半年ほど前のケアマネ会で制度改正についての僕の問題提起が、その後、現実の地域の様々な介護現場で現実の問題となってはいないだろうか。それとも、あの時の僕の発言は、取り越し苦労の的外れなもので、問題は杞憂に終わったのだろうか。

以前、このブログに書いた内容と重複するが、補足修正を含めて、当時のケアマネ会の録音から僕の問題提起の発言を以下にまとめてみた。

(僕のケアマネ会での発言:制度改正への問題提起)
今、包括支援センター、各事業所から様々な問題提起がされ、情報提供がありました。
この新予防給付は本当に利用者の介護予防、暮らしの支援に繋がるものなのでしょうか。

残念ながらそうはならないでしょう。改革の本丸であった対象年齢の拡大に失敗した厚生労働省老健局は、これを次期改正時に実現を図る方針に変えた時点で、今回の改正は「新予防給付」という国民に耳当たりは良いけれど効果が薄いとわかっている新ルールを導入することで「改革したというアリバイづくり」に使っているのではないかと思わせる節があります。しかし、これを担わされる現場はたまったものではありません。混乱だけが助長されています。

まず訪問介護事業所の方から、問題提起がありました、定額報酬の問題、90分以上の生活援助の費用算定ができない問題についてでありますが、国はこれについて「時間の制限はしていない、あくまでアセスメントに基づくニーズがあれば、必要なサービスは行ってください。ただし費用算定できる報酬に限りはあります」と言っています。

非常にふざけた話です。ヘルパーにただ働きをせよ、アセスメントの時間は費用算定できなくても、時給がもらえなくとも働くのがあたりまえ、それが福祉サービスとでも言うんでしょうか。自ら30分の残業でも必ず超勤をつける高給取りの論理は、我々には理解できません。ヘルパー事業所にとっては死活問題になりかねません。大手の事業所だけが生き残れる寡占市場に介護サービスの現場を変えようというのでしょうか。これでは将来、田舎にはヘルプ事業所がなくなります。

ただもうひとつの別な問題は、このことで不適切な保険外サービス利用が増えないか、ということです。継続的、連続的なものは一体的サービスですので保険内と保険外の区分はできませんので、計画の段階で内容を精査し、どうしても保険内で支障があるものは個別に判断する必要がありますね。

また通院援助の問題があります。不定期な身体介助の通院援助を定額報酬の計画の中にどのように組み込んでいくのでしょうか。

要介護度が低くても通院支援が身体介助で必要な方は実際にはいるんですよね。しかも医療機関が待ち時間に適切に対応してくれないことから、医療機関内で待ち時間の見守りや排泄介助で長時間支援が必要な要支援者は数多くいます。それらの方に実際にヘルプサービスを定額報酬の中で提供してくれる事業所はあまりない、というのが現状です。通院難民が数多く出てきます。これは非常に大きな問題です。

通所サービスでも定額の中の利用日数の決定の問題。今、通所事業所からも切実な声が出されましたが、ここは事業所にインセンティブが与えられている部分ですが、是非、利用者さんとしっかりコミュニケーションをとって、適切なアセスメントから利用回数や内容を導き出してください。しかし筋力向上メニューの効果が永続的にあるなんていうのは幻想ですので、サービス利用の継続を評価する立場の方は、このことを含めて考えてくださいよ。きちんと事業所が示した体力測定の結果を読み取る能力も求められますよ。

栄養改善は基本的に介護給付も1事業所の算定ですから複数事業所を使っている方の担当ケアマネは、この部分での調整も必要ですよ。

なお国に照会しましたが、36号通知で示されている低栄養の条件のみでなく、適切なアセスメントで生活への障害程度がきちんと明らかにされていれば肥満への対応も加算評価してよいということですので申し添えておきます。

