16日夜、登別市で最初の認知症サポーター養成講座が、160名を超える市民の参加を得て開催された。

僕はキャラバンメイトとして前半の講座を担当して、皆さんの前でお話をさせていただいた。事前に参加者が150人を超えると知らされていたので、大画面で説明した方が分かりやすいのではないかという提案を受け、14日の日曜の夜に急遽「標準教材」の内容について僕の担当部分のパワーポイントファイルを作成した。

本来なら文字より図解の方が分かりやすいかなと思ったが、ケアマネの更新研修の真っ最中、宿泊しているホテルで1晩で仕上げたものなので、文字が中心のファイルが出来上がった。ただ、気をつけたことは標準教材の内容をできるだけ網羅しつつ、もっと一般市民の方に分かりやすい内容や言葉であることに配慮しようと思って仕上げた。

地域の中に専門家を増やすという意味より、地域の中で一般住民の方々に広く認知症のことを知っていただき、理解していただくことで、地域の中での認知症支援のネットワーク作りの基礎ができることが目的だから、サポーター養成講座が、そうした意味で興味を持たれるものでなければならないし、そのためにも内容が分かりやすいものでなければならないと思うからである。

サポーター養成講座は1回きりではなく、これから継続的に何度も開催され、そこにたくさんの市民参加を得て、地域で認知症の基礎知識を持った人が増えることで、地域の中で認知症による「不自由」を抱えている人々を支援できる地域社会が作られていく可能性が生まれるのであり、1回目の講座が「面白くもなんともなかった」「難しすぎてわけが分からない」ということであっては次回からの参加者が集まらないということにもなりかねないとプレッシャーを多少感じながらお話させていただいた。

結果はどうか分からないが、一部の受講者の方々からは「わかりやすくてよかったよ」という声をかけていただいたのでほっとしている。少なくとも専門家ではない一般市民の方々が「なるほど認知症とはこういう病気なのか。」という意味の理解のきっかけにはなったのではないかと思う。

個人的には後半部分を担当してくれた地域包括支援センターの方のお話も非常に分かりやすくて、僕の気付いていない部分のお話もあり、興味深く聞かせていただき、ためになった。僕にとっても貴重な機会であった。

サポーター養成のキャラバンメイトは市内でも増えてきているので、養成講座はこれから様々な方が担当することになろうが、たくさんの市民の皆様に今後も参加していただき、認知症の理解が地域の中で広がっていってほしいと思う。

ところでこの養成講座開催を企画した段階では、これを後援する会の会員の一部からサポーターの役割についての疑問が出された。

サポーターになったからといって特別な義務はなく、特別な役割もないことは意味がないのではないかという疑問である。せっかく講座を開いてサポーターを養成するのであれば、それらの方々を社会資源として活用する方法があって良い、という意見である。

しかしサポーターの意味はそうではないと思う。

結果的に認知症を理解して何かの活動に繋がってくれることは大変重要ではあるけれど、それ以前に認知症という病気や症状を理解して、地域の中で認知症の方々や家族に対して暖かな視線を向けることそのものに意味があり、そのことが地域を変えるものであるということの方が重要である。

サポーターは何か義務や役割を負う存在にするより、地域の中でまさに多角度から認知症の方々とその家族を支える応援者の意味である。実際の活動参加でサポーターとしての存在価値を求める前に、具体的な活動は特に行っていないけれど、認知症というものにある程度理解ができて、それらの方に対し暖かな眼差しをむけることができる人が一人でも多くいる、という地域社会を作ることのほうが求められる方向であろう。

もちろんその中からは、結果的にもっと具体的な活動に繋げていく人々が現われるであろう。しかしそうした活動をする人と、しない人に、意味や価値の差があるわけではない、という認識も重要である。

認知症サポーターの間口は、より低く、より広く、という視点が一番大事であろう。

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