4月の制度改正では、特養の加算報酬に「在宅・入所相互利用加算」という加算が設けられた。しかも1日30単位だから大きな加算である。
在宅・入所相互利用というのは、北海道奈井江町・鳥取県西伯町で行われた「「ホームシェアリング方式」導入試行事業」(未来志向研究プロジェクト)で一定の成果が見られたことから特養のサービスとして全国展開されることになった事業である。
この事業は、在宅生活を継続する為、従来のショートスティ事業とは異なって、複数人数の利用者が、あらかじめ在宅期間と入所期間(3月を限度)として定めて、施設の同一の個室を計画的に利用する制度である。
しかしその対象となる利用者は、要介護度が3以上であることが求められている。
つまり複数の要介護3以上の利用者が変わるがわる計画的に施設の個室に3月以内で滞在し、その他の期間は居宅サービスを使って、居宅で過ごすこととなる。もちろん対象者は「同一の個室」を使うことが条件の為、ダブルブッキングは許されない。
他の誰かが入所している期間に、このサービスを利用している他者がショート利用する場合は、この加算サービスとは別にショート利用する、ということになるのだろう。
しかし、である。
地域の中で、要介護3以上の方で、このような利用形態のニーズや希望を持つ方が幾人いるのだろう。いたとしても、入所したい期間がダブっては使えないではないか。
北海道の場合は、特に「越冬入所」ということばがあるくらい、冬場に医療機関に入院したり、施設利用して、春から秋に居宅で過ごす、という人も多い。長期の入所期間の希望がダブってしまうことが多いことになる。その場合は、このサービスは使えない。
このサービスを使えば、年間、半分を施設で、半分を在宅で過ごすことができるが、対象者が要介護3以上ということであれば、在宅生活中はインフォーマル支援が欠かせず、保険制度の居宅サービス利用のみでは生活は不可能だ。
そうすると、現実に要介護3以上の方を介護している家庭で、利用者や介護者に、このサービスを進めても、費用が通常のショートより高くなるという問題もあり、また実際、在宅で介護している方々は、まだまだ施設に入所しないでも頑張れる、という方が多くて、半年も利用しなくてよいし、定期的といっても、あらかじめ期間が決まっているのは自由度がないとして敬遠勝ちである。
そうした中、複数の利用者を探すのが難しいというのが実態だ。
逆に、この制度を、現在の利用者が在宅復帰する際の、支援に使えないかと考えたが、しかし施設入所の背景には、インフォーマルな支援体制が限界に来ているとか、まったくない、日中一人で置けない、という理由があった方がほとんどで、それらの要介護3以上の方が在宅復帰する、ということもなかなか困難である。
3月継続して施設利用し、再度、自宅にもどり、一定期間後、施設にもどるというニーズがある方は、むしろ在宅期間が年半年以下、3月施設〜1月在宅〜また3月施設、というように施設利用に重心を置いたケースが多いのではないだろうか?そうすると複数で相互に利用する、という形態はまたまた難しくなる。
どうもこのサービスの利用イメージがわかない。
モデル事業で、どんな方が、どのような利用で、どんな効果があったか、もっと広く、その結果を検証し、公開してほしいものだ。
介護・福祉情報掲示板(表板)
在宅・入所相互利用というのは、北海道奈井江町・鳥取県西伯町で行われた「「ホームシェアリング方式」導入試行事業」(未来志向研究プロジェクト)で一定の成果が見られたことから特養のサービスとして全国展開されることになった事業である。
この事業は、在宅生活を継続する為、従来のショートスティ事業とは異なって、複数人数の利用者が、あらかじめ在宅期間と入所期間(3月を限度)として定めて、施設の同一の個室を計画的に利用する制度である。
しかしその対象となる利用者は、要介護度が3以上であることが求められている。
つまり複数の要介護3以上の利用者が変わるがわる計画的に施設の個室に3月以内で滞在し、その他の期間は居宅サービスを使って、居宅で過ごすこととなる。もちろん対象者は「同一の個室」を使うことが条件の為、ダブルブッキングは許されない。
他の誰かが入所している期間に、このサービスを利用している他者がショート利用する場合は、この加算サービスとは別にショート利用する、ということになるのだろう。
しかし、である。
地域の中で、要介護3以上の方で、このような利用形態のニーズや希望を持つ方が幾人いるのだろう。いたとしても、入所したい期間がダブっては使えないではないか。
北海道の場合は、特に「越冬入所」ということばがあるくらい、冬場に医療機関に入院したり、施設利用して、春から秋に居宅で過ごす、という人も多い。長期の入所期間の希望がダブってしまうことが多いことになる。その場合は、このサービスは使えない。
このサービスを使えば、年間、半分を施設で、半分を在宅で過ごすことができるが、対象者が要介護3以上ということであれば、在宅生活中はインフォーマル支援が欠かせず、保険制度の居宅サービス利用のみでは生活は不可能だ。
そうすると、現実に要介護3以上の方を介護している家庭で、利用者や介護者に、このサービスを進めても、費用が通常のショートより高くなるという問題もあり、また実際、在宅で介護している方々は、まだまだ施設に入所しないでも頑張れる、という方が多くて、半年も利用しなくてよいし、定期的といっても、あらかじめ期間が決まっているのは自由度がないとして敬遠勝ちである。
そうした中、複数の利用者を探すのが難しいというのが実態だ。
逆に、この制度を、現在の利用者が在宅復帰する際の、支援に使えないかと考えたが、しかし施設入所の背景には、インフォーマルな支援体制が限界に来ているとか、まったくない、日中一人で置けない、という理由があった方がほとんどで、それらの要介護3以上の方が在宅復帰する、ということもなかなか困難である。
3月継続して施設利用し、再度、自宅にもどり、一定期間後、施設にもどるというニーズがある方は、むしろ在宅期間が年半年以下、3月施設〜1月在宅〜また3月施設、というように施設利用に重心を置いたケースが多いのではないだろうか?そうすると複数で相互に利用する、という形態はまたまた難しくなる。
どうもこのサービスの利用イメージがわかない。
モデル事業で、どんな方が、どのような利用で、どんな効果があったか、もっと広く、その結果を検証し、公開してほしいものだ。
介護・福祉情報掲示板(表板)