ホームページに「看取り介護指針」を掲載したり、業界紙に看取り介護の視点についての論文を書いて以来、何か僕の施設がそのことを先進的に取り組んでいると思われがちだが、今まで行ってきたターミナルケアの取り組みについて、今回の加算ルールとの整合性をとりながら、システムを見直して試行錯誤しているに過ぎない。

先日も岩手県で看取り介護の視点や問題点の講演を行ってきたが、解決すべき課題は山積していると感じている。

さてその講演の数日後のことであるが、僕の施設のホームページを見たという四国の施設の施設長の方から電話で質問を受けた。

看取り介護に関する看護職員の看護行為に関して、例えば、オンコールで夜間対応を行っていても実際の医療処置は不可能だから事実上、重度化対応や看取り対応が出来ないというものである。

たしかに看護師であっても、医師の指示に基づかない医療行為はできない。あくまで医師の診療補助の行為であるし、患者を診察しないで電話で医師が指示するようなことも法的にはできない。

しかし、相談はそういう意味ではない。

その内容は、例えば、ターミナル期の対応では点滴などが必要になる場合があるが、これらの行為を実際に、施設の看護師が出来ないので事実上ターミナルケアはできない、という相談である。

なぜかといえば、行為としてできても、医療保険の算定ができないから点滴などを施設で費用負担することになり、それは実質できない、という意味である。

そうだろうか。

確かに「特別養護老人ホーム等における療養の給付(医療)の取扱いについて」では、「特別養護老人ホーム等の職員(看護師、理学療法士等)が行った医療行為については、診療報酬を算定できない。」とされている。

これをもって施設の看護師が行う点滴の場合、点滴材料費もすべて施設の持ち出しにする以外ないという解釈の為、看取り介護が阻害されているというのである。

しかしそれは誤解ではないだろうか?現実には夜間点滴を行うケースはほとんどなく、医師の診察中の場合で対応はしているが、それ以外のケースはまったく費用請求できないという意味だろうか?

例えば静脈注射などは薬剤料の単独請求はできないが、点滴は薬剤料単独請求できるものである。

つまり「特別養護老人ホーム等の職員が行った医療行為については、診療報酬を算定できない」の意味は、保険請求全部を意味するのでなく、当然、施設職員の行為に関わる点数のことをいっていると読むのが解釈上の判断ではないか。(かつてウェルの掲示板でも、それが医療の常識、という見解もあった)したがって、点滴でいえば注射手技料といわれている部分については、施設の看護師に指示して行わせたときには保険請求できないが、薬剤料は医療機関が提供している限り、請求可能だと解釈されるのではないか。

そうしないかぎり、特養での適切なターミナルケアには大きな制限が加えられ、支障が出るのではないだろうか。

介護・福祉情報掲示板(表板)