研修も最終日になったが2日間机に座り放しで受講していると、さすがに疲れる。演習という名のグループワークも行われているが、結局、小グループ内での情報交換という域を得ず、情報や知識のある側からの小レクチャーになってしまう部分もあって、気分転換にはなっても、あまり得るものは無いように思うのは僕だけだろうか。

今日は午後7時まで最終日の研修が行われる。午後からは面接技術についてロールプレーを中心に行われるということであるが、学生や新任者なら意味はあるだろうが、実務を積み重ねたソーシャルワーカーが今、ロールプレーを行って面接技術が上がるのだろうか、大いに疑問である。

ケアマネジメントリーダー研修でも、同じようなプログラムが行われていたが、単なるセレモニーと化し、あれで面接技術を身につけたり、引きあがった人を僕は知らない。

研修内容は経験年数や属性からもっと精査されるべきで、講義中心は古いから、グループワークやロールプレーを入れてさえおけば、中身があると考えるほうが固定化した考えである。

さて昨日の演習で取り上げられた事例で、少し面白い気付き(僕が勝手に別な方向から考えた問題であるが)があったので、そのことを取り上げてみたい。短いので、まず事例内容を転記する。

事例)
Aさん、78歳、女性、要介護1.市営住宅にて一人暮らし。月額約12万弱の年金収入のみで生活はぎりぎり。これから介護保険サービスを利用したいと思っている。最近、足腰の衰えから通院や買物、ゴミだしなど外出するのが辛くなっている様子。認知症状は無く、これからも在宅生活を長く継続したいと思っており、市外に長男と道外に長女の2人の子供も同意見である。


以上の事例から必要と思える介護保険サービスと介護保険外のサービスを取り上げエコマップを作成する、という演習である。

考えられる支援としては、保険外では、家族や近隣住民、民生委員、緊急通報システム等であろうし、保険内サービスとしては、通所サービスや訪問介護が必要であることは誰が考えても共通していると思う。

また「足腰の衰えから通院や買物、ゴミだしなど外出するのが辛くなっている様子」という状況を鑑みて、安易に訪問介護の家事援助を導入してしまうことは、むしろ、買物機会などを奪って身体機能の低下につながりかねないという認識も共通しているだろう。

訪問介護を導入するなら自分で買物やその他の家事を継続できる支援が必要になるだろうし、そのために障害となっている下肢筋力の衰えを防ぐ為のサービス導入という視点も、誰が考えても同じ結論になるだろう。

しかし注目すべきは、この事例で多くのグループが通所サービスとして、通所リハビリを選択している点である。まあこの情報量だけで結論を出すのだから、その結果はある意味仕方ないのだろうが、ただ下肢筋力維持=医学的リハビリ=通所リハビリ、という考え方であるとすればこれは間違いだろう。

本来結論とすれば、ここでは通所サービスという選択をすべきで、通所リハビリか通所介護か、という選択は、その地域でそれぞれの事業所が、どのようなサービスを行っているかを介護支援専門員がしっかりサービスメニューとしての内容を把握した上で、事業所選択をすべきだ。事業種類としての選択を優先して考えてはいけないし、それが求められるアセスメントだろうと思う。

特に、下肢筋力維持の方法を運動機能と筋力に限定して考えることは危険で(そのことは個別機能訓練のあり方や自立支援のあり方で何度も指摘しているので、ここでは省略する)生活機能に結びつけた機能維持の視点が必要だし、本ケースでは引きこもりを防いで、社会的な交流を促進することで維持できる部分は大きいと思う。

また「月額約12万弱の年金収入のみで生活はぎりぎり。」という状況からは、同じ効果が期待できるのであれば単価の低いサービスとか社会福祉法人等の減免が使えるサービス、という選択肢があってもよいだろう。

介護支援専門員のマネジメントはそういう視点から行われなければならないし、サービス種類からそのサービス効果や対象者を固定観念で捉えてはいけない。

そういう意味では何より必要なことは、介護支援専門員は利用者を充分アセスメントして知ることに留まらず、地域における介護サービスが、誰が、何を、どのような方法で提供されているのかを知ることだと思う。

まさに地域を知ることが、求められている技量のひとつなのである。

介護・福士情報掲示板(表板)