昨年、僕は父を亡くしたので新年のご挨拶や年賀状は遠慮させていただいている。しかしこのブログは施設のサイトの一部になっており施設の管理者として、サイトの管理人として皆様に新年のご挨拶を申し上げます。

もっとも近しい存在である親を失うことで、逆に今、僕の身の回りのある様々な縁や人の繋がり、ネットワークが愛おしく思えている。大事にしなければならない。そういう人の縁がインターネットを通じて作られるのも現在の社会の有難さである。

僕のサイトは2001年5月に開設した。北海道の片田舎の1社会福祉法人のサイトであるから当初の訪問者数は職員を除けば数人であった。しかし掲示板の盛り上がりともにアクセス数が激増して行った。掲示板は当初レンタル掲示板を使っていたが、書き込みが1週間以上なくて自然消滅し、2代目で消滅しないタイプの掲示板を使った。(現在は5代目である)

ネット関連で最初にお会いしたのは「ケアプランの広場」の松本さんである。ふとしたきっかけで相互リンクを結んだが、松本さんは特養などでは全国的に使われている包括的自立支援方式(3団体版)というアセスメント方式を作った人で、全国の保険者担当者や介護支援専門員に対する研修講師として日本中を飛び回っている。そんな忙しい合間をぬって、わざわざ僕に会いにやってきてくれた。吹雪で千歳空港が閉鎖になっていた日で、帯広空港から汽車で大変だったろうと思う。ついでだから、地域のケアマネ会に呼びかけて1時間の講演をしてもらった。その節はお世話になりました。

施設サービスの限らず居宅サービスやその他の福祉分野に広く回答でき、正確で迅速な情報が多くて深く議論できる掲示板として関係者の間で話題になっていったのは半年後くらいからであろうか。長崎のMr.Mさんは当時からの参加者であったと思う。若いのに鋭い考えを持っていると共に、彼の施設を知ることで実践家としても、在宅介護支援も含めてすごい人だなあと思った。

今でも適切なアドバイスや情報をいただいている。

今年、長崎の島原市のケアマネ会に僕を講師として招いてくれたNA6さんも古くからの掲示板参加者である。いつも掲示板ではしっかりした意見を書いてくれるが、今年お会いしたときなかなかのイケメンで、若いのに少々驚いた。この業界の人材も豊富なんだ。

全ての分野で優れた実践をしている兼任CMさんも当初からの参加者である。毎回、適切なレスポンスを書いてくれるが、それ以外にも彼の人柄と社会福祉援助者としての人となりを表すものとして過去ログに掲載している「対人恐怖症の学生の介護実習について」 の報告は是非皆さんに読んでいただきたい。すごい人だと思う。

時に辛口のコメントが鋭い小型指導員さんは、ユニークな理事長さんの迷走を見事に軌道修正して施設を正しい方向に導く達人であると共に、4コマ漫画を書かせれば業界NO1という裏技師である。

僕のサイトのアクセス数が急激に増えるきっかけになったのが15年のルール改正、支給限度額1本化議論である。これらの掲示板の歴史は「掲示板に歴史あり」で書いた内容と重複するので、詳しくはそちらで見てもらいたい。

その時、僕の掲示板で激論を交わした相手が尊敬すべき実践家としてのBOBさんであり、今でも適切にアドバイスをいただいている。実際にお会いしたことはないのであるが、携帯メールではやり取りが続いて、もう古くからの知人と同じ感覚で、どこかでお会いしても違和感はないだろう。彼の高齢者に対する温かい目と、認知症ケアに関しての見識の高さは真似ができない。

当時の議論の進行を注目していた方々の中にコンピューターソフト関連の皆様も多かった。新しい請求ソフトを作るのに情報が錯綜して、いち早く正確なルールを示した僕の掲示板にずいぶん感謝をいただいて恐縮した。

