縦割り行政の問題はいわれて久しいが、一向に改善されない。構造改革を言うならこの問題の具体的な解決手段を模索してもらいたいものだ。

しかし、解決といっても、構造的問題の改革は簡単ではないだろうが、役所の内部で、他課とちょっとしたコミュニケーションをとれば解決できるのではないかという問題もある。これさえもできないのは何故なんだろうか。

先日、当施設の併設居宅介護支援事業所で、緊急的にケアマネジメントを引き受けたケースで、認知症の進行とともに在宅独居が困難になったケースがある。数週間居宅サービスのプランを立て、近隣住民などのインフォーマルサービスの協力を得ていたが、最終的には施設入所に至った。

家族が道内にいないため、入所後の家の処分などは、後日行うこととなった。

問題は、この方が、野良猫を数匹(勝手に家に出入りしている猫だから数の特定ができない、10匹近いか?を飼っていたということだ。いや、飼っていた、というより出入り自由にさせていたという方が実態とあっているか。

家の中も猫の毛や臭いでひどい状態であるが、とりあえず、施設入所に際し、家の出入り口を閉め、猫の出入りをできないようにした。

ところがこの家の持ち主さんが支庁に連絡して、野良猫が近所に増えて困るので処分してくれと要請したそうで、この処分を居宅ケアマネに依頼してきた。

手続き等であれば協力はやぶさかではないが、聞けば、すべて捕獲して保健所に持ってきて手続きをする必要があるということ。

そこまではできない。しかもケアマネに言わせれば、そこらにいる猫が、どれが野良猫で、どれが当該利用者が世話していたか区別できないという。もっともだ。

そこで支庁担当者に、協力できる部分はするけど、こういう状態でケアマネが行えることは現時点ではなく、市役所等の協力をお願いした。

すると「市の担当者とは前から話していて、保護の担当者から本人に指導している」「本人に処分の責任がある」「大家さんからも苦情が出ているし本来本人が処分する問題だよ」との主張だ。

「でも本人は自分で自己決定もできないし、そうした行動がとれないんですから・・。」

「じゃあ、施設でやってくれませんか・・・。」

できることと、できないことがある。

「こういう問題は、本ケースに限ったことではなく、今後地域でたくさん同じような問題が出てきますので、福祉課や包括支援センターと協力して地域の介護問題として考えて、それぞれできることを連携して対応しませんか」

「こちらは動物課だから、その辺は詳しくはわかりません。介護保険は別の課だし」

噛み合わない。

ちょっと課を超えてコミュニュケーションをとれば解決の手だてが見つかるかもしれないのに、その入り口にもたどり着けない現状がある。

こうした意識から変えていかねば何も解決にならない。

介護・福祉情報掲示板(表板)