このところ認知症に関する講演を数多く行っており「看取り介護」についてお話しする機会が少なかった。

しかし明日、兵庫県篠山市の「地域包括ケア研究大会」の中で「看取り介護の視点」という基調講演を行うのに加え、11/29には日本サイコロジー学会でこのテーマでシンポジストとして報告したり、12/8には仙台市で行われるセミナーでも同様のテーマでお話をすることになっており、先週、それらに必要な講演ファイルをあらたにパワーポイントで作りなおした。

ただし僕の施設が看取り介護に先進的に取り組んでいると思っている人がいたら、それは間違いである。もちろん利用者にとって最も望まれるサービスを提供したいと思いながら、工夫を重ねているが、もっと良いケアを行っている施設もたくさんあると思う。

ただホームページ等を通じて、日々の取り組みの中で考えていることを随時公開しているという意味にしか過ぎず、必ずしもそのことと「先進的な看取り介護」はイコールではないということを自戒しながら質の向上に取り組む必要を感じている。試行錯誤を重ねることも多い。

看取り介護については様々なポイントがあり、昨年自ら「看取り介護指針」を作成しホームページで公開以来、様々な角度からこの問題を検証してきたが、基本となる考え方は同じでも、その時々で「思い」は違ったものになっている。

いま我が施設で看取り介護を行うときに最初に考えることは、看取り介護という時期に、利用者自身がいかに「寂しさ」を感じることなく、その時期を安楽に過ごすことができるか、そしてその部分に、いかに家族が参加して寄り添えるか、ということであり、家族が看取りの時期に、家族としての役割で参加できるのが施設における「看取り介護」の特徴ではないかと考えている。

看取り介護加算を算定できる条件の一つに「看取り介護が行える個室」を備えていることがある。

しかし、これは必ずしも個室で行う看取り介護ではないと加算算定ができない、という意味ではなく、選択肢として個室がある、という意味である。(参照:介護老人福祉施設及び地域密着型サービスに関するQ&A;本人や家族の希望により多床室での看取り介護を行った場合には、看取り介護加算の算定は可能であるが、多床室を望むのか、個室を望むのかは時期によって変わってくることもあるので、適宜本人や家族の意思を確認する必要がある。)

当然、多床室での看取りは、同室者の理解を得ないと、他者の精神的ショックも考えられ、慎重に行われるべきだが、長年、住み慣れた部屋で、親しい人々に見送られる最期があっても良いし、それが適した状況の対象者もおられる。この部分は個々のケースで慎重かつ、それぞれの事情と環境を充分考慮して判断されるべきである。

一方、個室で看取り介護を行う最大のメリットは、利用者と家族という他人が介在しない空間が常時用意され、気兼ねのない空間と時間が保障されるということではないだろうか。

しかし逆に考えれば、この最大のメリットも、周囲の理解がないと、単に「死に行くための寂しき場所」になってしまう。個室を孤独死の空間にしてはいけない。夜間、ドアが閉められたあと、暗い寂しい場所で、一人寂しく死を迎え、呼吸が止まって数時間後、それに気付く、という状況はあまりに哀しいと思う。

だから僕は看取り介護の時期に家族が施設に泊まることは積極的に勧めるべきと思うし、施設職員に気兼ねして宿泊を申し出られない状況だけは作ってはならないと思う。

僕が作った看取り介護指針の中に記してある家族のメンタルケアについても、講演では宿泊する家族の精神的ストレスにも配慮して、食事や入浴なども宿泊する家族がきちんとできるような支援も「看取り介護」の支援の一部であるという意味の話をしている。医療機関で迎える際の死の場面より、介護施設で死を迎える際に家族が持てる役割は多いし、そういう時期をともに過ごすことも意味があろうと思う。

もちろんそれぞれの事情により、家族がついておれない方も居られるし、宿泊を強要するという意味ではない。家族が最後の瞬間にそこに居られる状況であることがベストであることの意味を伝えるだけであり、家族がともに居れない場合は施設職員や他の利用者も家族の替わりに訪室を多くして、寂しい思いにきちんとケアできる体制作りが必要だろうと思っている。

最後の瞬間に「寂しい、誰か来て」という思いだけは抱かせない介護が必要だと思う。

さて、明日兵庫県篠山市の「地域包括ケア研究大会」において「看取り介護の視点」という講演(過去同じテーマで話していた内容に今の状況を含めて手を加えている)を行うために朝5時半頃のバスで千歳に向かう。篠山市には昼頃到着予定で講演開始時間は午後2時10分である。

その日は懇親会にも参加して、表の掲示板で文字だけの交流をしている幾人かの方々とお逢いする予定で、明後日日曜の午前中には兵庫を発ち、北海道に戻ってくる予定である。

お逢いできる皆様、よろしくお願いします。ブログや表の掲示板をみている方がいたら気軽に声をかけてください。そのため土日のブログは更新できませんので、ご了承ください。

ああっと、書き忘れたことがある。一言書き添えておきたいのであるが・・・・「ファイターズ万歳〜シンジテマシタ〜!!」・・・日本シリーズも「ジンジテマス〜!!」

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