介護保険施設の居住費と食費が自己負担化されて10ケ月が経過した。
わずかの期間で自己負担は当然という考え方が固定化されてきているように思う。しかし議論が尽くされないで給付費抑制がまずありきで実施された自己負担化の影には、まだまだ様々な問題点が積み残されている。
例えば生活保護受給者についての問題がひとつ。
ユニット型個室・ユニット型準個室・従来型個室について負担限度額に原則保護費を支給しないとして負担限度額が発生する場合には、原則として被保護者の利用を認めていないという問題がある。
生活保護を受給しなければならない状態となった理由は様々であろうが、高齢者は今後、自助努力でその状態を改善できる、という可能性は極めて低い。
とすれば資本主義社会の中で何らかの問題により、現役時代に生じた経済力低下という負の遺産を老後も引き続き背負って生活せねばならないということだろうか。
これは劣等処遇の考え方そのものではないのか。
特に国の考え方は今後、施設の個室化について全体の5割を超えるまで推進する、というものだ。そうすると個室を原則利用できないという被保護者は行き場所が無くなる恐れが出てくる。これも今後、慎重に議論されていくべき問題と考える。
介護サービスであっても居住費を利用者が負担するという流れ自体は止められないだろう。
しかしそのことで必要なケアサービスが受けられなくなることはあってはならないし、その負担金額は現実的に負担能力に応じたものでなければならない。そのためにも、今回の制度改正で同時に作られた減免制度が現実的に機能しているのかという検証は重要であろう。
ところがこの減免制度の対象者が、税制改正の影響で対象外となるケースが今月から出てくる。現実的に生活の支障が出ない程度の負担金なのか、減免制度が機能していないケースは続出しないか、国は責任を持って検証する必要がある。しかしそれは期待薄か?
また社会福祉法人等の減免制度の活用が指摘されているが、そもそもある特定のサービス提供主体だけで実施される減免制度が国の福祉制度の低所得者対策として適切な対策なのだろうか。制度の枠組みの中で、利用者全体に光が当てられる対応でなければ不十分と考えられ、社会福祉法人等の減免については、これが必要であるのなら、社会福祉法人等に限らない全般的対応の対策にすべきだ。
現行の報酬体系のように介護報酬+自己負担額の合計であるところの施設の収入が個室のほうが多床室より高いというのであれば新設施設は多床室を作るメリットが薄いのだから一時的に建設コストはかかっても個室化は進捗するだろう。しかしその時、個室料金を負担できない利用者はどこへ行くのか。
従来型多床室を持つ施設自体が減ってくるであろうし、行き場のない高齢者が現れるという状況が近い将来に考えられる。今後の問題としてそのことがもっと深く議論されなければならない。
居住費と食費の自己負担化問題はまだまだ解決されていない問題を含んでいる。既成事実化で「劣等処遇」の回帰へという福祉の流れを作ってはならない。
介護・福祉情報掲示板(表板)
わずかの期間で自己負担は当然という考え方が固定化されてきているように思う。しかし議論が尽くされないで給付費抑制がまずありきで実施された自己負担化の影には、まだまだ様々な問題点が積み残されている。
例えば生活保護受給者についての問題がひとつ。
ユニット型個室・ユニット型準個室・従来型個室について負担限度額に原則保護費を支給しないとして負担限度額が発生する場合には、原則として被保護者の利用を認めていないという問題がある。
生活保護を受給しなければならない状態となった理由は様々であろうが、高齢者は今後、自助努力でその状態を改善できる、という可能性は極めて低い。
とすれば資本主義社会の中で何らかの問題により、現役時代に生じた経済力低下という負の遺産を老後も引き続き背負って生活せねばならないということだろうか。
これは劣等処遇の考え方そのものではないのか。
特に国の考え方は今後、施設の個室化について全体の5割を超えるまで推進する、というものだ。そうすると個室を原則利用できないという被保護者は行き場所が無くなる恐れが出てくる。これも今後、慎重に議論されていくべき問題と考える。
介護サービスであっても居住費を利用者が負担するという流れ自体は止められないだろう。
しかしそのことで必要なケアサービスが受けられなくなることはあってはならないし、その負担金額は現実的に負担能力に応じたものでなければならない。そのためにも、今回の制度改正で同時に作られた減免制度が現実的に機能しているのかという検証は重要であろう。
ところがこの減免制度の対象者が、税制改正の影響で対象外となるケースが今月から出てくる。現実的に生活の支障が出ない程度の負担金なのか、減免制度が機能していないケースは続出しないか、国は責任を持って検証する必要がある。しかしそれは期待薄か?
また社会福祉法人等の減免制度の活用が指摘されているが、そもそもある特定のサービス提供主体だけで実施される減免制度が国の福祉制度の低所得者対策として適切な対策なのだろうか。制度の枠組みの中で、利用者全体に光が当てられる対応でなければ不十分と考えられ、社会福祉法人等の減免については、これが必要であるのなら、社会福祉法人等に限らない全般的対応の対策にすべきだ。
現行の報酬体系のように介護報酬+自己負担額の合計であるところの施設の収入が個室のほうが多床室より高いというのであれば新設施設は多床室を作るメリットが薄いのだから一時的に建設コストはかかっても個室化は進捗するだろう。しかしその時、個室料金を負担できない利用者はどこへ行くのか。
従来型多床室を持つ施設自体が減ってくるであろうし、行き場のない高齢者が現れるという状況が近い将来に考えられる。今後の問題としてそのことがもっと深く議論されなければならない。
居住費と食費の自己負担化問題はまだまだ解決されていない問題を含んでいる。既成事実化で「劣等処遇」の回帰へという福祉の流れを作ってはならない。
介護・福祉情報掲示板(表板)
表の掲示板にレスをつけさせていただいたケース(夫婦で同じ特養に入所)とほぼ同様の落とし穴に落ちている方がこちらにもいらっしゃいました。
旧措置の実質的負担軽減者だったのですが、階層区分ではなかったために、四段階の負担がそのままかかります。
不幸中の幸いだったのは居住室がユニットではなく多床室だったことですが、、仮にユニットだとしたら本当に131万の負担増になるところでした。