17年10月以降の施設サービスにおいては、食事摂取を経口から行なうことの重要性が再認識されるような加算ルールの変更がいくつかあり、経管栄養の濃厚流動食が療養食加算から除外され、17年10月からは経口移行加算という、経管食等の方が、経口摂取に移行する取組が報酬上に加算評価されるようになった。

当然、移行への取組が半永久的に評価されるわけではなく、基本原則として、これは180日という期間を区切って、それまでに結果として経口摂取に移行されない場合は加算ができなくなる(例外規定はある)、また、その算定も入所期間中に1回に限られている。

この経口移行加算の180日ルールについては、目的に照らして考えて、充分納得ができるものであると思っている。

ところで18年4月からは、経口摂取ができているが嚥下機能等の低下で、経管栄養等に変更するリスクが高い人について(リスクについては造営撮影、内視鏡検査、水飲みテストで判断)引き続き経口からの食事摂取を維持する取組に対しても「経口維持加算」が報酬上の評価として認められるようになった。

この加算については一定のルールの下「入所者の誤嚥を防止しつつ、継続して経口による食事の摂取を進めるための食物形態、摂取方法等における適切な配慮」が条件になっており、単純に「ペースト食」で摂食介助を継続しているから良い、というものではない(ペースト食が一律不可ではないが)

当施設では、えん下困難で、水飲みテスト「プロフィール3−5:異常」に該当する場合に、経口維持食を提供する試みを行なっているが、ソフト食の導入には至っていない為、魚などは豆腐寄せ食、その他は「あんかけ食」を中心にして口から食べる楽しみを尊重し、見た目、香りやにおい、味付け(味覚)、適切な温度、食感などの要素に配慮しながら経口摂取の維持に取り組んでいる。

ただこの経口維持加算にも180日ルールが存在し、180日間を超えると、それぞれ算定根拠となる検査を再実施したうえで「医師の指示と同意」において継続算定とされている。しかも以後は概ね2週間ごとに医師の指示が必要とされているところである(老企40号通知の規定)

経口移行の180日のルールは理解できるが、経口維持加算の180日ルールは必要性があるのだろうか。

この対象者は、嚥下機能がかなり低下した方で、そうであるにも関わらず食事の工夫によって、何とか食としての楽しみを奪わない形で、経口からの摂取を継続可能にしようというもので、訓練的な要素より、食の楽しみを奪わぬように経口摂取を継続するという工夫そのものが立派な生活支援であると思う。

それを行なうから普通食に戻せるといったことは目的として求められていないし、現実的にそれは難しいだろう。

しかし支援行為としては非常に重要な行為であり、経口摂取が食事の工夫で維持されていること自体が「食の楽しみ」を維持できることでもあり、それ自体評価対象であって良いと思うし、180日に限定して考える必要はないと思う。

一定期間のテストと指示が必要であったとしても、加算算定から180日毎の評価と指示と同意というルールなら納得できるが、算定から180日を超えた人の評価を2週間ごとに行う必要も意味もないと思う。

このあたりのルールは経口移行加算のルールを下敷きにして、維持加算にも当てはめたものだろうが、両者の意味の違い、高齢者で嚥下機能の衰えた方の状態像を鑑みたとき、そこに違うルールがあって良いことは理解できるのではないだろうか。

次期報酬改定では、こうしたルールの再検討、見直しも必要ではないかと考える。

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