今朝、ピンチヒッターでデイサービスのマイクロバスの運転手として送迎を行った。

デイには大型免許を持つ運転手(介護福祉士及び社会福祉主事の有資格者)が1名いるが、何かの場合、特養の大型免許保持者が代行することはよくある。

しかしたまたま今日は、特養の他の2名の免許保持者も離れられない業務があって、残る職員で大型免許を持つ者は僕だけであったので、急遽、運転手として出かけた。

確か、数年前、デイができた当時は、何回か、送迎に参加したが、もう5〜6年前である。

利用者も運行経路も変わっているし、以前のことはまったく覚えていないので、初心者と同じだ。

それにしても送迎を行ってみると、普段わからないいろいろなことが理解できて面白い(この言い方は適切ではないかもしれないが、新たな気づき、が生まれるという意味である)

まず、当市に住んで既に20年以上経つので、道はたいてい知っているつもりであったが、とんでもない!!枝道や普段通らないまったく知らない道が結構ある。デイの運転手は地理にも詳しくならなければならないことを痛感した。

それからマイクロバスとはいえ、家の前につけるわけであるが、狭い道が多い。バックで入らなければならない道、逆にバックで出なければならない道、ユーターンができない場所はそこら中にある。事故を起こさず、安全に運行するには、運転手と同乗者の協力は不可欠だ。

それから、送迎の基本はドアツウドアとはいうが、独居の方などは基本的にルームツウドアが絶対不可欠な支援であることが送迎に関わるとよく理解できる。

また運行計画通りの時間でお迎えするのが利用者にとっても楽だし、重要な点で、普段からこの点を注意するようには言っているが、実際はそのようにうまくいかない要素がたくさんあることが理解できる。

今日も2件目にお邪魔した、独居の方のお宅の玄関は開いているのだが、本人がいない。しかし同乗の介護者は少しもあわてることなく「よくあるんです。事前に朝連絡しても送迎の時間に関係なくその辺を散歩していたりするんです」とバスを飛び降り、駆け足で周辺を捜索、その間約5分、バスを邪魔でない場所に止め、もう一人の同乗利用者に恐縮しながら待っていた。幸い発見(ちなみに行き場所がある程度わかっていて発見できないことはないそうである)

その後9名の方のお宅をまわり乗っていただく、中には団地の4階に住んでいるのに、旦那様に付き添っていただき、1回入り口まで出てきて待っている方もいた。アクシデントでいつもより遅い時間に着いたのに申し訳ないと思った、お部屋で待っていてくださっても良いのに・・。でも、これもその方の日課の一部で、運動機会でもあるようだ。筋トレよりよっぽど効果がある。

その後順調に進んだかにみえたが10人目のお宅で、ちょうど利用者の方がトイレに入っている、ということ。ちょっと待てば来るだろうと思い、僕はバスの中で他の方々を見守り、同乗介助者がその方のお宅で玄関先で待機、しかし、これが長い、結局そこで10分以上待つこととなる。
しかし他の同乗者の方は優しい。「でもの、はれもの、ところ構わずだから仕方ないショ!!」と笑ってくれる。

いよいよ後2名といところで、利用者本人は玄関先に出てくるが、何か介助者と探している。鍵を置いた場所を忘れて、見当たらず探しているらしい。介助者が家の中に入っていつも置いている場所を探す(置忘れがよくある方で、こういうことも多いらしく、おき場所を決めて、当事業所職員も把握しているらしい)しかし見つからず、結局、近隣のご家族に携帯で連絡し「今行くからそのまま出かけてください」とのことで乗車して出発。

「家族が近くでよかったね」というとデイ職員は「家族に連絡がとれないときはケアマネさんに連絡すれば来てくれるんです」

いくら自分が立てたサービスの実施に関わることだからといって、ここまでケアマネに協力を求めてよいものだろうかと疑問がよぎるが、これも記憶の低下している方が通所サービスを利用する際に想定される状況として普段から連携協力している結果であろうと思い、あらためて担当ケアマネさんに感謝の思いが募る。

お互いの立場を主張しあうだけでなく、このような細かな所属事業所を超えた協力ができて地域の中で小さいながらネットワークが活用されていることが地域福祉には重要で、介護保険制度の功、の部分はここなのだろうと感じたしだいである。

時には、そういう現場を肌で感じることも必要だ。今後も機会をふやしていきたい。時間が足りないのが難点ではあるが・・・。

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