今、福祉関連の業界関係者で知らない人のほうが少ない「介護保険情報BANK」のJTさんもその議論の際、ROMしていただいた方の一人で、やがて彼から「全国課長会議で取り上げられた自治体サイトですごいのがある」とご紹介いただいたのが「篠山ホットステーション」であり、当時そのネット管理者であるキミオーさんとお付き合いするきっかけになった。正直、行政担当者でこれほど福祉・介護サービスに熱意を持って実践している人がいることは驚きであった。今では毎年キミオーさんから僕の施設に「丹波黒豆」を送っていただいて利用者も楽しみにしている。今後も、いろいろな場面で情報をいただきながらお付き合いが続くと思う。

それらの人たちの周りの人々とも輪が広がって、今では昔からの知り合いのつもりで、ネットが縁でであったことさえも忘れている人もいる(ごめん)

越後の熱血PT・大渕さん(NHK教育テレビでご覧になって知っている方もいるでしょう)もMr.Mさん絡みで、僕の掲示板で知り合った。その大渕さんから紹介を受けて数年前に日総研の冊子「介護リーダ」に小論文を書いたことがある。その後、その同社の編集者の方ともメールでやり取りするようになり、何回か原稿依頼を受け、昨年4月からは隔月で連載もしている。

ブログは1昨年、平成17年の10月から書き始めた。当初は皆がやっているからという軽い気持ちで日常の思いを綴っていて数人の読者から始まり、やがて100人を超え、500人近くになり、あれよあれよで、今では平日は700人近い人が読んでくれている。

そのブログに前述の連載について紹介したところ北海道医療新聞社から出している介護新聞の編集者の方から、同誌にもコラムを書いて欲しいという依頼があった。冊子連載を抱えている身で、しかも昨年4月は施設長に就任した時期でもあり、公私共に慌しく、週1回の連載は無理と思ったが、編集者の方からブログに書いてあるようなテーマでよいから、ということと、各テーマも具体的に示していただいたので、やってみようと思い、結局、なんだかんだで半年以上24回の連載を続けた。

北海道では介護新聞を定期購読している施設や事業所が多くて、いろいろな場所で「介護新聞見ています」という有難い声をいただいた。メールを送ってくださる方も多く、知り合いが増えた。

掲示板以外にもサイトでは様々な情報発信をしている。医師への情報提供依頼の地域統一書式や各事業所への情報提供等の書式も開発して公開している。今年4月の制度改正では、おそらく全国1早く「看取り介護指針」を作って掲載した。この指針については、特養だけでなく、グループホーム関係者が「医療連携加算」に必要な指針として参考にしたいとか、使わせてもらってます、というメールを数多くいただいた。

全国の施設や事業所で使っている「看取り介護指針」が僕の作ったものがベースになっている場合も多いのであろう。この指針の公開をきっかけとして「看取り介護の実践」についての講師として招かれる機会も多くなった。道外では岩手県の講演から始まり数箇所を訪れ、道内でも施設だけでなく今年早々には札幌で行われるホスピスの全国大会にもシンポジストとして参加する予定である。

掲示板を通じて僕の古くからの友人と、ネットで知り合った友人が知り合うこともある。道内の福祉の実践家としては屈指の存在で、僕も尊敬する友人のBooちゃんは、今年、札幌で行われた老施協全国大会の分科会で司会を務めたが、そこで発表した一人が越後の達人PT大渕さんだ。

大会中にも挨拶はしたんだろうが、大会後、掲示板であらためてお互いを紹介しあってたよね。こういう輪が貴重である。

それ以外にも様々な出会いが数多くあり、それらの方々に支えられサイト運営管理を続けている。
ネットをきっかけに、直接あるいは間接的に知り合った人々との輪が広がり続けており、さらに僕の掲示板を通じて参加者の方々がそれぞれ知り合い、交流を結び横のつながりができている。そうした縁が広がり続けている。そして、そのことが僕の人生を豊かにしている。有難いことだ。

長くなりすぎた。まだまだ書きたい人が沢山いるがご紹介しきれない。それらの方はまた別の日に書かせていただく。

ともかく、今年もどんな新たな出会いがあるか楽しみである。皆さん、今年もどうぞよろしくお願いします。

介護・福祉情報掲示板(表板)

付録:masaとは誰か