85db0f39.jpg今日は福祉や介護とは直接関係ない話題になることをご容赦いただきたい。

まず貼り付いている写真画像を見ていただきたい。

これは当施設の正面玄関横の居室前に植えられた「オンコ」である。

ほとんどの木が、下から2/3ほどまで新芽がなくなり裸の状態で無残な姿になっている。

これは何が原因かお分かりだろうか?

実は、エゾシカの食害である。こんなことははじめてであったが、施設の周辺に野生のエゾシカが増えていることと、この冬は、この地方としては雪の多い年で、シカたちにとっての食べ物が少なかったことが原因なんだろう。

しかし(しゃれではない)いくら姿かたちが「可愛い」動物でも、害は害である。このオンコだけなら笑って済ませられるが、実は当施設の敷地には協力病院の作業療法地が隣接している。そこでの食害はもっとひどい。ほとんど枯れてしまっている木も多い。困ったことだ。

その他にもエゾシカの被害は人命にも関わっている。都会の人には想像できないだろうが、野生の鹿が突然、道路を横切るのだ。事故が起こらないわけがない。何台もの車が鹿との衝突でつぶれているし、場合によっては死亡事故にも繋がりかねない。

当市では、他にもこのような被害があり、エゾシカは害獣指定を受け、駆除対象となっているそうである。

なお駆除された鹿肉は一部の地域でエゾシカバーガーやエゾシカ蕎麦として売られているらしい。

増えすぎた場合の野生動物との共存共栄はなかなか難しい。

それと、この敷地には、時折、野生のキタキツネが近づいてくる。田中 邦衛主演のドラマ「北の国から」で蛍が「リィ〜リィ〜リィ〜」と野生のキツネを呼んでいた場面を思い出す方も多いだろうが、このキタキツネも厄介である。

というのも野生の狐はエキノコックスを持っている場合が多いのだ。狐のフンが人間の生活環境の近くにあると、そこから川や土壌が汚染され、人間に感染する場合がある。特にエキノコックスの潜伏期間は10年であるから、感染しても10年間は気づかないわけである。

時には重篤な肝機能障害も引き起こす恐れがあり、笑い話ではすまない。しかし、当施設の前を走る道路はクッタラ湖という湖を経由して登別温泉に出られる観光道路でもあるから、観光客の方々が、可愛らしい狐を見て、食べ物を投げ与えることが良くある。注意書きのたて看板も市により設置されているのだが、なかなか効果がない。

自然に囲まれているということは、大変すばらしいことだが、このような贅沢な悩みもつきまとうのだ。

そうだ。あえて「贅沢な悩み」といっておこう。

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