今日は僕の管理するデイサービスセンターで先日指摘した事柄を例にとって考えてみたいことがある。デイの職員は、ここをみていると思うが、あくまでわかりやすい例として、当事業所で「あったこと」、それも全体のごく小さな一場面を取り上げて書くだけで、そのことで不適切なことをしているという意味ではないのでお許しいただきたい。

僕が管理するデイサービス事業所にはベッドを置いていない。

静養スペースはきちんと壁で区分できるのであるが、空間を有効に使うために、それらの仕切りはすべてスライディングドアという可動式の壁にしており、普段は全てオープンにして広く使っている。

そのためその空間にベッドをおくと、食事の際にも、運動の際にも視界にベッドが入り、リビング的な「しつらえ」としては、どうも違和感を感ずるからである。そのためベッドが必要になった人用に、ソファベッドを2つ置いている。普段はソファとして使っているから、これで雰囲気が壊れることはないと思う。

外から通ってくる利用者さんをお迎えするスペースだから、それくらいの気の使い方はあって良いだろう。

そのソファベッドが一つ、数日間おかしなカバーがかけられ「使用禁止」という紙が貼られている。

僕はこういう状態を結構気にする。なぜなら生活空間に普段そんな張り紙はあり得ないし、家のリビングの真ん中に使用禁止と張り紙のあるソファなど置いておくわけがないという「普通の感覚」を職員は持つべきだと思うからである。

だからすぐ違和感に気付いて撤去されるだろうと思って放っておいた。何でも施設長から指摘されるまで気付かないでは困るからである。誰かが違和感に気付いてほしいと思った。

残念ながら週をまたいでもそのことの報告も何もなかったので、口を出すことにした。

ソファが壊れているなら、早急に修理や買い替えが必要だし、使用禁止の紙を貼ったまま、いつまでも利用者がくつろぐ場所に放置されているのはおかしいのである。

まず理由を聞いた。詳しい理由は忘れたが、要は、トイレ介助の際になどにソファベッドがある位置がちょうどよくて、その一つを必ず使わなければならない人がいるので、もう一つのソファを誰かが使ってしまうと、そこを使えない人が、介助の際に座る必要のあるソファに座ってしまい本当に座る必要のあるひとが使えなくなる恐れがあるからだという。

このように書いてもよくわからないだろうし意味が少し違っているかもしれない。要するにつまるところは、今どうしても必要な対策ではなく、もしものために、事前に対策を講じて、不都合が起きないようにする為に、転ばぬ先の杖として、ソファをひとつ常に空いている状態にする為の使用禁止である。

こんなことが本当に必要なんだろうか?本当にその場所が必要になったら、そのとき座っている方に事情を説明して移動してもらえばよいだけの話であると思った。

どちらにしても、公園のペンキ塗りたてのベンチのように、使用禁止の張り紙を常時貼っておくほどの問題ではない。ここまでくると、転ばぬ先の杖が、「世間の常識が介護現場の非常識」という看板に変わってしまう。

デイサービスは、外から通う利用者が、日中過ごすリビングであり食堂であり、生活場所であるという意識が必要だと思う。お客様をおもてなしする、それなりの「しつらえ」の意識が必要だし、それは自分達の職場、業務の場所であることとは対極のものである場合があるという意識が必要だろうと思う。

自分が半日くつろいで過ごせる空間に必要なもの、必要でないものを、ごく常識的な感覚で考えることが大事ではないだろうか。

ただこういうことは自然と身につくものではなく、意識して勉強しながら身に着けないと養われない感覚かもしれない。むしろ介護の常識で考えてしまえば、不自然な感覚になってしまうことが現場には多々ある。

そういう意味で、今回の状況が作り出されたのは個人の責任ではなく、管理者も含めた事業所全体の意識の問題であろうし、ここで学んで何かが変わることのほうが重要であり、良い体験であったろうと思う。

付け加えると、偉そうなことをいっても、他の場面では、管理者が気付かず、職員の方が「わかっている」ことのほうが多いのである。そこはブログに書かないだけの話で、どちらが現場サービスにあたって優れているかといえば、間違いなく現時点では、管理者ではなく、現行職員である。
介護・福祉情報掲示板(表板)

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