我々介護サービス事業者は、常に指導官庁の監督を受け、実地指導だけではなく、サービス自己評価や介護サービス情報の公表制度などでも細かな書類の整備をはじめとした指導点検を受けている。

しかもコムスン事件以降は、不正運営を行っているわけではないのにルールの解釈を巡っては、都道府県や市町村の担当者による法令を極端に狭く解釈したわけのわからない指導を受けている事業者が続出している。まったく勝手なものである。

これでは事業者がコンプライアンスの意識を高める以前に権力にひれ伏すがごとく対応する意識となり指導の際の書式さえ整えればよいということで不適切サービスは闇の中に深く潜りこむ結果となるだろう。さらに利用者のサービスの向上より書類上の体裁を整えることに意識がむき、必要なサービスさえも制限してしまう給付抑制の意識だけが現場で醸成されてしまうであろう。

同時にそれは指導担当者の法令にない解釈に対して反論できない現場職員の知識のなさも問題という現状を表すものだ。少なくとも介護保険制度や現場のサービスの専門家は指導担当者ではなく我々である。

特に利用者に必要な介護サービスの解釈、ケアマネジメントから導き出される結果の論証については、指導担当者より我々の専門分野であるはずだ。実地指導は対立の場ではなく、行政の専門的意見を聞くことができる良い機会であると同時に、現場の専門家が指導担当者であるところの行政職員と意見交換、ときには直接的議論ができる良い機会であるのだから、きちんと言うべき意見は出した方が良い。

指導担当者に恐縮しているポーズを見せる場が実地指導ではないのである。

昨年から重視されている「集団指導」だとてこれは同様である。一方的に行政側の価値観を押し付けられて疑問に感じたことを質問もできず、ネット掲示板で愚痴を述べ意見を求めるだけの結果に終わらずに質疑応答の場では質問だけでなく疑問のある指導内容への意見もどんどん投げかけるべきである。

心強い点は、集団指導においては圧倒的に事業者が多いということだ。理不尽な指導に対しての疑問については必ず賛同者が多いということを信じて意見を挙げる勇気を持ってほしい。

同時に集団指導で多数の事業者の前で「指導」する担当者の発言は重たいもので、あとで「間違ってました」ではすまないことなので、きちんと発言には責任を持ってもらいたい。そして法令解釈を勝手に狭く解釈して指導して利用者に不利益が生ずるような場合は、きちんと責任をとってもらうように事業者側も何らかのアクションを起こす必要があるだろう。

介護サービス従事者は、この点いかにもおとなしすぎる。毅然とした対応も時には必要である。

それにしても適正給付のお目付け役である厚生労働省そのものは、毎年会計検査院から一番指導事項が多い省であるそうな・・・。そこから指導される都道府県、そして都道府県からさらに指導を受ける市町村の指導担当者が法令を極端に狭く解釈しすぎるのは、一番上に立つ神輿のよどみが歪んだ形で影響しているのか、単なる馬鹿なのか・・。

指導者が襟を正すことをしないで行われる指導に何の説得力もない。介護サービス計画の作成過程の過誤や書式の不備など、あの消えた年金問題と比べたらどれほど問題なのだろう。

コンプライアンスが重要だと指導する人々の自身が所属する省内で行われている無駄な税金の浪費・・。

そういえば国土交通省の役人の介護保険料(労使折半分の役所負担分)もなんと道路特定財源から支払われていたそうである。我々がガソリンに上乗せして支払っている税金が役人の介護保険料に化けている。これって許される問題なのか?その保険料の支払いで将来彼らは我々の提供する介護サービスを何のためらいもなく受ける権利を持つ。ひどい国である。

そういう国で我々は少ない収入の中から税金を支払っているのである。

宮崎の東国原知事などは道路特定財源がなくなれば地方の財源が困窮すると盛んにその復活を求めているが、それも正しい税金の使われ方があっての話であろう。カラオケセット、マッサージチェア、野球グラブ、アロマ器具など、道路行政とは関係ない支出に化けるお金を何故国民が負担せねばならないのかをまずはっきりさせなさい。

いっそのこと会計検査を民間委託して、民間の介護事業者をはじめとした職場から検査員を出し、国の監査を徹底的に行ってはどうだろうか。不適切な税金の浪費をすべて返納させ、それを社会保障費に回せば毎年2.200億円の社会保障費削減も消費税のアップも必要ではなくなるかもしれない。

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