コムスンの不正問題に関して、グッドウィルグループの責任の取り方に納得していない国民は多いだろう。

コムスンの社長が辞任するのは当然だが、このグループの体制からいって会長の権限と力は絶対的なものであって、辞任した社長だとて将棋の駒の一つに過ぎず、それを自由に手のひらの中で動かしていたのは、折口会長自身ではないか。

その会長がまったく責任を取らず「私が続けないとGWGが社会的使命を果たしていけなくなる」とは何たる言い草であろうか。社会的使命を最初から果たしていないから、今回のような問題が生じたんだろう。そもそも一連の不適切運営や不正請求の元凶自体がこの会長のグループ運営方針にあるのではないか。

コムスンの創業当時の理念は、それなりに立派なもので、サービス内容もそれぞれの地域で信頼を得られていたと思う。それがおかしくなったのは折口会長がコムスンを買収し、旧役員をすべて追い出して、トップダウンで締め付けが厳しくなった時期からではないだろうか。社内の極端な成果主義も同会長が就任した後から導入された方式だろう。

「介護には思い入れを持っているので続けさせてください」と記者会見で言っているが、過去には「介護サービスはビジネスチャンス」と広言してはばからず、利用者を単にサービスを買う消費者、あるいは介護は利益を売る方法という発言もしていた。そのことが今日の状況を作り出していることに気づいていないはずはない。

その会長が日曜には各テレビ局を回って、番組に出演し、お詫びという名の下に、自己弁護と弁明を繰り返している。そしてその中で必ずしも不正を行っていたわけではなく、処理上の問題で制度の理解不足による手続き上のミスが不適切とされたものもあるという発言を繰り返している。

自分と自分の部下が引き起こした問題を何だと思っているんだ。多くのまじめな事業者の信用をも失墜させていることを自覚できない頭の中身はどうなってるんだ。

しかもである。非常に問題なのはテレビという情報媒体を使って国民の世論操作を行おうとする発言である。コムスンのやったことをごまかして正当化しようとしている発言が随所にちりばめられている。国民よだまされてはいけない。

折口会長は不正請求の一部について次のように発言し、その行為を制度の欠陥でコムスンには責任がないかのごとく問題を正当化しようとしている。

折口会長発言:フジテレビ報道2001に於いて

例えばおむつ交換ですが、利用者の方のオムツを交換すると、オムツをあけてみたら汚れている、そこでコムスンは必ず陰部洗浄を行います。しかしケアマネジャーのプランにはおむつ交換としか書いていません。ここが問題で、陰部洗浄も行って、その分も請求するとプランにのっていないから不正請求とされるんです。」

馬鹿をいうな!!嘘をつくな!!制度を充分知らない人々を騙すな!!

おむつ交換とは、汚れてもいないオムツを取り替えるわけではないだろう。当然「おむつ交換」という行為の表現だけで、排泄後後始末の行為をも含んでいるのは常識ではないか。それともおむつ交換は、オムツだけを替えて、お尻や陰部の汚れに何のケアもしないことでもいうのか!!

しかもである「ケアマネジャーのプランにはおむつ交換としか書いていません。」というのは嘘っぱちだ。ケアマネジャーのプランは、おむつ交換という具体的内容を書くのではなく、その行為をも含んだ「身体介護」として時間や日を書くものだ。その時間の中でできる行為を総合的にプランニングしており、おむつ交換の後で陰部洗浄を行ったから、その時は請求単位が違ってくるということはないではないか。こんな事もわかっていないとは言わせないぞ。

しかも、もっとも重要な嘘は、おむつ交換の方法を計画書の中に文言として書くのはケアマネジャーのケアプランではなく、訪問介護事業所の介護サービス計画であり、コムスンがおむつ交換の際に必ず陰部洗浄を排泄後の後始末として行うということは、コムスン自体が立てる訪問介護計画書の中に書かれるべきものだ。

そしてその内容についてサービス担当者会議で事前に話し合われ、それが適当であったらケアマネジャーの計画時間に必要不可欠なサービスとして積算され身体介護に必要な時間が決まってくるんではないか。コムスンが不正請求し返還対象額とされているのは都内だけで2億円を超えているんだぞ、これはみんな国民の懐から出ているお金だ。その大部分が制度の欠陥というのか?

折口会長が報道2001の中で述べている発言は、全くのまやかし発言だ。番組の司会者やコメンテーターも基本の知識がないから、こんなでたらめな発言に対して一言も疑問を呈することができず、結果的に国民の前に間違った情報を垂れ流す結果になる。マスメディアの姿勢の問題も問われてくるだろう。

それにしても自分たちのやったことを制度の不備とするだけではなく、ケアマネジャーのプランが悪いからというが如くの発言を放置していて良いのか。

現場のケアマネジャーは、この事実をよく認識して怒りの声を挙げなければならない。

こんな人物が、何の責任もとらず介護事業を続けるなんて大問題だ。自分の地位をそのままにして傘下の一つの会社だけをなくして、従業員に全ての責任を負わせるなんて許されない。

介護サービスで莫大な資産を築いてるんだから自分の報酬を削るなんていうのは当然で、自分の資産を従業員がこうむる損害の補填に当てて無一文から出直すべきではないか。

他者に事業譲渡(それとも売却?)するとか、今後のことはともかく、ここまで介護を食い物にして世間の信頼を失ってしまった責任をきちんと辞任という形でとるべきで、そして今後二度と介護の世界に指先一つでもかけてはいけないのではないだろうか。それほど大きな問題と思う。

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