緑風園の利用者の方が、夕食をたまには外で食べたいという場合、職員がボランティアとして付き添って外出している経緯については、かつて「居酒屋へ。」という記事に書いて紹介している。
このように日常的に地域の様々な場所に出かける機会は、制度がいくら変わろうとも続けられている。ただ、当施設はケア単位を大きく4つのグループに分けているが、利用者の属性も様々に異なるし、こうした外出の頻度もグループによって大きく差がある。
先日、僕が付き添った「焼き鳥」を食べに出かけたグループは、これまで比較的、そういう機会が少なかったグループである。きっかけになったのは94歳のMさんが何気ない会話の中で「俺は100までは生きたいと思わないが、今のうちに1回だけ居酒屋に行って飲んで見たい。」と話されたからである。
医療機関の外来受診以外は、あまり外出すること自体好まない方の希望であるから、これを是非実現しようということになって、グループ内で他に希望を募ったところ87歳のMさんと、79歳のHさんが同行されることになった。
この地域で居酒屋メニューとして全国的に有名なのは「室蘭やきとり」である。全国に宅配でそれを届けている焼き鳥のチェーン店がすぐ近くにある。今回はそこに出かけることにした。
ところで当日の緑風園の夕食メニューは、土用の丑の日ということで「うな丼」である。これも捨てがたいところであったろうか。(ちなみに僕はうなぎが食べられない。)
僕はその日、たまたまグループホームの外部調査で有給休暇をもらっていたが、お誘いを受けたので、調査を終えた後、焼き鳥屋さんへ直行、合流した。僕の役目は付き添いでもなんでもなく、ただ一緒に飲み食いすること、それと唯一カメラマンの役割のみである。
当日の失敗談がある。94歳のMさん、せっかく張り切って出かけてきたのはよいが、付き添いの職員がなんと「入れ歯」を忘れてしまった。これでは焼き鳥どころか、何も食べられない。あわてて施設に電話を入れて、日勤を終えた職員に持ってきてもらった。
それやこれやあったが、Mさんはビールを飲まれ、焼き鳥はあまり食べなかったが、刺身の盛り合わせに舌鼓をうって、たいそう満足された。
お店の方も慣れたもので、車椅子の入店の介助や、椅子に移動した後の置き場所の確保、トイレに行きやすい場所の確保など、何も言わなくても準備ができている。
地域のバリアフリーなど、特別なことをしなくても、地域の中に様々な人が暮らし、そこで生活する中で作られていくものだと思った。
施設で生活する人々が、地域の一員であり続ける限り、バリアフリーは住民の意識の中でごく自然に作り上げられていくものであり、こちら側からことさら要求せずとも、ごく自然に少しづつであっても不便のバリアが解消されていくという社会が正常な社会である。
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先日、僕が付き添った「焼き鳥」を食べに出かけたグループは、これまで比較的、そういう機会が少なかったグループである。きっかけになったのは94歳のMさんが何気ない会話の中で「俺は100までは生きたいと思わないが、今のうちに1回だけ居酒屋に行って飲んで見たい。」と話されたからである。
医療機関の外来受診以外は、あまり外出すること自体好まない方の希望であるから、これを是非実現しようということになって、グループ内で他に希望を募ったところ87歳のMさんと、79歳のHさんが同行されることになった。
この地域で居酒屋メニューとして全国的に有名なのは「室蘭やきとり」である。全国に宅配でそれを届けている焼き鳥のチェーン店がすぐ近くにある。今回はそこに出かけることにした。
ところで当日の緑風園の夕食メニューは、土用の丑の日ということで「うな丼」である。これも捨てがたいところであったろうか。(ちなみに僕はうなぎが食べられない。)
僕はその日、たまたまグループホームの外部調査で有給休暇をもらっていたが、お誘いを受けたので、調査を終えた後、焼き鳥屋さんへ直行、合流した。僕の役目は付き添いでもなんでもなく、ただ一緒に飲み食いすること、それと唯一カメラマンの役割のみである。
当日の失敗談がある。94歳のMさん、せっかく張り切って出かけてきたのはよいが、付き添いの職員がなんと「入れ歯」を忘れてしまった。これでは焼き鳥どころか、何も食べられない。あわてて施設に電話を入れて、日勤を終えた職員に持ってきてもらった。
それやこれやあったが、Mさんはビールを飲まれ、焼き鳥はあまり食べなかったが、刺身の盛り合わせに舌鼓をうって、たいそう満足された。
お店の方も慣れたもので、車椅子の入店の介助や、椅子に移動した後の置き場所の確保、トイレに行きやすい場所の確保など、何も言わなくても準備ができている。
地域のバリアフリーなど、特別なことをしなくても、地域の中に様々な人が暮らし、そこで生活する中で作られていくものだと思った。
施設で生活する人々が、地域の一員であり続ける限り、バリアフリーは住民の意識の中でごく自然に作り上げられていくものであり、こちら側からことさら要求せずとも、ごく自然に少しづつであっても不便のバリアが解消されていくという社会が正常な社会である。
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