昨年4月から誕生した新たなサービスである小規模多機能居宅介護。この原型は宅老所に多機能サービスを付随して展開したサービスであり、諸外国にもモデルがない日本型の新型サービスといえる。

このサービスが生まれて、そろそろ1年を迎えようとしているが、北海道で小規模多機能居宅介護の指定を受けてサービスを展開しているのは、現時点で15ヶ所程度と記憶している。この広い北海道としては、その数はあまり増えていない。その理由の一つは、もともと道内では宅老所、というサービス自体が少なく根付いていなかったという理由が挙げられるだろう。

今日はこのサービスを実際に行っている事業所の現況を第3者としての立場から見て、この新しいサービスの方法論を検証してみたい。

ちょうど1年前のブログ
小規模多機能サービスの将来像。1」と「小規模多機能サービスの将来像。2」の中で、このサービスに対する期待を書いたことがあるが、その中で僕はこのサービスの特徴を

「通っている方々の必要性に応じて随時、宿泊してサービスを受けたり、居宅にヘルパーを派遣して介護サービスを提供する、という、いわばデイサービスとホームヘルプとショートスティを1事業所で1元管理してサービス提供するシステムである。」と述べた。

しかし、今あらためて考えてみると、どうやらこの考えは間違ってはいないものの、このサービスの本質に迫るものではなく、考え方を改めねばならないと思っている。

つまり小規模多機能居宅介護を単に「デイサービスとホームヘルプとショートスティの組み合わせ」と考える事業展開では高齢者のニーズにマッチしたサービス展開はできず、まったく新たな「通いサービス」を中心に、訪問と泊まりを組み合わせたサービスと考えねばならない。逆にそういう発想が出来ない小規模多機能居宅介護は良いサービスに結びついていないのが現状だろう。

一般のデイサービスと小規模多機能居宅介護の「通いサービス」の大きな違いは4-6等の時間の縛りがないことと、サービスの始点、終点が決まっていないというところにある。
つまりデイサービスはサービス提供時間の中で職員配置ができ実際のサービスができる状況で、あらかじめ決められた時間内でサービス提供を行わねばならないが、小規模多機能居宅介護の「通いサービス」は、ある日は半日の利用、ある日は数時間の利用、それも臨機に状況に合わせて変えられるということに特徴がある。利用者の送迎時間もまちまちに設定して必ずしも乗り合い形式による送迎ではなく、その人に合わせて随時事業所から迎えに出る、ということが可能になる。

例えばある日は、10時から5時まで通いサービスを受ける予定だった人を迎えに言ったときに「今日は休む」と言い出したとする。そのとき理由を尋ねると「スーパーの特売のチラシが入ったので買い物に行かねばならない」という。一般のデイサービスなら、説得して、買い物にいくのをあきらめてサービス利用するか、サービスを中断するか、極めて限定的な選択しかできないが、小規模多機能居宅介護の「通いサービス」はこのとき様々な選択が可能だ。

例えば、じゃあ午前中だけ、通いサービスを受けて昼ごはんを食べて、昼から送るから、そのとき家に帰る途中(あるいは家に一旦帰ってからでも)運転手と一緒に買い物に行きましょう。という取り扱いが可能だ。

これが通所サービスなら、送迎途中の買い物は認められず保険外だとか、様々な縛りによりできないし、そもそも運転手が居宅で別なサービスをすることも無理である。しかし通いも訪問もパッケージのサービスであれば、あるときは送迎の運転手、事業所ないでは介護職員、あるときは居宅に訪問するヘルパーの役割と、何役も臨機に役割をこなすことが可能である。

さらに訪問サービスも、介護保険の訪問介護なら単なる安否確認や趣味の活動の支援はできない、ということになるが、小規模多機能居宅介護の「訪問サービス」も多機能だ。

例えば今日は通いサービスはお休みのAさんがどんな様子か安否を確認する際に、通いサービスの送迎途中に、送迎を行っている利用者のBさんと一緒にAさん宅を訪問して「元気かい」と呼びかけ、ついでに30分ほど運転手とBさんんがお宅でお茶をご馳走になりながら、よもやま話をして帰る。Bさんが尋ねてくれてAさんも喜んだし、Bさんも喜ばれた。こんなことも可能である。

訪問サービスも身体介護を中心にするだけでなく、多目的に臨機に行うことも可能なのだ。しかしこれを既存の訪問介護の身体介護とか生活援助とかの概念でしか考えられないと、小規模多機能居宅介護のパッケージサービスとしてのメリットが生かせない。
(明日に続く:土曜も書きますよ!!)

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