昨日に続いて施設の食事提供について考えてみたい。

食事は何より「楽しみ」でなければならない。これは当たり前のことで僕が改めていうまでもないだろう。単に生命維持の道具ではないのだ。

ただ栄養状態が悪い方や、健康上の問題がある方、摂食障害のある方など様々な状態に対応するのも食事であるから、時として「楽しむ食事」という観点を忘れがちになってしまう。

その視点があまりに大きくなりすぎると、食事というより餌に近いものになってしまう恐れがある。

僕の施設でも、ミキサー食などは、本当にこれは、食べたいものなのか?疑問に思う色になっているときがある。刻み食もしかり。この改善がまず重要で、ソフト食をはじめ、様々な工夫に挑戦中であるが、完全に移行できてはいない。

技術や知識がまだまだ足りないからだ。

昨日ふれた経口維持加算の取り組みについても質問を受けることが多いのは、医師の指示の書式や経口維持の計画書の作り方である。(そのためモデル書式をホームページに掲載した)

しかし、よく考えると、これは少しおかしな現象だ。

本来、経口維持の取組でもっとも大事なことは、加算算定のルールではなく、実際の方法論ではないか。

つまり、何を、どのように提供しているか、ということに一番関心が寄せられなければならないはずだ。

しかし、そういう質問がほとんどないということは、各施設では、刻み食に変わる、他の方法論がすでに確立されているということであろうか?

どうもそうではないように感じてならない。

当施設で現在、経口維持に取り組んでいる方に提供する食事は、食材をミキサーにかけたものを、味や風味が変わらないように、豆腐などと混ぜて固める「豆腐寄せ」という形態のものや、あらかじめやわらかい食材でメニューを構成して、それにあんをかけて提供する「あんかけ食」等を用いている。

これが最善の方法とは思わないが、これをいかに発展的に、より楽しめる食事という観点を残しながら経口摂取に取り組む下敷きにしていくのかが栄養士の腕の見せ所になるだろうと思っている。

どのような状態の方であっても、苦しい表情で食事をしているのでは困るのだ。

皆が笑顔で食事できるという、ごく当たり前のことを忘れてはならない。治療食や嚥下改善食も同じ観点が必要だ。

栄養が摂れれば目的が達せられるわけではないのだ。なぜなら我々が提供するサービスは対人援助のサービスで、人の幸福感に関わるものでなければ意味がないからだ。

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