僕はこのブログや新聞や冊子に掲載された小論文等で新予防給付の筋力トレーニングについて、予防効果が期待できないという意味のことを書いてきている。しかしよく読んでいただくと解かると思うのだが、筋力トレーニングそのものを全て必要ないとは言っていないし、ある対象にとって、方法によっては有効なツールであることも認めている。

しかし問題は現行の新予防サービスにおける筋トレの方法、特にその導入の経緯や導入されたサービスの内容には様々な問題があり、医療モデルに偏った考え方で現場の方法論が展開されている現状では効果は限定的だと思っているし、どの時期に、誰にそれが必要か、というアセスメントの有効なソフトがない点において、それは介護予防には結びつかないだろうと考えている。

介護予防サービスの中心的メニューは通所サービスとされているところであるが、そのなかでも「運動器向上メニュー」は、介護予防のメインメニューとしてモデル事業でも位置づけられていたと思う。

介護予防のための筋力向上レーニングの必要性や効果、その具体的方法については東京都老人総合研究所が中心的役割を担って研究されてきたし、モデル事業としても先進的な取組が進められ、介護予防の筋力トレーニングのノウハウを確立していると思う。これが将来的に日本的介護予防メニューの一つとしてエビデンスになる可能性はあると思っている。

しかしその方法論がこの新予防サービスにどれだけ反映されているというのだろう。我々の地域を見たとき「そんなソフトは誰も知らない」というのが現状ではないのか。なぜだろう。そのことを介護予防通所サービスにおける運動器向上メニューの導入の経緯から少し考えてみよう。

この内容については昨年2月、まだ介護保険制度の改正における新予防給付の具体的内容が不明瞭であった段階において、通所サービスのあり方を考える為の研修(北海道デイサービス施設長研修)で、東京都老人総合研究所の大渕介護予防緊急対策室室長の講演を聞いて「なるほど、これが通所サービスに求められている選択サービスメニューのひとつなのか」と思ったことがある。

しかし僕がその際に疑問に思ったことは、東京都老人総合研究所が示している筋力向上トレーニングは、あくまで包括的体力トレーニングであり、方法は「マシンによる高負荷筋力トレーニング」であるという点である。

そうなるとこのメニューを行う為には、介護職員ではない専門職の関わりが絶対に必要になると思われ、であればマシンの導入も含めて人員配置としてもコストのかかるサービスにならざるを得ないのではないかという疑問が生じた。つまりご存知のように当時の考え方では(結果もそうであったが)介護予防サービスは、介護給付サービスより介護報酬が低いサービスとなるはずで、単価を下げるのに、専門家の新たな配置が出来るのか、という疑問であった。

その研修には厚生労働省の館石認知症対策推進室室長補佐(当時)も来ていたので、介護予防の筋力トレーニングに東京都老人総合研究所がモデル事業で行っている内容を求めるのであれば、現在の職員配置基準ではサービス提供が出来ないのではないか、という疑問を呈してみた(文書アンケート)。

そのときの館石氏の回答は「何らかの形で専門家の介入を求める」というものであったと記憶している。

介護報酬が下がるのに、あらたな専門家の介入が必要になったら、このサービスはどこの事業所も行えないよ、という声があちらこちらから聞こえた(一番大きな声で言っていたのは僕かもしれないが・・・。)

とここまで書いたところであるが、実は今日はこれから明日午前中にかけてこの地区の老施協・施設長研修があり、出かける時間になってしまった。誠に申し訳ないがこの続きは明日書かせてもらいたい。
(続く)

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