僕の施設のショート担当者からの訴えである。
※ちなみに彼女は昨日紹介した成澤氏の「ショートステイケアプランの作り方」を読んだ感想を問うと「けっこう参考になりますね。」と宣ったツワモノである。(大変参考になりましたと言いなさい!!笑。)

ショートのプランは居宅介護支援事業所の担当ケアマネのプランの目標に沿ったものである必要がある。ところがいざ計画を立てようとして担当ケアマネのプラン内容を読んだり、担当者会議で示されたりすると戸惑ってしまうことが多々あるという。

それは当施設におけるショートステイ(短期入所生活介護)における「短期入所サービス計画」の長短期目標は、基本的に利用者の目標として設定するようにしている。ところが大元の居宅介護支援事業所のケアマネが立案するショートの計画目標が「介護者の休養」など、利用者の目標ではなく、介護者の目的と目標になっている計画が多いということである。

これもやはり原則から考えると適切な目標設定とはいえない。

なるほどショート利用することで、介護者が休養をとれ、それによって心身がリフレッシュし、在宅生活における支援を継続できるという意味自体や、その目的自体はよく理解できるし否定しない。

しかし大事なことは、その目的をそのままケアプラン目標として終わらせないで、家族の心身ケアが利用者の居宅生活の継続支援にどう繋がって、利用者にとってどのような効果があるのか、というところまで考えが及ばねばいけないということである。

さらにいえば、実はそれでさえ不十分で、利用者がショートを利用することによって介護者の休養が定期的に可能となり、利用者が継続して居宅で支援を受けることができる、ということにとどまらず、利用者自身に対してショートステイ利用中にどのような支援が必要かという視点から目的や目標を考えなければならないはずだ。

例えばショートを利用することにより利用者が他者と交流できることで心身活性化効果による精神的安定や、コミュニケーション能力の維持、日課の中で機能活用して身体機能を維持して居宅において「できること」を維持向上する効果などに着目すべきだろう。

認知症で帰宅願望がある方なら、利用者の帰宅欲求の原因となるストレスが何かを探って、そのストレスが解消できて安心して暮らせる目標とされることだってあり得るわけである。

当然、そこにはデマンドからニーズへの視点変換が必要になる。

つまり現在立案されているショートステイに関する居宅のプランも、ショート事業者のプランも、どちらも単にショートステイというサービスを利用する滞在目標しか視野に入れていない計画が実に多いという意味である。

ショートスティと言ったって、そこに「黙って滞在しておればよい」サービスではない。そこで滞在中にどのようなサービスが行われるのかを目的と結び付けて考えてほしい。ショートステイを利用して滞在するのが目的ではなく、ショート利用期間中にその事業所内でどのようなサービスが受けることができて、それが居宅生活にどのように影響するのかを、個別のサービスごとに考えるべきである。

特にショートステイ事業者のケアプラン(短期入所サービス計画)とは、サービススケジュールの調整プランではなく、個別援助計画でなければならないものであり、食事・移動・入浴の3大介護にとどまらない様々な支援方法を組み合わせて生活援助に繋げるわけであり、それが単に滞在目的で、そこに「一定期間滞在して事故なく過ごせれば良い」ということで終わってはいけない。

滞在してできる支援を、課題に対する目標から考えるのだから、休養が介護者に与える効果を考える以前に、利用者がショートステイを利用して受けることができるサービス内容の効果を、利用者のQOL向上と結びつけて考えるべきである。

そのためにはショート事業所でどのようなサービスが実施できるかという「個別処遇の方法」もサービス担当者会議で話し合わせるべきだし、ショート担当者はより積極的に、ショート事業所でできることをアピールするべきだ。そして居宅介護支援事業所の担当ケアマネジャーは、各事業者毎のサービスを特徴を知るべきである。それは余計な仕事ではなくケアマネジメントの範疇だろう。

家族の目的が休養であっても利用者の目標や利用目的をそれに合わせる必要はないのである。もっとショートステイというサービスの積極的な機能を、利用者ニーズに結びつける視点が必要である。

単に家族の目標で終わってしまえば、それは家族のプランという意味でしかなく、それは利用者の意思を無視した介護計画であるという批判に反証できないことになる。

利用者の目標とそのサービスを合致させることにより、利用者を含めたコンセンサスが始めて形成されることになるし、利用者とっても必要な計画であるという論証も始めて可能になるものである点を居宅介護支援事業所の介護支援専門員も、ショート事業所の計画担当者も考える必要があるだろう。

ショートスティの目標はショートステイに滞在する目標ではなく、滞在して受けるサービスの目標として考えないと、それは永遠に家族のためだけのサービスで終わり、利用者にとって望まないサービスであるという論理に結びついてしまう。

いつまでもショートステイの利用目的が「家族の休養」であってはお寒い。

もっとショートステイの積極的側面から利用者の居宅におけるあらたな支援方法の発見を意図したものであったり、機能活用維持や心身活性化効果を期待する利用目的があってよい。これは居宅介護支援事業者、短期入所事業者、両者の求められる視点だろうと思う。

そうなったとき始めて、このサービスは「利用者自身の支援」となり得るであろう。

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