
旨い酒には理由(わけ)がある。
土曜特集の「日本酒道」も今日で7回目になる。ラッキーセブンで、しかも今日紹介する酒が「開運」である。よって、このブログを読んでくださる皆さんにはきっと「運がつく」こと間違いないだろう。
さて正月などのめでたい席にふさわしそうな名がついた商品は、得てして中身が伴わないことも多いが、この酒はそうではない。静岡を代表し、全国的にも評価が高い酒である。その実力は平成19年の全国新酒鑑評会にて五年連続で金賞を受賞していることでもわかるが、なにより能登杜氏品評会で最優秀賞を受賞していることで証明されている。
静岡の吟醸酒を全国に知らしめた「土井酒造場」。この蔵はコンピュ−ター制御精米機、フォークリフトで作業ができるほどの大型冷蔵貯蔵庫、酵母の自家培養設備等、高品質のお酒を造るための設備投資をいち早く進めている。
しかし設備を近代化して質の悪い酒を大量生産する大手メーカーとの違いは、いくら設備を近代化しても酒は杜氏を中心にした「手造り」であることを忘れていないことである。設備は近代化しても「造り」の伝統はしっかり守っているという蔵である。よって最新設備であるのに実際の生産量は2000石強であるから、人気の「純米吟醸酒」も売り切れで手に入りにくい酒である。
しかもここに一人の名人がいる。「能登杜氏四天王」のひとり波瀬正吉がその人である。
造りは「山田錦」の中でも最も高価な「兵庫産特A地区山田錦」をふんだんに使っている。さらに恵まれているのは、ここに「良水」が湧き出ているということである。その仕込水は、戦国時代に徳川氏と武田氏との間で壮絶な攻防戦が繰り広げられ、国の史跡にも指定されている高天神城跡から湧き出る軟水である。ここの湧き水は醗酵が良く、水を加工する必要もなく濾過しなくともそのまま使える天然水。地元の人に「長命水」とも呼ばれているそうで、まさに天の恵みである。
「良い酒造りには良き水あり」である。
純米吟醸酒は芳醇な香りが見事といわんばかりに立ちあがり、ふくよかな米の旨味が口中に広がる。スマートなフルーティな香りもある。バランスが良い。15度前後のやや冷え程度が飲み頃温度である。山田錦50%精米。
これで1.8リットル、3.570円は安すぎる。超お値打ちである。
合わせる肴は、地元では鮎の塩焼き、川えびのから揚げ、新鮮な海の幸のお造りなどがお勧めとされている。今すぐ飲みたくなる「旨い酒」である。
ちなみに僕は今年の正月は「開運」を飲みながら過ごした。元旦は出番であったので、2日と3日は「箱根駅伝」の号砲とともに栓を開け、レースを見ながら飲んでいた。合わせる肴は地元・噴火湾産の肉厚帆立と北海ボタン蝦の造り。
美酒は2日間のレースの中で淡雪の如く消え去ったのである・・。少し足りなかったかな。

なおより特別な日には、杜氏の名を冠した大吟醸酒「開運・大吟醸・波瀬正吉」でちょっとした贅沢はどうだろう。華やかな香り、クリスタルのような洗練された透明感のある味わいはすばらしいの一言である。山田錦35%精米。
1.8リットル、10.500円という高級品ではあるが、それだけの価値はあるだろう。
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