遇では民間の営利企業の待遇との差が大きいことが、介護現場の人手不足の最大の要因であったのだから、まず介護報酬を上げて年功に対応できる報酬システムの基盤を作ることとともに、職を失った人々の中から介護サービスの現場にふさわしい人材を見つけ育てる、という視点があって良いと思う。

現在の雇用情勢の悪化では、労働者が職を選べない状況なのだから、その中で収入を得るという動機付けから、それまでそれらの労働者の視野にも入ることがなかった「介護労働」という職場が雇用先として意識される、という意味は介護現場にとってはひとつのチャンスではなかろうかと思う。

さらにいえば、そうした他業種の介護未経験者を雇用すれば12/1にスタートした「介護未経験者確保等助成制度」により最大3人まで年間50万円の助成金も受けられるというメリットもある。

全ての人が自分の向き不向きに気付いて、その能力に一番適した職業に就いているわけではない。

まったく畑違いの他の職業に従事している人の中にも、介護の仕事に向いている人や、そういう仕事に対して「生きがい」を感じる人がいるはずである。

いままで介護と接点がまったくなかった人が、介護サービスの知識や技術が皆無だとしても、そこから始めて将来、立派な専門職として成長することは大いにあり得るのである。こういう情勢下だからこそそういう人々が介護という職業に接点を持つ可能性が生まれるのである。

そういう意味では、介護に見向きもしなかった人々が、少しだけ介護に顔を向ける可能性がある今こそ、その中から有能な人材を介護業界に引っ張ってくる好機ではないか。それらの人々に対し介護サービスの素晴らしさや、人と触れ合う職業だからこそ感じ取ることができる充実感をきちんとアピールして、介護労働者を増やすことが必要だし、その可能性が高まっているともいえるのではないだろうか。

ただ世の景気動向は揺れ動くものだから、ここで介護業界に人の流れがあったとしても、それが一時的なもので、世の景気の回復とともに別業種に人材の再流出があっては意味がない。

だからこそ、介護報酬はきちんと職業として長く関われる人件費を支払うことができるレベルに引き上げなければならないし、経営者にも介護を担う人材に適切な給与を支払う体系を作る意識が求められるだろう。

もともと好景気とは関係なく引き下げられ続けてきた介護報酬により、経営悪化と人材の他業種への流出が進んできているんだから、不況といわれる今だからこそ、将来の社会福祉サービスの基盤が揺らがないように介護報酬を適切にアップして、人材確保を図らねばならない。これは現在の情勢からいえば、社会福祉政策にとどまらない、雇用対策としても有効ではないだろうか。

介護サービスとは社会的地位や現役時代の収入に関係なく全ての人が将来的には必要となる可能性があるんだから、きちんと労働力としての介護従事者の数を確保しておかねば、いくらお金や地位があっても適切な生活支援が提供されない人々が社会全体で増えてしまうのである。社会全体の介護の量的確保が健全でなければ、たくさんお金を払って買うサービスでも品質が高くなるという保障はないのである。

サービス供給量がきちんと確保されているからこそ、一定レベルのサービス提供水準を保つことができて底上げ効果により、お金をかけるサービスに付加価値が加わるということを理解せねばならない。

そういう意味から考えても定額給付金なんか必要ないから介護報酬は今だからこそ、しっかりベースを3%に留まらずに底上げして将来に備えないとならないはずである。それが社会全体のセーフティーネットとなるであろう。

介護サービスを「悔悟サービス」とするような「悔悟報酬」であってはならないのである。

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