(昨日からの続き)
小規模多機能居宅介護の宿泊も既存のショートスティとは大きな違いがある。
ショートスティはまさに一定期間を区切った滞在サービスであるが、小規模多機能居宅介護の宿泊も一定の期間や日数はそれぞれの計画で定められていたとしても、状況や環境の変化により、随時それは変えられるし、宿泊を取りやめて居宅に帰っても、引き続き小規模多機能居宅介護の職員により訪問サービスを受けられるということで既存のショートとヘルプの組み合わせより臨機の対応がとりやすい。
また既存のショートとのもっとも大きな違いは、夜は宿泊サービスであるが、日中はこの滞在サービスが引き続き行われているというより、通いサービスを利用している、という形になることである。2泊3日の利用なら2泊は宿泊利用だが、前後と真ん中の日中は通いサービスを利用しているということになる。
まさに通いサービスの特定の日に宿泊を臨機に組み込みながら在宅生活を継続できるサービスであるといえるのである。
宿泊費用は、このサービスの特徴である定額報酬に含まれておらず、別料金となり、それは各事業所で設定している。道内の事業所を見ると、その設定金額には結構な差があり、高いところは1泊1万2千円というところもあるが、安いところは2000円というのもある。札幌市内に事業所が集中しているので、相場は5000円程度である。
全国的に見ればもっと差はあるだろう。
この費用は利用者負担ということを考えると、できるだけ低く(安く)設定するほうが良心的であるとはいえるが、しかしサービスの特徴として考えると、そのことが良いことか悪いことかという部分では疑問が呈されている。
つまり小規模多機能居宅介護は施設でも在宅でもない、第三のサービスという「うたい文句」で地域密着型サービスの中に組み入れられ、この制度に登場したが、その目的は、住み慣れた地域社会でできる限り生活を継続できることを目的としており、そのサービスの中心はあくまで「通いサービス」であり、居宅を中心にしたサービス展開が求められている。
よって宿泊費用があまりに低すぎると安易に泊まる、ということになりかねず、目的に合致しない、という見方である。
動機付けの問題を費用に絡めることに違和感を持つ方もおられると思うが、現実にはそういうこともあり得るのだろう。ここはもう少し検証が必要である。
事例を見ると、泊まりサービスをかなり長期間連続して利用しているケースがある。数か月に及んでいるものもある。これでは一時的に小規模多機能居宅介護を中断して、一般のショートを使ったほうが良いのではないかと言う意見もあろうが、個々のケースを見ると必ずしもそうではない。
それは泊まりの期間があらかじめ長期に計画されていたものではなく、例えば急な体調変化や認知の悪化で宿泊を一時期連続的に行なわなければならなかったケースなども含まれ、何らかの理由(家族の虐待なども含む)で緊急避難として居宅に復帰することは前提だけれど一時的に長期宿泊をするケースもある。
宿泊期間中も、日中は一時的に居宅に帰る時間を作ったり、夜間の居宅での滞在時間を作ったり臨機の対応を行えるというメリットを生かし、最終的には宿泊が月数日利用で済むようなサービス形態に移行していく事例もある。これはこのサービスのひとつのメリットであろう。
ただこの場合問題となるのは小規模多機能居宅介護における「通いサービス」の上限は15名と定められている点である。たしかに宿泊の時間と通いの時間設定は、事業所が独自に行ってよいということになっているが、だからといって日中の「通い」の時間に連続宿泊者は「宿泊の定員」だから別枠で考えてよい、ということにはならない。
そもそも小規模多機能居宅介護のサービス提供方法は少人数に対してきめ細かなサービスを行うというもので、サービス提供単位の上限を日中は対職員比3:1以上で、かつ15名以内と定めている点に注意が必要で、この点への調整力や配慮が必要である。
ただし、どうしてもやむを得ない場合、この定員については基準上「(定員の遵守)ア.事業者は、登録定員並びに通いサービス及び宿泊サービスの利用定員を超えて指定小規模多機能居宅介護の提供を行ってはならない。ただし、通いサービス及び宿泊サービスの利用は、利用者の様態や希望等により特に必要とされる場合は、一時的にその利用定員を超えることはやむを得ないものとする」という例外規定があることを認識しながら、ケースにより、この例外適用する配慮もあってしかるべきであろう。
昨日から検証した、通いと訪問と宿泊を臨機の状態で変動させ利用するパッケージサービスのメリットは理解できたであろうか?うまく説明ができなかったかもしれないが、パッケージサービスは既存のサービスの単なる組み合わせでなく、あらたな概念でパッケージを臨機に組み替えることにより、より個人のニーズに合致したサービスになり得る、という点が重要だ。
しかし小規模多機能居宅介護も計画に基づく利用が基本で、小規模多機能居宅介護事業所専従の介護支援専門員が「小規模多機能居宅介護計画」を立てて利用することになる(そのほかの使える居宅サービス;訪問看護等:の居宅介護計画もこのケアマネが立てる)。
