非常に画期的なことだと思う。

本年4月からの診療報酬改定で退院支援の加算要件に社会福祉士の配置が位置づけられたことである。

入院期間の短縮の為の退院支援が診療報酬上の加算として新設されたが、このうち精神医療では1年以上の長期入院患者の退院計画を策定することを評価し、この部分に精神保健福祉士を含めた複数職員の配置が盛り込まれている。

しかしそれにも増して画期的なのは後期高齢者医療に関して「退院調整加算」が新設されたが、この加算算定要件には「業務経験を持つ専従の看護師または社会福祉士を1名以上配置すること」が必要条件とされた。

この「退院調整加算」は後期高齢者医療だけではなく療養病棟入院基本料・結核病棟入院基本料・障害者施設等入院基本料を算定する病床の入院患者も加算算定対象となるので、その範囲は狭くない。

名称独占の資格で業務独占ではないことで、介護支援専門員の募集はあるが、社会福祉士の募集はない、といわれる状況が長く指摘されていたし、社会福祉士会会員の中にも、資格取得の困難さに比して社会的認知度や雇用ニーズが高くないことを嘆く声も聞かれ、業務独占化を目指す動きも見られていた。

それが18年の介護保険制度改正の際に地域包括支援センターでの社会福祉士配置義務がなされ、今回診療報酬上の加算評価の中でも配置の位置づけられたことは、社会福祉士という資格が必要とされる領域が確実に広がっており社会的認知度を上げるものだろうと期待できる。

しかしこれはまだスタートに過ぎない。

問題は「資格は仕事をしてくれない」ということである。有資格者として専門分野でいかにその知識と技術を発揮し、支援ネットワークを構築し、機能展開できるかが問われてくるだろう。

単に看護師不足を補う別の有資格者としてではなく、社会福祉士そのものへの期待にこたえる活動が求められていくのである。

ところでこのことに関連しては日本精神保健福祉士協会会長が「精神科入院患者の退院支援に精神保健福祉士が位置づけられた点は評価したいが、後期高齢者の退院調整加算に精神保健福祉士が入らなかったのは大変残念だ」とコメントしている。

確かに精神保健福祉士がその加算配置に位置づけされないことは疑問であるが、そもそも精神医療が精神保健福祉士、後期高齢者医療は社会福祉士という区分自体が必要であるのか大いに疑問である。

マクロのくくりでは相談援助の専門資格、ソーシャルケースワーカーの専門国家資格であるのだから両者を統合した資格というものも考えられて良い時期に来ているのではないだろうかと個人的には考えている。福祉系の専門資格と医療系の専門資格をソーシャルケースワークの分野で分けるような必要はあるまい。

今回診療報酬上の加算の位置づけに社会福祉士及び精神保健福祉士が位置づけられたことをきっかけに、果たして両福祉士が別個の国家資格となっている現状が良いのか再考する必要があるのではないか。

区分する必要性は極めて薄くなってきつつあると思える。

介護・福祉情報掲示板(表板)

(↓ランキング登録しています。クリックして投票にご協力をお願いします。)
人気blogランキングへ

にほんブログ村 介護ブログ

FC2 Blog Ranking