先々週の金曜の夜に、隣市の介護施設関係者の研修会で「看取り介護の視点」について講演を行った。受講された方は、特養、老健、グループホームの皆さんが主であったので、その方々の所属する施設の状況と照らして理解できるように話をさせていただいたつもりである。

さて、その中での質疑の際に出された内容から、夜間の職員のオンコール体制について考えを述べさせていただきたい。

はっきりここで断わっておきたいことは、当施設においては昨年4月から新たに出来た「看取り介護加算」及び「重度化対応加算」に対応するために職員の配置や、夜間のオンコール連絡体制を新たに整えたり、変えたことはまったくない、ということである。

つまり看護職員のオンコール体制は、以前から構築していたし、加えて夜勤者以外の介護職員のオンコール体制も敷いている。

さらに言えば、これは何も看取り介護加算が出来る以前からの特養でのターミナルケアに対応するために構築していた体制でもない。

ターミナルケアを行っている時期であろうが、そうでない時期であろうが、特養の場合、夜間に看護職員が夜勤に入っている施設は少ないだろうから、緊急時には当然、看護職員との連絡が必要になると思う。

そのときに、その場になってみないと、看護職員と連絡が取れるかどうかわからない、ということでは責任あるサービス提供とはいえないし、それ以前に、利用者や家族も、そんな状況の施設では安心できないだろうと思え、看護職員との夜間オンコール体制というのは、看護職員が夜勤を行っていない特養にとっては当たり前のことではないかと思う。

そういう意味では昨年「看取り介護加算」及び「重度化対応加算」の算定ルールの中の、夜間オンコール体制のルールを見た際に感じたことは、これは当然、どこの施設でもクリアできる内容でよかったな、ということである。

むしろ看護師配置が明記されたことはハードルが高いくて配置できない施設があるだろうな、と思った。

看護職員のオンコール体制は週ごとに待機者のほか準待機者も決めており、何らかの理由で待機者が対応できない場合や、複数の看護師対応が必要な場合も想定した体制を作っている。実際に、例としては、ターミナルケアではないが、待機者が救急対応して救急車に付き添って、医療機関受診している最中に、別の看護師対応が必要となる状況で、準待機者が対応する例や、看取り介護を行っている期間に、看取り介護対象者でない方の夜間緊急受診の最中の対応を準待機者が行う、という例がある。

また介護職員についても同様の夜間待機態勢を敷いている。これは看取り介護の方がいるときに限ってとは限らず、そうでない場合でも看護職員が間に合わないような夜間の救急車対応の場合、夜勤者が救急車に付き添う場合も想定され、その際に施設の夜勤者の数が足りなくなって対応が困難となることを防ぐため、あらかじめ通常の勤務には夜間勤務がない主任(1名)副主任(4名)で、日単位で待機者と準待機者を決めている。

介護職員による実際の夜間対応は看護職員ほど多くはなく、年間一度もない年もあるが、体制を作っていることで他の夜勤者も安心して救急対応が出来るメリットもあるだろう。

どちらにしても、こうした体制は加算算定上必要になったという理解ではなく、施設が、利用者から求められる高品質で安心できるサービスとして、あるいは本当の意味で信頼して最期のときまで過ごせる終生施設としての責任を果たそうとしたときには、必然的に敷かねばならない体制であるということで、それも最低限求められるものなのであろうと考えている。

施設が品質の高いサービス提供の実現を本当に求めるならば、国が決めたルールがどうか、という以前に、真に利用者にとって必要なサービスとは何か、という視点からものを考えなければ、実質がともなっていかないと思う。そのうえでのコンプライアンスであろう。

夜勤対応の体制に限って言えば、昨年の重度化対応加算の算定ルールが、我々の施設の現状にやっと追いついたといえると思う。

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