「小規模多機能居宅介護計画」は小規模多機能居宅介護の中で、どのようなサービスを行うかが中心となり、パッケージサービスであるがゆえに、通所の日時、通いの時間や目的、宿泊予定日も事前に計画に組み込んでおくのが基本となるが、これを常に微調整、あるいは時として大幅な組み換えが随時できるという基本姿勢と理解が必要であり、それがなければ、単に既存サービスの貼り付けでの硬直サービスになってしまう危険もあり、この事業所の介護支援専門員の役割は重要である。
そうしなければ昨日から書いている小規模多機能居宅介護でしかできない多機能という特徴を生かした個別のニーズに対応できる新しいケアにはならないからである。
最期に課題として2点挙げておきたい。
まず一つは、このサービスが地域密着型で第3カテゴリーサービスといわれても、実質それは居宅生活を継続維持するための方法論の一つであり、今後予想されるのは療養型医療施設の廃止や縮小で、地域に医療ニーズを抱える、あるい実際に医療機器を使いながら生活する高齢者が増える、という事実に対する対応である。
胃婁や在宅酸素への対応も必要になってくるであろう。その時、現在、小規模多機能居宅介護には看護職員の配置義務はあるが、常勤の必要はなく毎日の配置も必要とされていない。これは一面では事業展開上、コスト管理と職員配置面で事業所の裁量が広がってメリットとなってはいるが、そのことで地域の利用者の医療ニーズに対応しきれない状況が起きないか懸念されるところである。
もう1点は、サービス地域の問題で、本来ならこのサービスの利用者は、できるだけ地域を狭め範囲を限定したほうが、サービス提供方法に様々なバリエーションも生まれ、より個別のニーズにマッチしたものとなり得る。
しかしながら現状では、このサービス事業所の数自体が多くないこともあって、例えば札幌市で運営する事業所のサービス利用者は、区を越えて数箇所の区にまたがって点在しているという状況もある。将来的には区内において、1中学校区域に限定した範囲で、サービス展開ができれば地域密着型としての新たな可能性がより広がるのではないかと考える。
介護・福祉情報掲示板(表板)
小規模多機能居宅介護の宿泊も既存のショートスティとは大きな違いがある。
ショートスティはまさに一定期間を区切った滞在サービスであるが、小規模多機能居宅介護の宿泊も一定の期間や日数はそれぞれの計画で定められていたとしても、状況や環境の変化により、随時それは変えられるし、宿泊を取りやめて居宅に帰っても、引き続き小規模多機能居宅介護の職員により訪問サービスを受けられるということで既存のショートとヘルプの組み合わせより臨機の対応がとりやすい。
また既存のショートとのもっとも大きな違いは、夜は宿泊サービスであるが、日中はこの滞在サービスが引き続き行われているというより、通いサービスを利用している、という形になることである。2泊3日の利用なら2泊は宿泊利用だが、前後と真ん中の日中は通いサービスを利用しているということになる。
まさに通いサービスの特定の日に宿泊を臨機に組み込みながら在宅生活を継続できるサービスであるといえるのである。
宿泊費用は、このサービスの特徴である定額報酬に含まれておらず、別料金となり、それは各事業所で設定している。道内の事業所を見ると、その設定金額には結構な差があり、高いところは1泊1万2千円というところもあるが、安いところは2000円というのもある。札幌市内に事業所が集中しているので、相場は5000円程度である。
全国的に見ればもっと差はあるだろう。
この費用は利用者負担ということを考えると、できるだけ低く(安く)設定するほうが良心的であるとはいえるが、しかしサービスの特徴として考えると、そのことが良いことか悪いことかという部分では疑問が呈されている。
つまり小規模多機能居宅介護は施設でも在宅でもない、第三のサービスという「うたい文句」で地域密着型サービスの中に組み入れられ、この制度に登場したが、その目的は、住み慣れた地域社会でできる限り生活を継続できることを目的としており、そのサービスの中心はあくまで「通いサービス」であり、居宅を中心にしたサービス展開が求められている。
よって宿泊費用があまりに低すぎると安易に泊まる、ということになりかねず、目的に合致しない、という見方である。
動機付けの問題を費用に絡めることに違和感を持つ方もおられると思うが、現実にはそういうこともあり得るのだろう。ここはもう少し検証が必要である。
事例を見ると、泊まりサービスをかなり長期間連続して利用しているケースがある。数か月に及んでいるものもある。これでは一時的に小規模多機能居宅介護を中断して、一般のショートを使ったほうが良いのではないかと言う意見もあろうが、個々のケースを見ると必ずしもそうではない。
それは泊まりの期間があらかじめ長期に計画されていたものではなく、例えば急な体調変化や認知の悪化で宿泊を一時期連続的に行なわなければならなかったケースなども含まれ、何らかの理由(家族の虐待なども含む)で緊急避難として居宅に復帰することは前提だけれど一時的に長期宿泊をするケースもある。
