介護保険制度における各種サービスは、緊急利用を除いて計画利用が原則である。

居宅介護サービスの場合は、担当介護支援専門員がケアマネジメントの結果として立案する居宅介護計画または利用者自身でつくるセルフプランとしての居宅介護計画がないとサービスが現物給付化されず償還払い利用になってしまうという意味もある。

この計画は主にサービススケジュールを中心にしたもので、各種サービス(通所サービスや訪問サービス等)の計画はそれぞれのサービス事業所が別に作る必要がある。これは各事業者のサービス計画により具体的なサービス内容を示して利用者の利用同意を得るために必要な契約条件でもある。

これらの計画の内容も含めて、サービスの視点を総合的に話し合う場が、介護支援専門員が中心になって開催されるサービス担当者会議である。

一方、施設サービスの場合は施設所属の介護支援専門員が施設サービス計画を立案して、その原案の同意を得たうえで、サービス計画書を利用者に交付してサービス提供しなければならない。

この計画は、居宅介護計画のようなサービススケジュールというよりは、各介護サービス事業所が作るサービス計画に近い内容で、施設サービスという単品サービスにおける具体的サービス内容を示したもので、施設独自のサービス内容やルーチンワークにマッチした内容となり、そのなかで施設の各職種がどのような役割を担うかを含めて示されるものである。

よって、この計画は施設の介護支援専門員が単独で作るのではなく、介護支援専門員が中心的役割を担って作るという意味で、計画作成は施設全体の多職種協働作業で作り上げるものである。

それゆえアセスメントの一部を担当介護職員や看護職員などが替わって行うことはまったく問題ない。ただし基準省令では介護支援専門員が利用者等に面接してアセスメントを行うことが規定されているので、介護支援専門員の介入がまったくないアセスメントは不適切となる。前者と後者の違いをしっかり理解しておかねばならない。
(参照・省令39号:計画担当介護支援専門員は、前項に規定する解決すべき課題の把握(以下「アセスメント」という。)に当たっては、入所者及びその家族に面接して行わなければならない。この場合において、計画担当介護支援専門員は、面接の趣旨を入所者及びその家族に対して十分に説明し、理解を得なければならない。)

つまり施設介護支援専門員がまったく介入せず、他職種に丸投げして、記録上だけ作成者となっているとしたら問題で不適切指導の対象となるが、計画作成のすべての過程を施設介護支援専門員がすべて一人で行わねばならないという意味ではないのである。

ところで最終的に施設サービス計画の原案を決定する場は、居宅サービスの「サービス担当者会議」にあたる「ケアカンファレンス」である。これも施設ケアマネが中心となって行うものであるが、一人のカンファレンスにかける時間が大いに問題になる。

例えば、僕の施設でいえば100人の利用者がいるわけであり、定時見直しを基本的に半年ごととすると、最低でも年間延べ200ケースのケアカンファレンスが必要になってくる。しかし実際には定期見直しだけではなく、状態変化の見直しもあるし、年平均10名以上の利用者の入れ替わり、新規入所等があるわけだから、年間延べ計画数は240ケースをくだらない。

これを単純に月平均に慣らすと毎月20ケース程度のカンファレンスを行わねばならないということになる。しかもショートの計画を除いての話である。

すると1ケースのカンファレンスに1時間かけるとすれば、毎月20時間がカンファレンスに必要な時間ということになる。カンファレンスは、ケアマネ始め、担当ケアワーカー、看護職員、栄養士、ソーシャルワーカー等が参加するが、これらの職員が業務中に毎月20時間以上もカンファレンスだけで従業時間を費やすとすれば、即ち、その意味は毎月20時間以上、業務中にサービス現場から離れて「話し合い」で時間を費やしているという意味だ。

カンファレンスの重要性はあるとしても、利用者に直接係る時間がこれだけ削られるのは人手のよっぽどあまっている職場でない限りサービスの支障である。

介護サービスというのは現場で利用者と接することが一番必要で、求められているサービスであるはずなのに、計画作成のカンファレンスの為だけに多大な時間を使って、利用者と触れ合ったり、利用者に直接提供するサービスにかける時間が減ってしまうのは本末転倒どころの騒ぎではなく、根本的に何かが狂っている状態と思う。

よって僕はカンファレンスの時間短縮はサービスの質の向上に欠かせないものと思っており、そのためにカンファレンス前の事前情報の準備と、ケアマネのカンファレンス進行によって無駄を省くことが重要と考えており、時間をかけて話し合うことが「計画の質」ではないと思っている。

また介護の中で、計画目標や具体的サービスの1言1句を話し合うこともナンセンスと否定している。重要な視点を話し合って、それを最終的に計画書に落とす言葉にするのは介護支援専門員のカンファレンス終了後の事後作業であるとしている。そうすることでカンファレンスにかける時間をできるだけ短縮して、介護職員等がサービスの現場から離れる時間をなるべく少なくしようとしている。

それだけに計画担当介護支援専門員の事前準備と事後処理は負担がかかるが、それ以外に、記録の為の記録から抜け出す方法はないし、計画のためにサービスが低下するということを防ぐ方法が見出せないのである。

逆に介護保険施設の施設長の中にはケアカンファレンスに時間を十分かけていることを自慢げに語る人がいるが、現場の現実とプランというものをわかっていない人の「たわごと」だと思っている。

計画とカンファレンスの重要性を、国や指導担当者は簡単に言うが、ケアプランの一連の作成過程をきちんと考えたとき、どれだけ現場から職員が離れなければならないかを考えてほしいと思う。

計画が大切なのか、サービスが大切なのか。どちらも大切という声があるだろうが、現実に1日は24時間しかなく、労働基準時間は1日8時間・週40時間しかないのである。

時間や人のエネルギーが無限であることを前提にしたような、おかしなルールが多すぎると思う。

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