それと口腔機能向上は単に歯磨き指導ではありませんので、この点誤解のないように。

ところで4月後半から現在まで新予防給付の対象者となる新要支援者の認定状況は要介護1相当の何割くらいなんでしょう。

(市)予想より低くて審査判定中、要介護1相当の6割程度でしょうか。それから問題は医師の意見書が遅れて認定審査ができないケースがあることです。あきらかに予防対象となると予想される場合は、あらかじめそちらのサービスを暫定プランで使うことは可能ですが、判断できないケースは自費利用という恐れもあり、是非、主治医師にアプローチ可能な方はご協力お願いします。(以上)

大変大きな問題です。暫定プランは予想ができる場合は問題ないでしょうしQ&Aでも遡ってセルフプランで暫定利用した扱いとして保険算定可能とする救済的取り扱いが示されていますが、訪問サービスならそれも可能ですが、「必ず物理的に区分せよ」とされる通所サービスでは難しい場合がありますから、注意が必要ですね。

それと新予防の認定者数の問題ですが、予想より低い割合で現在は出ているということですね。しかし登別市の要支援・要介護認定総数が現在1874人、そのうち要支援者と要介護1の方で1071人を占めているわけですから、これは非常に大きな問題ですね。新予防の判定には審査会の及ぶ裁量範囲は非常に小さいもので、ソフトの結果がほぼ反映さてきます。そうなると、いずれは国が目標としている現行の要介護者の8割がこの対象となってくると予測できます。そうなるとですねえ。どういう問題が出るでしょう。

今、各地では担当者数が減って、40人以上のプランを作成すると減算請求になることから、一時的に要介護者のプランを受けないということから生ずる介護難民の問題が出てきておりますが、しかしこれはあくまで一時的な過渡的問題で、今後は逆に、要介護のプラン者数が減って、経営が厳しくなる事業所が出てくるでしょう。そして包括は予防プランの数の増加で大変な事態が予測されるでしょう。この問題は注意深く見守る必要があります。

介護支援事業所からは、ネガティブな部分だけでなく、余計な介護サービスを減らすきっかけになったという部分、インフォーマルな支援などの可能性が見出せたというポジティブな部分も報告されましたが、しかし、それは全体から見れば多くないでしょうし、過剰サービスが要介護度を悪化させるなんていうのは根拠のないことで、給付費の適正化という点では、それは問題になりますが、歴史が証明しているのは、過剰サービスより過少サービスが人の暮らしを悪化させ、要介護状態を重度化させているという現状です。

このことを決して忘れてはいけません。

また福祉用具レンタルについても経過措置が10月からなくなり、要支援者や要介護1などの方々への介護ベッド等がレンタルできなくなります。生活に支障が出ない方々ばかりなんでしょうか?これらの方々の生活障害が出ないように担当のケアマネの皆さんは注意深く「生活そのもの」を見つめる視点を忘れないでください。

今回の介護予防は、すべての既存の介護サービスに予防給付も導入されています。訪問入浴に介護予防の訪問入浴が必要なんでしょうか。国はこの理由を「時間がなく精査ができなかった」からと言っています。

ふざけた話ではないですか。設計図がまともにひけていない制度を、われわれは介護予防に繋げるサービスにしなさいと、ケアマネジメントの質の問題に置き換えられ問われ、責任を負わされている。とんでもないことです。

どうか現場で設計図の不出来で生ずる問題を利用者やケアマネジメントの問題と混同しないでください。国が定めたルールが介護予防の最良の方法と間違えないでください。我々ケアマネ会、あるいはケアマネ個人として、声だすべきことは、きちんと出していきましょう。

これは当日の発言の骨子を後日まとめたもので、実際は、会場とのやり取りの中で、一連ではない発言もまとめています。実際は演説でなく、司会進行、会場とのやり取り、でありました

今、この夏の発言内容が、現実問題として地域に様々な問題を引き起こしている。要支援者の多くの方々が必要なサービスを抑制されていると感じ、保険外負担で利用せざるを得ないサービスが増えているのではないだろうか。

我々にできる支援とは何か、あらたな課題が目の前に横たわっている。

介護・福祉情報掲示板(表板)