宿泊期間中も、日中は一時的に居宅に帰る時間を作ったり、夜間の居宅での滞在時間を作ったり臨機の対応を行えるというメリットを生かし、最終的には宿泊が月数日利用で済むようなサービス形態に移行していく事例もある。これはこのサービスのひとつのメリットであろう。
ただこの場合問題となるのは小規模多機能居宅介護における「通いサービス」の上限は15名と定められている点である。たしかに宿泊の時間と通いの時間設定は、事業所が独自に行ってよいということになっているが、だからといって日中の「通い」の時間に連続宿泊者は「宿泊の定員」だから別枠で考えてよい、ということにはならない。
そもそも小規模多機能居宅介護のサービス提供方法は少人数に対してきめ細かなサービスを行うというもので、サービス提供単位の上限を日中は対職員比3:1以上で、かつ15名以内と定めている点に注意が必要で、この点への調整力や配慮が必要である。
ただし、どうしてもやむを得ない場合、この定員については基準上「(定員の遵守)ア.事業者は、登録定員並びに通いサービス及び宿泊サービスの利用定員を超えて指定小規模多機能居宅介護の提供を行ってはならない。ただし、通いサービス及び宿泊サービスの利用は、利用者の様態や希望等により特に必要とされる場合は、一時的にその利用定員を超えることはやむを得ないものとする」という例外規定があることを認識しながら、ケースにより、この例外適用する配慮もあってしかるべきであろう。
昨日から検証した、通いと訪問と宿泊を臨機の状態で変動させ利用するパッケージサービスのメリットは理解できたであろうか?うまく説明ができなかったかもしれないが、パッケージサービスは既存のサービスの単なる組み合わせでなく、あらたな概念でパッケージを臨機に組み替えることにより、より個人のニーズに合致したサービスになり得る、という点が重要だ。
しかし小規模多機能居宅介護も計画に基づく利用が基本で、小規模多機能居宅介護事業所専従の介護支援専門員が「小規模多機能居宅介護計画」を立てて利用することになる(そのほかの使える居宅サービス;訪問看護等:の居宅介護計画もこのケアマネが立てる)。
「小規模多機能居宅介護計画」は小規模多機能居宅介護の中で、どのようなサービスを行うかが中心となり、パッケージサービスであるがゆえに、通所の日時、通いの時間や目的、宿泊予定日も事前に計画に組み込んでおくのが基本となるが、これを常に微調整、あるいは時として大幅な組み換えが随時できるという基本姿勢と理解が必要であり、それがなければ、単に既存サービスの貼り付けでの硬直サービスになってしまう危険もあり、この事業所の介護支援専門員の役割は重要である。
そうしなければ昨日から書いている小規模多機能居宅介護でしかできない多機能という特徴を生かした個別のニーズに対応できる新しいケアにはならないからである。
最期に課題として2点挙げておきたい。
まず一つは、このサービスが地域密着型で第3カテゴリーサービスといわれても、実質それは居宅生活を継続維持するための方法論の一つであり、今後予想されるのは療養型医療施設の廃止や縮小で、地域に医療ニーズを抱える、あるい実際に医療機器を使いながら生活する高齢者が増える、という事実に対する対応である。
胃婁や在宅酸素への対応も必要になってくるであろう。その時、現在、小規模多機能居宅介護には看護職員の配置義務はあるが、常勤の必要はなく毎日の配置も必要とされていない。これは一面では事業展開上、コスト管理と職員配置面で事業所の裁量が広がってメリットとなってはいるが、そのことで地域の利用者の医療ニーズに対応しきれない状況が起きないか懸念されるところである。
もう1点は、サービス地域の問題で、本来ならこのサービスの利用者は、できるだけ地域を狭め範囲を限定したほうが、サービス提供方法に様々なバリエーションも生まれ、より個別のニーズにマッチしたものとなり得る。
しかしながら現状では、このサービス事業所の数自体が多くないこともあって、例えば札幌市で運営する事業所のサービス利用者は、区を越えて数箇所の区にまたがって点在しているという状況もある。将来的には区内において、1中学校区域に限定した範囲で、サービス展開ができれば地域密着型としての新たな可能性がより広がるのではないかと考える。
介護・福祉情報掲示板(表板)


感動の完結編。

「Think about my Daughter 2 〜 僕は天使ぢゃないよ。」
「Think about my Daughter 3 〜 彷徨:さすらい」
「Think about my Daughter 4 〜 最終章:光と影。」
を読みました。ここに書き込むのは不適切かもしれません。masaさんのメールアドレスにメールしたらmasaさんは読んでくれるのでしょうか。お返事は別として。お忙しいでしょうね。色々介護の掲示板とかを拝見したり、ブログとか拝見してますが。masaさんの所がとてもシンプル?と言うか気持ちがあって芯があるって言うか。尊敬してしまいます。