地域包括支援センターが予防プランセンター化しているという声が聞かれる。

というより僕自身が昨年11月30日発刊の日総研「介護リーダー2006」の連載の中で『現実は増大する要支援者への介護予防プラン作成業務に追われ、3職種が共同でその作業に関わり、その他の支援機能まで手が回らず「予防プランセンター化」されているといわれる現実がある。』と書いている。

ただこの意味は、地域包括支援センターが担うべき市町村責務の事業(なぜこんな回りくどい言い方をするかと言えば、1/30に出された国のパブコメの回答では、これらの事業は包括に委託できるが本来は市町村の責務だから包括がこれらの事業の全部を実施することが必然でないと言って、包括の設計図に間違いはなかったと言い訳しているので。)については、

1.介護予防のマネジメント。
2.介護保険外のサービスを含む高齢者や家族に対する総合的な相談・支援。
3.被保険者に対する虐待防止、早期発見。
4.支援困難ケースへの対応などケアマネジャーへの支援。

であり、1が保健師、2.3が社会福祉士、4が主任介護支援専門員が主にその業務を担うものとされているが、現実は増大する要支援者への介護予防プラン作成業務に追われ、3職種が共同でその作業に関わり、その他の支援機能まで手が回らないことを指摘しているのであって、予防プランの作成管理には十分な機能が発揮されている、ということを言っているわけではない。

つまり何を言いたいのかということであるが、今、世間で言われている包括の予防センター化というのは、増大する予防プランの作成作業に手一杯という状態を示しているに過ぎず、だからといって予防プランの作成評価が充分行われていると言うことでもなく、計画はできているけど、適切な評価に結びついているとは必ずしも言えない現実がある、と言うことである。

そもそも制度改正論議の中で軽介護者のサービスプランについて、現場のケアマネは、いわれのない様々な中傷非難を浴びたが(給付費分科会でも)その際たるものは、ニーズに対応していないサービス利用と、評価のないサービス利用の継続プランに対してのものではなかったのか。

それゆえ新予防サービスの計画は、包括から居宅介護支援事業所に委託していたとしても、定期的な評価は地域包括支援センターでもって評価する。その計画の継続性について判断する、とされているところである。

しかし、実際には適切なサービス利用の評価などできていないのが現実ではないのか。なぜならサービス利用の継続可否の評価基準自体がどこにも存在していないのに何をもって包括支援センターの職員は評価のエビデンスを作れるのであろうか。

だいたい評価ができるということは、サービスプランを策定するに際して課題を引き出して、それに対する目標を設定する際のアセスメントが読み取れなければならない、という意味であり、各居宅介護支援事業所が仮に予防プランのアセスメントを統一して使っているのであれば、そのツールの使い方の指導をできる人材でないと評価も難しいと言う意味だし、もしもツールがバラバラである場合は、それをすべて読みこなす能力が求められると言うことだ。

できているんだろうか?

加えて介護予防サービスのメインサービスは通所サービスであると言われているが、個々で行われている選択メニュー、特に介護予防の特徴的サービスである運動器向上メニューは、3月毎に各事業所で体力測定などの評価を行なっているが、この医療モデルの方法論である体力測定の結果と、生活モデルであるサービスプランの整合性をどう見るのか。

できていないだろう。というよりその評価は極めて困難だ。加齢による身体機能の低下をどう見たら、各事業所でバラバラの方法で行なっている運動器向上トレーニングの結果が体力測定の数値に的確に結びつくという根拠はなにもない現状で、評価の方法も、尺度も、結果の判断も、すべて現場に丸投げされている。サービスの継続性の可否をその中でどう読み取ると言うのか。

無理だ。予防センター化とはいっても、その実態は、予防プランを機械的に作成している実態を言っているに過ぎず、予防プランが介護予防に資するべきエビデンスとなりうるような方法を作り上げる専門機関になっていると言う意味ではない。そうした実態であることを間違って捉えてはいけない。

つまり現在の地域包括支援センターの実態は「予防プランセンター」の機能さえ果たせていないというのが実際ではないか。

介護給付費分科会はいかに不毛な議論に終始していたかが証明された。審議機関ではなくただのパフォーマンスの場であるということか。実態として財政論としての制度改正で終わってしまったため、適切なケアマネジメントの方法論など(少なくとも改正介護保険制度の中では)ないということが見て取れる。

しかも問題なのは、評価ができていないのに、通所サービスの回数について、一律、要支援1は週1回、要支援2は週2回だとか、包括支援センターが決められると思っているお馬鹿な職員がいることである。

地域によっては事業所が要支援1の方に週2回の利用を可としているのに(回数は増えても定額報酬だから収益が上がるわけではないのに)公平性を欠く、という理由で地域包括支援センターが、その管轄地域の予防通所利用者の利用回数を統一して制限する指導を行っている場合がある。バカモン!!

通所サービスは「通う」というそのこと自体に生活意欲を引き出したり、機能活用をしたりする効果もあるのだ。適切な評価も行なえないで、国が定額料金から割り算で出した数字を絶対的なものとサービス事業所や利用者、委託するケアマネに押し付ける、こうした包括の一部の(であると思う)お馬鹿さんが、新たな生活障害そのものである。

介護・福祉情報掲示板(表板)