日総研の介護リーダー2006という隔月誌に1年間連載してきた。その最終稿の掲載された冊子が昨日届いた(3/30発行分)

その冊子に何気なく目を通していて思わず目が点になった。

連載の中で、僕も「看取り介護の視点」というタイトルで当施設における看取り介護の考え方と実践について執筆している。その理由は当施設はおそらく全国1早くネットで『看取り介護指針』や、そのほかの各種書式を公開しているからだ。

掲載資料は指針のほか、夜間緊急対応マニュアルや医師の診療体制表、看取り介護の同意書である。すべて当施設のオリジナルである。

ところで今回の「介護リーダー2006」の中に、ターミナルケアについての実践論文が掲載されている。

この論文の添付資料に「看取り介護についての同意書」がある。

文言は数箇所変えられているが、ほとんど僕が作った同意書と同じ内容と表現である。書式のスタイルもまったく同じである。そもそもタイトルは1文字も違わない。僕のオリジナルをベースに修正したと考えても不思議ではない。

僕はこの同意書は、どの書式も参考にせず、自分で作った指針に示した内容に基づき、白紙の中から自分の言葉で作ったものであり、参考になれば多くの皆様に使ってもらっても良いと考えて、看取り介護指針と共に当施設の公式Webに掲載してインターネットを通じて公開している。

それを各施設や事業所で使用することには問題はない(使用するにしても一言メールで挨拶はあってよいとは思うが・・それは強制ではない)。

しかし自施設や事業所で使用することと、自分の論文等に参考資料として掲載することは明らかに意味が違う。

著作権云々という問題を問うつもりはないが、法的にはインターネットで公開したとしても、著作権は放棄されていないとされ、手に入れた人が自由に使うことは問題ないが、第3者に自分の作ったものであるとアナウンスすることはできないし、例えばネットで公開されている資料や情報を学校の講義で使用する場合も、出典を明らかにせねばならない(必ずしも著作権者に承諾を得る必要はなく、どこに掲載されているかを明らかにしておれば良い)とされていると理解している。

今回は僕が作った同意書とまったく同一ではなく、数箇所文言や内容は変わっているがその修正箇所はごく一部で、誰が見ても、当施設サイト上に公開されているものがベースになっていることは明らかである。それを自分の論文の参考資料とし、あたかもオリジナルの書式のごとく掲載している。

各施設や事業所では、ネットでの公開資料を参考にして自由に使ってくださって構わないし、公開されているものをそのまま使ってもらっても何の問題もない。義務ではない連絡をしなくても構わない。

しかし論文に資料添付するのは問題ないのだろうか。僕がたまたま、この冊子に連載をしておらず、読む機会がなかったら気付かないし、どこからもクレームはつかないのかもしれない。

だが、これは法律より良識の問題だろう。

様々な書式をすべてオリジナルで作る必要はないだろうし、雛形や参考があっても良いが、原資料を無視してあたかもオリジナル書式のごとく、自らの論文に掲載する行為はいかがなものかと思う。

パクリといっても言い過ぎではないだろう。

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